子供からお年寄りまで、いつの時代も銀座の街は人々の憧れ。今回は、そんな銀座で愛され続ける洋食の名店をご紹介します。
1.ソースに潜むマカロニに老舗洋食店のこだわりがきらり。〈煉瓦亭〉
「エビマカロニグラタン」(1,700円)(税込)
マカロニの存在感で群を抜くのが、洋食の草分け〈煉瓦亭〉の「マカロニグラタン」。数十年来のレシピを守り、マカロニはカットせず使うのが店のこだわり。エビ、タマネギ、マッシュルーム入り。マカロニをぐるりと巻き、ベシャメルソースで閉じ込めている。マカロニによく絡むよう、ベシャメルソースは牛乳の割合を調整しサラッとした仕上がりに。パン粉にこんがり焼き色を付け、昔ながらの変わらぬ味を守り続けている。
明治28年創業。銀座を代表する洋食店。
(Hanako1130号掲載/photo : Michi Murakami, Eriko Matsumoto text : Etsuko Onodera)
煉瓦亭
銀座駅
2.創業当時のレシピが今も大切に守られている〈銀座 みかわや〉
銀座で創業して130年余。〈みかわや〉の洋食を「特別な日に」と選ぶ人が多いのは、創業当時のレシピが今も大切に守られているから。そのオーセンティックな洋食には昔ながらのファンが多く、親子三代で訪れる人も多いのだという。レトロモダンな内装も、一層気分を盛り上げてくれる。
かにクロケット2,900円、ハヤシライス2,600円(各税込、サ別)
明治20年から、銀座通りで食料品店を営み、戦後、フランス料理店を開店。その頃のフレンチといえば、シチューにグラタン、ハンバーグといった洋食だった。きつね色にこんがりと揚がった「かにクロケット」は、カニの旨味がぎっしりと詰まった濃厚さで絶品。特製タルタルソースの酸味と抜群に合う。隠れた人気メニューハヤシライスは、ナイフとフォークが必要なほど肉が厚い。それもそのはず、ステーキに使われるヒレとサーロインから削ぎ落とされた肉を使用しているのだとか。昔もこれからも〈みかわや〉に来るたび、変わらないおいしさを堪能できることは、銀座に来る幸せのひとつだろう。
(Hanako1153号掲載/photo : Masako Nakagawa text : Kayo Yabushita)
銀座 みかわや
銀座駅
3.横浜ニューグランドホテルで洋食を学んだシェフが開店〈芳味亭〉
2階も洗練された雰囲気。
昭和8年、横浜ニューグランドホテルで洋食を学んだ創業者・近藤重晴シェフが開店。ホテル仕込みの丁寧な仕事を受け継ぎ、現在は5代目の社長が店を担う。
「ビーフスチュー」は創業者がホテルでの呼び方をそのまま使ったことに由来。〈人形町今半〉の黒毛和牛スネ肉を使用。2,592円。ランチ1,944円~、ディナーコース5,400円~(2名より・各税込)。
昨年12月に移転リニューアルし、洋風の一棟建てになった店内では、名物の「ビーフスチュー」をはじめ、カニクリームコロッケやハヤシライスなど、創業当時からのロングセラーがグレードアップして登場。
(Hanako『ふだんづかいの大銀座』掲載/photo : Kayoko Aoki text : Kimiko Yamada)
芳味亭
人形町駅
4.手間をかけ丁寧に作られる、お箸で食べられるフレンチ。〈玉木〉
カニクリームコロッケトマトソース3,000円(アラカルトから)。「伝統的フランス 料理の技法を使った 日本人が好きな料理(柏原さん)」
くぬぎ鱒の燻製。