30代をシンプルに生き抜こう♡
「ELENDEEK」の渡辺由香さん&大山香奈恵さんを直撃!
20代後半から30歳にかけて、女性は誰もが“人生設計”について考える時期。仕事でやっと一人前になり大きな裁量を持てるようになる一方で、結婚や出産の人生イベントを迎えるお年頃。そんな30代を素敵に生き抜くヒントはどこにあるのでしょうか?
今回は、20代からファッション業界の第一線で活躍し続けてきた「ELENDEEK(エレンディーク)」のクリエイティブディレクター・渡辺由香さんと、プレスの大山香奈恵さんにお話を聞きました。
「ELENDEEK(エレンディーク)」は、シンプルで洗練されたブランド。大人の女性を中心に支持を集めています。今年の9月2日には、青山に路面店もオープンしました。
● 渡辺由香さん(40)
26歳の時に「MERCURYDUO(マーキュリーデュオ)」を立ち上げ、クリエイティブディレクターとして、デザイン、PR戦略から商品企画までブランド全体の統括を行う。2016年には、「ELENDEEK」を立ち上げ、全体統括を行う。プライベートでは、2012年に結婚。現在は一児の母として、仕事と育児を両立。
● 大山 香奈恵さん(30)
20歳の頃から「MERCURYDUO」に携わり、プレスなどを経験。現在は、「ELENDEEK」のプレス担当として、1人で全てを切り盛りしている。プライベートでは、今年2月に結婚。
仕事に追われた20代、家庭ができた30代
ブランドを変える大きなタイミングは“人生の転換期”
elendeek
「MERCURYDUO」で大成功を収めた渡辺さん。「ELENDEEK」を立ち上げるきっかけは、プライベートによる状況や気持ちの変化がきっかけだったそうです。
――20代から30代、そして今。転換期と感じた経験は何ですか?
渡辺:やはり、立ち上げから長年携わった「MERCURYDUO」を離れ、「ELENDEEK」を手がけたことですね。20代の頃からファッションを創造する仕事に携わってきましたが、結婚や出産を経験し、年齢を重ねていくうちに、体型や好みが大きく変化しました。自分自身がわくわくできなくなっていることに気がついて……。
等身大の自分が着たいと思える、そして同世代の女性たちが輝ける服を作りたくて、「ELENDEEK」を立ち上げました。今のブランドのメンバーはいわば、“戦友”です。前のブランド時代から共に戦い続けてきたスタッフが多いのでとても心強いんです。大山もその一人。大切な仲間です。
長年の想いカタチになった“青山店”のオープン
ブランドを立ち上げ、先月には路面店オープンしました。その時の苦労と同時に得たものはかけがえのないものに。
――大変だったこと、やりがいがあった仕事について聞かせてください。
渡辺:たくさんあるので1つには絞れないのですが、最近では路面店を出したことです。構想に長い時間をかけたし、それだけの強い想いをたくさん積み重ねたブランドだっただけに、その象徴となる最初の路面店はどうしても成功させたかったんです。アパレルの出店はどこも大変な時代。特に路面店は、会社内でも成功事例がまだ少なく、社内での交渉も大変でした。何年も交渉してやっと出せたのが、このお店です。
例えば、土地探しにも苦労をしました。最初は、他の部門の人にもお願いしていたんですが、最終的には、自分でも不動産屋を何件もまわりました。納得できるまで、何度も足を運んで、現在の物件を決めました。路面店を出すまでは、約2年かかりましたが、今年の9月2日にようやくオープンできた時は、心の底から感動しました。
大山:青山店のオープンは、私にとっても貴重な経験になりました。レセプションパーティーなどでは、ケータリング1つをとっても、ブランドの印象になります。そういった細かいこだわりを自分なりに積み重ねて、プレス業務も少しずつ軌道に乗ってきました。1つ1つを大切に頑張った結果が、“1つのカタチ”になったことはとても嬉しかったです。
渡辺:とにかくオープンに向けて、120%やり抜きたい想いを持ってやっていました。店舗・コンテンツ・ケータリングまで、たくさんのことを抱えながら、ひとつひとつやりきるのは、大変だったよね(笑)。でも、みんながこだわってやりきった結果、1番いいカタチでこのお店ができたと思います。
1人1人が“プロ集団”。自分の結婚や出産で、職場の環境づくりを
若くからブランドのトップに立ち、たくさんの部下を抱えている渡辺さんですが、歳を重ねるにつれ、仕事に対する考え方にも変化があったようです。
――歳を重ねるに連れて、変化したことがあれば教えてください。
渡辺:年齢や体力というよりも、子どもができたことで180度環境が変わりました。子どもという相手あっての自分。思い通りにならないことがとにかく多くなりました。特に、“使える時間が限られてしまうこと”は、すごく大きかったですね。以前は、絶対妥協したくない気持ちが強くて、細かいことまで全て指示を出していました。あらゆることが自分いないと回らない環境をつくってしまっていたんです。
そのせいで、私が出産をするときに、みんなに大変な思いをさせてしまうことになってしまいました……。今までの仕事の仕方を見直す必要があると反省し、それからは、チームとしてブランドが回るように意識しました。社員1人1人、それぞれが自分の担当分野の責任を持ち、自分なりの考えを持って動けるスペシャリストであること、そして、そのスペシャリストたちの意見を尊重しつつ、“仕事のしやすい環境づくり”を意識しました。
結果、私自身の負担も減って、みんなの成長にもつながりました。プレスやデザイナー、それぞれが自分で考えて行動することで、無駄がなくなり、組織としても、成長していると思います。今は、彼女達から学ぶことも多いです。
結婚や出産は、色んな意味で、私の価値観を変えてくれた経験になりました。今の職場は女性が多いので、自分の経験を活かして少しずつ女性の働きやすい環境づくりもできたらいいなと思っています。特に20~30代の女性は人生における転機をたくさん経験する時期。それだけに色んな悩みと戦っています。プライベートも含めて、悩みを言い合えるような組織でありたいです。
大山:私も今年、結婚しました。昔と比べて、とても働きやすくなったと感じます。
荒れていた食生活も、家族の存在で変化
絶対に風邪は引けない!健康に気遣いを
そもそも働くのにも、大切なのは“健康第一”であること。若さで乗り切れる年齢でもなくなってくる30代、体調管理についても変化がありました。
――子育てや仕事など、忙しい毎日をうまくこなすコツはありますか?
渡辺:やっぱり身体は資本です!ベストな状態をキープするためには、健康なカラダでいることは、とても大切。最近は特にそう感じます。20代のすごく忙しかった時は、本当に荒れた食生活を送っていました。お酒も週に何回も、たくさん飲んでいました(笑)。今は子どもがいるので、ちゃんと料理をすることが多くなり、健康を意識した食生活を心がけています。働くママとして絶対に風邪は引けないので、栄養バランスもちゃんと考えるようになりました。
大山:私も、家族ができて変わりました。1人の時は「何でもいいや」という気持ちで、ほとんど料理はしていませんでした(笑)。
忙しくても、栄養補給を忘れずに
渡辺さんは、時間がない時でも“栄養への気遣い”は忘れないようにしています。
――それでも時間がないとき、気を遣うポイントは?
渡辺:ランチの時間がないときでも、口に入れる物には気をつけています。仕事柄、バタつきがちな今の私にとっては手軽にささっと食べられるカロリーメイトはちょうど良いんです。コンパクトで持ち運びやすいので、カバンの中に入れておきやすいのも嬉しいポイントです。
学生の頃は、チーズ味やチョコレート味をお菓子のような感覚で食べていましたが、いろいろな栄養がこれ1つでもバランスよく摂れるってことに最近改めて気づきました。ビタミンやミネラルも入っていて手軽に栄養補給ができるのが、ありがたいです。今は、甘すぎずシンプルなプレーンがお気に入りです。
これからも進化し続ける「ELENDEEK」
東京から、世界的に認められるブランドへ♡
コツコツと努力し着実に目標を実現されてきたお2人の今後の目標は、世界的に認められるブランドにしていくこと。そして仕事だけでなく妻としての両立だそうです。
――最後に、今後の目標を聞かせてください。
渡辺:「路面店を出す」という夢を実現したばかりなので、まずは、このお店を成功させることです。東京は世界的にも注目されていて、特に青山は、海外からのお客様もすごく多い土地。このファッション最先端の街で認められるよう、頑張ります。
大山:由香さんのその想いを実現させるために、プレスとしてもっともっと「ELENDEEK」の認知を広められるように活動をしていくことと、プライベートでは結婚したばかりなので、妻としても仕事とプライベートを両立できるように頑張っていきたいです。
夢に向かって、力を抜いて頑張ろう♡
仕事に夢中になればなるほど、全てを自分で背負いがちな人も多いはず。でも、自分だけの力ではどうしようもなくなってしまったり、苦しくなってしまう瞬間もあるのではないでしょうか。
そんな時は、少し立ち止まって今の自分の状況を見つめ直してみましょう。うまく周りの人と協力しながら、柔軟に、自身を成長させていくことも大切。輝く先輩のアドバイスを参考にしてみてくださいね♡
撮影/藤井篤志 撮影協力/ELENDEEK 青山店(東京都港区南青山5-9-8 1F) 取材・文/LOCARI編集部