フランス・ブルターニュ地方生まれの、バターと砂糖をふんだんに使用した発酵菓子、クイニーアマン。この記事ではパイシートを使った簡単アレンジレシピをご紹介します。外側はキャラメルがパリッパリ、噛むとバターの風味がじゅわーっと広がるクイニーアマンをさっそく作っていきましょう!
フランスの伝統菓子、クイニーアマン
クイニーアマンと言えば90年代半ばに少し流行って、また5年ほど前によく名前を聞いたような……日本での流行は2回くらいあったと記憶しています。そのあと、コンビニやパン屋さんでもよく見かけるようになり「昔より定番化したのかな?」という印象です。
フランス伝統菓子大好きの筆者はパン屋さんやパティスリーでクイニーアマンがあると必ず手に取ってしまうくらい、クイニーアマンが大好き。ほろにがのキャラメルと、もっちりカリッとしたパン生地にほんのりとした塩気……。多分相当カロリーは高いのに食べずにはいられない罪なお菓子です。
そして最近、レシピ検索サイトで「クイニーアマン」のキーワードが人気急上昇中とか!ステイホームの影響でみなさんお菓子作りに挑戦しているのかもしれませんね。
クイニーアマンとは?
クイニーアマンはフランス・ブルターニュ地方生まれの、バターと砂糖をふんだんに使用した発酵菓子(パンとお菓子の中間)。フランスのブルターニュ地方に伝わる言語「ブルトン語」が語源です。
・クイニー(kouign)= お菓子、ケーキ
・アマン(amann)= バター
という意味で、いわゆるフランス語ではないんですね。
実はこのクイニーアマン、「パン屋さんの失敗から生まれたパン」と言われています。1860年代頃、海に近いブルターニュ地方は土地が肥沃でないため小麦が不足。反対に牛の放牧は盛んにおこなわれていたので高品質の乳製品が手に入り、バターは豊富にありました。
そんな状況のなかで、あるパン屋さんが通常よりバターの多い配合の生地を作ってしまい、「捨てるのはもったいない」と焼いてみたら、とてもおいしいパンが完成したというのがクイニーアマン誕生につながった、と言われています。
初心者でも簡単!クイニーアマンの作り方
クイニーアマンは本来、バターを折り込んだパン生地を使用します。ですが、バターを折り込む作業はパン作りに慣れていないと結構大変な工程です。うまく作業をしないとせっかく折り込んだバターがパン生地に馴染んでしまい、さくっとした食感が出づらくなってしまいます。
そこで今回は、クイニーアマン好きのパティシエである筆者が、市販の冷凍パイシートを使うレシピをご紹介!だれでも簡単に作れ、かつクイニーアマンに近い味に仕上がるよう再現しました。
材料(直径10cmのココット2個分)
・冷凍パイシート……100g
・グラニュー糖(折り込み用)……30g
・水……適量
<型>
・やわらかくした有塩バター……20g
・グラニュー糖……40g
下準備
■冷凍パイシートを室温で15分ほど置き、解凍します。
■オーブンを180℃に余熱します。
手順
1. 型の用意
ココット型にやわらかくしたバターを塗ります。バターはすこし厚めのほうが型ばなれと風味がよくなります。ココット型がない場合はマフィン型やスポンジケーキ型、グラタン皿などの耐熱容器で代用できます。
バターを塗ったらグラニュー糖を入れてまんべんなくまぶしつけて、冷蔵庫で一旦冷やします。多いかなと思うくらいのグラニュー糖の量がないときれいにキャラメル化しないので、分量どおり使ってくださいね。
2. 冷凍パイシートにグラニュー糖を折り込む
解凍した冷凍パイシートの表面を、霧吹きで湿らせグラニュー糖をふり、麺棒を使って縦にのばしていきます。くっつくようなら打ち粉代わりにグラニュー糖をふり、半分に切ったときに正方形になるようにのばしましょう。
続いて横半分にカットします。正方形に近い形になっていれば大丈夫です。生地がだらんとなってしまった場合は15分ほど冷蔵庫で冷やします。生地の温度を冷たいままで作業することが、サクサクに仕上げるポイントです。
3. 生地を折りたたみ、焼く
生地を折りたたんでいきます。四隅を真ん中で合わせ、さらに四隅を中心に向かって折り込みます。ひっくり返してなるべく円形になるように整えましょう。くっつくようであれば、ここでも打ち粉代わりにグラニュー糖を使います。
型に折りたたんだパイ生地を閉じ目が上になるようにして入れ、上からさらにグラニュー糖をかけます。
用意しておいた型に入れて180℃のオーブンで35〜45分ほど、きれいなキャラメル色になるまで焼いてください。オーブンによって若干焼き時間は変わってきます。