自分の怒りの性質を正しく知り、コントロールすることで、人間関係や仕事の悩みは格段に減り、心穏やかな日々が叶います!
具体的な行動で怒りをコントロールする方法を実践しましょう。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんが教えてくれたのは「6秒アクション」をご紹介します。
すぐできる! 6秒アクション
イラッとしてから6秒までが怒りのピーク。つまり、その間を待つことができれば理性的になれるということ。怒りが湧いたときには、反射的に怒りをあらわにしてしまう前に、まず試してみよう。
1.自分の心が落ち着く、魔法の言葉を唱える
人は誰かに共感してもらえたり、優しい言葉をかけられると、不思議とイライラが収まるもの。自分自身の声かけでも同様の効果がある。「“たいしたことじゃないよ”“明日には忘れてるよ”など、自分の心を落ち着かせられる魔法の言葉をあらかじめ用意しておいて、怒りを感じたときに唱えましょう」
2.思考停止する
イライラすると、次々にネガティブな妄想をしてしまい、どんどん怒りが大きくなることが。そんなときは「ストップ!」と心で唱えて、考えることをやめよう。「感情は思考から生まれるので、思考を停止することで怒りを手放せます。数字をひたすらカウントして意識をそらす方法も」
3.口角を無理やり上げる
怒っているとき、口元は“への字”になってこわばっているはず。下がった口角を引き上げることで表情筋がゆるみ、脳は「明るいことを考えた」と認識する。「無理やりにでも笑顔になれば、快楽物質が脳内に分泌されてポジティブな気分になれるのです。長く続けるほど効果は持続します」
4.目の前のものをじっくり観察する
怒りから意識をそらすために、近くにあるスマホやペン、ペットボトルなどを隅々まで観察する。「形があるものをじっくり集中して眺めていると、だんだんそこに意識が向かってイライラから自然と離れていきます。スマホについている傷を数えたり、ペンの注意書きを読み込んだり、観察に没頭しましょう」
5.その場をとにかく離れる
怒りを感じる相手と対面している状況なら、「トイレに行ってくる」などの声をかけ、一時的にその場を離れるのが有効。「物理的に距離を置くことで冷静さを取り戻せます。このとき、ドアを乱暴に閉めたり荒々しい行動をとるとかえってイライラしてしまうので、ストレッチや深呼吸でリラックスを心がけて」
6.ツボを押す
感情を静める効果があるツボを押すのも◎。手の甲側の親指と人さし指の分かれ目にある「合谷」と、手のひら側の、小指の延長線上の手首の関節にある窪みの「神門」を6秒間プッシュ。「ツボ自体の効果はもちろん、位置を確かめて指圧する間に、気持ちが落ち着いてくるはずです」
安藤俊介さん 一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事。現在は企業や教育機関で多くの講演や研修を行うほか、「怒り」に関する著書も多数執筆。
※『anan』2018年2月14日号より。イラスト・しまだなな 文・熊坂麻美