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どん底から一転…波乱すぎる! 障害を抱えたある女流画家の半生

やりたいことができなかったり、物事がうまくいかなかったりしたとき、ついネガティブな思考に陥っていませんか? とはいえ、どんな人にでも自分にしかない才能を秘めているものです。そこで、自らの可能性を信じ続けることで幸せな人生を歩んだ実在の女性を描いた感動作をご紹介します。それは……。

『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』!

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【映画、ときどき私】 vol. 147

絵を描くことと自由を愛する女性モード。幼い頃から重いリウマチを患っており、厄介者扱いされていたが、自立するため仕事を探し始めることに。そんななか、魚の行商を営んでいるエベレットが家政婦を探していることを知り、モードは彼のもとを訪ねるのだった。

孤児院育ちで学もなく、頑固者のエベレットとモードというはみ出し者同士の同居生活はトラブルの連続。しかし、いつしか2人はお互いを認め合い、結婚することになる。そんなある日、エベレットの顧客によって絵の才能を見出されたモードは、徐々に評判となり、ついにアメリカのニクソン大統領からも依頼が来るほどの人気となるのだった……。

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カナダの美しい四季と動物を色彩豊かに描き続け、「カナダでもっとも愛された画家」といわれているモード・ルイス。その魅力を探るため、今回は彼女の波乱と愛に満ちた人生を見事に再現したこちらの方に、お話を聞いてきました。それは……。

初来日となるアシュリング・ウォルシュ監督!

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自身も学生時代にはアートを学んだ経験もあるという監督だけに、同じ女性としても、同じクリエイターとしても、モードに共感したはず。そこで、本作の見どころや日本の女性たちに伝えたい思いを語っていただきました。

一般的に、日本ではモードはあまり知られてないようですが、監督の地元アイルランドではいかがですか?

監督 実は私も全然知らなくて、脚本を送ってもらってから初めて彼女の存在を知ったくらいなのよ。ただ、仲のいい友だちにカナダのアート作品を集めている人がいて、そこには当然彼女の作品も入っているので、作風はなんとなく目にしたことはあったけど、モードだという意識は特になかったわ。

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では、映画にしたいと惹かれた部分はどこですか?

監督 脚本を読んだ後、すぐにウェブで検索をしたら、モードとエベレットの2人がドアのところに一緒に立っている写真を見つけたの。私は写真を見るとき、「その裏にあるものはどんなものなんだろう?」と考えるタイプなんだけれど、彼らの写真からはストーリーを感じたのよ。だからそういう意味では、惹かれたところは2人の夫婦としての絆といえるかもしれないわね。

でも、それと同時に彼女のアーティストとしての人生にも同じくらい魅了されたわ。しかも、人里離れたあんなに小さな家に暮らしてるなんて。美術館に移築されている実際の家を見に行ったとき、あまりにすごい状況で「これは絶対に映画にしたい!」と思ったんだけど、どうやってこの家を再現しようかと悩んだわ。

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実際にカナダのニューファンドランド島に家を作ったそうですが、こだわったところは?

監督 私にとってはリアリティというのがとても重要なこと。だから、もともと4.1m×3.8mだった家を4.2m×4という撮影可能な大きさにして複製したんだけど、それ以上大きくしてしまうと空間のサイズ感が損なわれてしまうと思ったから、そこは意識したわ。

ただ、家の内装を4段階に変えなければいけなかったから、プロダクションデザイナーと一緒に何度も美術館に足を運んでは、写真を撮りまくって、サイズを測りまくって作ったのよ!

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では、できあがった家で撮影をしてみて感じたことはありますか?

監督 この映画を作るうえで、オープンセットで家を作ったことは最良の選択のひとつといえるわね。なぜなら、ドアを開けたときに吹き込んでくる風や雨といったものが、このストーリーをすごく助けてくれたと思っているからなの。

とはいえ、当時と同じような場所を探すのはいまの時代ではすごく難しかったわね。飛行機も飛んでなくて、遠くに高層ビルも映らないような場所じゃないといけなかったから。でも、監督としてすごく重要なのは、「ここが自分の作品を作るべき場所だ」と感じられるかどうか。それを見つけられると、いろんな意味で飛び込んでいくことができるようになるのよ。

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そんなふうに監督を駆り立てているものは何ですか?

監督 駆り立てるものは、自分が作るべきだと感じる映画を作り続けることじゃないかしら。この作品も間違いなくそうだったわ。作品によっては、「自分じゃなくてもいいんじゃないかしら?」と思うときはやっぱり何か違うから、自分の作っているものに、惚れ込まなければいけないわね。

あと、私は少し怖いなと思っているときのほうがいいものができたりするので、そういうのも必要だとは思っているわ。挑戦でもあるけれど、やっぱり楽しいし、この仕事ができて本当にラッキーだなと感じているからなの。

だから、もしこの先1本も映画を作ることができなかったとしても、この作品を作ることができたということは、私にとっては幸せなことだったわ。しかも、この映画を通して、みんなが彼女の作品をまた好きになってくれていることもうれしいわね。

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