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開業130周年〈帝国ホテル〉が一流であり続ける理由とは。8つの“おもてなし”を大解剖。

日本の迎賓館として1890年11月に開業し、今年130周年を迎える〈帝国ホテル〉。もてなしの技は唯一無二。宿泊を通して、ホテルを支える一流の仕事を紐解きます。

旅行・おでかけ

【理由.1】エレベーターのバラなど、 館内の花は生花だけ!

エントランスでゲストを出迎える「ロビー装花」は帝国ホテルを象徴する存在。季節で花が替わり、9月はケイトウに。約300本を使う装花は毎日メンテナンスされ、1本たりとも枯れているものはない。

ふんわりとした絨毯の感触を確かめながら〈帝国ホテル東京〉のロビーに足を踏み入れると、堂々たる佇まいの「ロビー装花」に出迎えられる。ケイトウの燃えるような深紅の色が、秋の訪れを告きらげている。装花の頭上で煌めくシャンデリア、奥に続く階段と、シンメトリーな美しさに改めて見惚れてしまう。

エレベーター内に飾られるピンク色の一輪のバラ。1日3回の水やりなどエレベーター専任スタッフ・スターターの細やかな仕事により、可憐な開き具合を保つ。ホテル内で使う花はすべて生花であり、少しでも傷んだら交換。

さて、今日は念願の宿泊の日。ドアマンからベルマンへ、流れるような連携作業でスムーズにチェックインを済ませると、スターターと呼ばれるエレベーター専門スタッフが客室へと導いてくれる。エレベーター内には小さなピンクのバラが一輪。「このバラの美しさを保つのも私たちの仕事なんですよ」というスターターの言葉に、おもてなしは既にここから始まっていることを知る。

生花の一部を再利用し、ゲストアテンダントによってポプリが手作りされ、アニバーサリープランのお土産などに活用されている。

【理由.2】もてなしの心を象徴する着物姿の客室スタッフ。

インペリアルフロアの宿泊者を担当するゲストアテンダント。ウェルカムドリンクや客室の説明、荷ほどきなど手厚いケアをしてくれる。この着物姿こそ、日本の迎賓館として開業し、世界中のVIPをお迎えしてきたホテルの伝統と誇りなのだ。

本館16階のインペリアルフロアに到着すると、部屋の前で着物姿のゲストアテンダント(特別フロア専門のスタッフ)の女性が笑顔で迎えて下さり、感動してしまう。

客室の壁一面の大きな窓からは日比谷公園が真正面に広がり、この場所が東京の一等地であることを再確認する。バスルームのシンクの水栓はピカピカに磨かれ、真っ赤なバラが一輪、さりげなく飾られている。品のいい開き具合は、エレベーターのピンクのバラと同じだ。

【理由.3】チェック項目は200以上!客室の守り神インスペクター。

客室清掃係の清掃後、さらにインスペクターという客室点検のプロが20分かけて部屋をチェック。デスクの点検では着席してイスの具合も確認し、備品の懐中電灯を点けてベッド下の忘れ物をチェック…と1つの動作で2つの要素を手際よく確認。髪の毛1本も見逃さず、前の宿泊客の気配を消し去っていく。作業は靴を脱いで行うのもプロの心遣いだ。

〈帝国ホテル〉が長い歴史の中で研鑽してきたおもてなしの一つが、妥協なき掃除への姿勢。2人一組の清掃係が30分かけて丹念に掃除した後、さらにもう一度、「インスペクター」という客室点検の専門スタッフがくまなくチェックする。グラスの微細な欠けも見逃さず、落とし物がないか、カーテンのヒダやベッドの下も入念に確認し、テレビは必ずつけて適度な音量か確かめる。そのすべてが、宿泊客がストレスなく寛ぐための準備。

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