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第4回|体質別で痩せ方が違う!太りにくい体を作る大人のダイエット

体型をコントロールすることは健康をキープするのに大切なことのひとつ。やみくもに食事制限をしたり、過度な運動をしても継続できずにリバウンドしたり、お肌が荒れたり、生理が止まったり、弊害が出るダイエットは大人のダイエットと言えません。中医学的な体に合ったダイエット方法なら、ちょっとした食事の仕方や運動で太らない体を手に入れることができます。

イラスト/macco

2017年12月
ライフスタイル

ただ減らすだけじゃダメ。中医学的ダイエットのすゝめ

 いつまでもきれいでいたいし、美しくありたいというのは大昔からのテーマです。ダイエットは美しくあるため、きれいであるためにとても重要ですが、それだけではありません。肥満は糖尿病や心筋梗塞など様々な病気の温床でもあることから、「健康のために太らない」ということが大切ですよね。中医学では、太る原因も痩せる方法も一人ひとり違うと考えられています。巷にあふれるダイエットは数知れず。しかし、どれもが自分に合ったものとは限りません。中医学的ダイエットでは、ただ体重を落とすのではなく、一人ひとりの体質に合わせて無理なく健康的な体になることを目指しています。
 では、太ったのにはどういう原因が考えられ、どういったダイエット方法がよいのか、4つの体質別に見ていきましょう。

①“あまり食べないのに太る”下半身太りの[気虚(ききょ)タイプ]

こんな症状がある人は要注意!

・運動が苦手 
・疲れやすく体力がない 
・カゼを引きやすい 
・胃腸が弱く下痢しがち 
・お腹に力が入らず便秘がち 
・肌にしわやたるみができやすい

どんなタイプ?

 このタイプの人は全体的にぽちゃっとした感じで、体に締りがありません。ダイエット願望が強く、あまり食べないという人によく見られるタイプです。少食で、エネルギー不足で、疲れやすく、体力も筋力もついてきません。筋肉が少ないので基礎代謝も低く、体脂肪がなかなか燃焼せず、食べたものがそのまま脂肪となってしまうので、食べる量は少ないのに、太りやすい状態というのが特徴です。
 お尻が下がる、下腹が出てしまうポッコリ型は筋肉の不足のために身体のラインを支えきれなくなっています。このタイプは脂肪が霜降り状態なので、年齢を重ねるとたるみが目立つようになります。疲れやすく、カゼを引きやすいのもエネルギー不足が原因。女性では、生理が止まったり、不正出血しやすいという症状も見られることもあります。「太るから食べない!」という気持ちはわかりますが、食べないからエネルギーが足りず太るという悲しい悪循環になっていることも考えられます。

対策:「食べる量を減らす」「運動をする」という通常のダイエットは逆効果!

 このタイプはもともとエネルギーが不足してしまっているので、食べる量を減らしてエネルギーの元を減らしたり、運動してエネルギーを消費すると、その傾向が強くなり、ますます痩せにくい体質になっていき、体調も悪くなっていきます。なので、負の連鎖を断ち切るには、まずはエネルギーをしっかり作ることが大切です。
 中医学ではエネルギーは朝作られると考えられています。そしてエネルギーは呼吸と食事によって作られるので、朝しっかり目を覚まして、澄んだ空気を胸いっぱいに取り入れて、大気のエネルギーを取り込みましょう。そしてしっかり食べることです。特に朝食は、生ものや冷たいものなど体を冷やすものを避け、温かいものや体を温める食材を中心に摂りましょう。
 食事の基本は野菜を中心としたさっぱり味を腹八分目で、です。長芋、山芋、自然薯、ヤマトイモなどは、胃腸の働きを助け、身体を元気にしてくれる力があるので、加熱して積極的に摂りましょう。味噌汁や野菜スープに入れたり、お好み焼きに入れたりするのもおすすめです。消化吸収力を低下させる冷たい飲み物や食べ物、刺身などの生もの、チョコレートなどの甘いものや、エネルギーを発散させる唐辛子などの刺激の強いものは控えたほうがよいでしょう。
 また、激しい運動はますますエネルギーの消耗を招き、逆効果です。ウォーキングなど軽い運動を短時間から始めましょう。ヨガや太極拳などもおすすめです。もちろん睡眠もエネルギーの補充には重要な要素なので、早寝はとても重要です。

②“ストレスが多くて体重の増減が激しい”むくみの激しい[気滞(きたい)タイプ]

こんな症状がある人は要注意!

・ストレスが多い 
・生活が不規則 
・思い込みが激しい 感情の起伏が激しい
・たばこやお酒、コーヒーなどの嗜好品が好き 
・お腹が張りやすいなど

どんなタイプ?

 食べ物の好き嫌いが多く、食事が不規則で、食欲や食べる量にムラがある、偏食や過食をしがちな方に多いタイプです。お腹を中心に全体的に太っていて、体が張ったように膨らんだように太ります。むくんでいるのはストレスの影響でエネルギーの流れが停滞しているからです。生活のリズムが不規則で、仕事が忙しく、プライベートや仕事で大きなまたは慢性的な悩みがあり、ストレスが多いタイプです。心の不安定によりエネルギーの巡りが悪さを生み出し、水の流れの滞りが起きていて、身体が張ったり、膨らんだように太ってしまったり、むくんだりします。
 精神状態にむらがある方もこのタイプには多いので、思い込みが激しく、ちょっとした体重の増加で過激なダイエットに走りがちです。食べることを我慢してもまたこれがストレスの原因となり、悪循環に陥ります。さらにひどくなってしまうと、拒食症や過食症、心身症など心の病を招くことにもなりかねないので、ダイエット方法には注意が必要なタイプです。

対策:まずは食べること以外でストレス解消を見つけよう!好きなことを気長に楽しむのが大事!

 激しい運動などで一気にストレス解消するのも悪くはないですが、負担も大きく、落差も大きいので、できれば気長に続けられることが良いでしょう。このタイプの人がダイエットを成功させるには我慢は禁物です。食事量を減らしたり、単品ダイエットで毎日同じものを食べ続けたりするのは、一番向いていないダイエット法です。好きなものをいろいろ組み合わせて食べるよう心がけ、食事を楽しむようにしましょう。
 おすすめはエネルギーの巡りをよくする、香りのよいもの。春菊、パクチー、セロリ、しそなどの香味野菜や、かんきつ類などがよいでしょう。熱で香りが飛んでしまわないように、調理の最後にさっと加熱する程度にしてください。ストレスを管轄する「肝(かん)」によい酸っぱいもの、酢の物もよいですよ。生姜や唐辛子など熱になるものや身体を温めるものよりも、りんごや大根、なすやきゅうりなど平性、涼性のもがおすすめです。
 運動量は少し多めが良いでしょう。たっぷりと汗を流すこともストレス解消につながります。飽きっぽい人はまずはストレッチから始めてみてはいかがでしょうか。

③“食欲旺盛!早食い!冷たいもの・脂っこいもの・甘いものが大好き!”がっちり体型の[湿熱(しつねつ)タイプ]

こんな症状がある人は要注意!

・暑がり 
・汗かき 
・ニキビや吹き出物が多い 
・便秘気味だが体調を壊すと下痢しやすい 
・お手洗いが近い 
・リバウンドしやすい

どんなタイプ?

 エネルギーにあふれ、食べる量も多ければ食べるスピードも早い。活力にあふれ、疲れ知らず。冷たいもの、脂っこいもの、甘いものも大好きなこのタイプの食欲は、熱の邪気によって興奮しやすくなっているためで、正常な空腹感から来るものではありません。
 冷たいものが大好きなのは、体内に余分な「邪気」が溜まって熱を持ってしまっているため。それを冷まそうとして冷たいものをどんどんとってしまいます。顔が赤くなったり、身体が火照ったりするのもそのためです。ビールと一緒に脂っこいおつまみというのが習慣になっている方などは、このタイプの太りやすい体質を作り出しています。
 このタイプは気虚タイプを併発している場合が多く見らます。一見逆に見える二つのタイプですが、過食によって胃腸が疲れていて、食べてもエネルギーをうまく作り出せないでいる可能性があります。胃腸には体内の余分な水分を排泄する役割もあり、弱ってしまうと余分な水分が溜まりやすくなって、そのうち泥水のように濁り、腐ったように熱を帯びます。そうすると、体内にドロドロが溜まっていって太り、痩せにくくなります。

対策:見せかけの体力に要注意!ゆっくり食事と毎日の快便を心がけましょう!

 食べたものをしっかり出す習慣を作りだし、体内に余分なものを溜めないようにしましょう。快便は規則正しい生活リズムから生まれます。体力を過信した夜更かしをやめて、しっかり寝て、しっかり起きて、必要な量をしっかり食べて、しっかり出す。リズムが大切です。
 早食いは食べ過ぎに繋がります。脳の満腹中枢が満腹を感じ身体に指令を出すまでには、大体20分程度かかると言われています。それ以上のスピードで詰め込んでいくと、食べなくても良い量を食べ過ぎてしまいます。お酒、甘いもの、脂っこいもの、唐辛子などの刺激物も熱を過剰にして食欲を増進させるので、控えるようにしましょう。
 食べたいのを我慢すると、反動でまた食べ過ぎてしまうので、回数を多く、量を少なく食べるようにしてみてください。また炭酸飲料の飲み過ぎにも注意です!
 運動も積極的に、汗をかいて、身体に溜まった熱を発散しましょう。汗っかきな方には、水泳などもおすすめです。

④“見た目より体重がある。食事の量を減らしても痩せない”30代から太りだした内臓脂肪が多い[血瘀(けつお)タイプ]

こんな症状がある人は要注意!

・肌のくすみ、しみ、そばかすが多い
・目のしたのクマ
・頭痛や肩こり 
・冷房に弱い、お腹や下半身が冷える 
・生理痛がひどい
・経血に塊がある

どんなタイプ?

 若いころは痩せていたのに、30代を過ぎたころからなんだか太りだしたタイプ。内臓脂肪が多く、見た目より体重がある、食生活には問題はないが、食事の量を減らしても効果がない。そんなあなたは血の巡りが悪く、血がドロドロになってしまっている「瘀血」(おけつ)が溜まっているかもしれません。コレステロールや中性脂肪など血中脂肪が多く、内臓脂肪や皮下脂肪が付きやすい状態です。今まで見てきた気虚や気滞、湿熱が進むと血の巡りが悪くなり、瘀血がどんどん増えていくため、瘀血は不調の結果ともいえます。
 血中脂肪の多いこのタイプは高血圧や高脂血症などの生活習慣病に繋がりやすく、生理痛や不妊など婦人科系のトラブルを抱えることも多いので、早めに体のバランスを整えることが大切です。

対策:「冷え」「ストレス」「過労」瘀血になる三大悪を退治しよう

 女性は生理中の生活習慣がとても大切です。身体を冷やさない、疲れすぎない、ストレスを溜めこまないように注意して、イキイキとした血の流れを保つよう心がけましょう。
 瘀血の予防には、1にも2にも体を冷やさないことです。防寒はもとより、食べるものも体を冷やさない食事を心がけましょう。冷たいサラダや果物、清涼飲料水、アイスなどを避け、美食、過食も避けるようにしましょう。にんにく、玉ねぎ、らっきょうなどは血の巡りを良くします。さんまやいわしなどの青魚も血流改善におすすめです。お風呂もシャワーで済まさず、できるだけ湯船に浸かりましょう。湯船がない人はシャワーを浴びているあいだ、洗面器で足湯しましょう。
 流れる水は腐りません。適度に運動をして血行を改善しましょう。デスクワークでもずっと座り続けるのはよくありません。最低でも1時間に1回は動くようにしてくださいね。

「食べない」ではなく、「食べても太りにくい食事と体質」を目指そう!

 中医学的ダイエットの基本方針は「太りにくい体作り」と「しっかり食べて、適度に痩せる」こと。痩せることを目的とした一般のダイエットとは異なります。注目するのも体重ではなく、体調や体脂肪です。極端なカロリー制限よりもバランスが取れた食事で、緩やかに健康的に減量することを目指しています。
 元気な体を作ることこそ中医学的ダイエットの本質です。残念ながら増えた分を一気に減らす「ザ・ダイエット」は中医学にはありません。「何を食べてもこれだけ飲んでおけば痩せる」という漢方薬もありません。長い目で見て、“痩せているけど不健康”より、健康な体を作ることで太りにくい体になることを目標にしましょう。

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