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「2人目の壁」を感じる人は73.7%!5つのキーワードから日本の産みにくさを考える[専門家]

子育て
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本当は2人以上の子どもが欲しいのに、経済的・年齢・仕事などの要因で、第2子以降を持つことをためらう「2人目の壁」。政府が取り組む少子化対策は、その壁を乗り越える一助になるのでしょうか。2013年から夫婦の出産意識調査を毎年行っている「1 more Baby応援団」の秋山開さんに、話を聞きました。

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少子化対策で、実際2人目は産みやすくなるの?

2020年4月に1 more Baby応援団が既婚者を対象に行った調査では、理想の子どもの数が「2人以上」という人は68.4%。しかし、「2人目の壁」を「存在すると思う」と答えた人は全体の73.7%。多くの人が、2人以上の子どもを持ちたくても、ためらってしまう現状があることがわかります。

政府の少子化対策は、実際のところ子育て世代の夫婦にどう影響するのでしょうか。

気になる5つのキーワード【幼保無償化】【児童手当】【不妊治療】【2人目保活】【待機児童数】について、秋山さんに解説してもらいました。

【幼保無償化】で2人目出産に前向きになる人は多い

2019年10月から、3〜5才の幼稚園・保育園・認定こども園などを利用する子どもの保育料が無料になりました(0〜2才の子どもについては条件によって無料)。幼保無償化は、実際に家計の助けになります。

「1 more Babyの2020年の調査(※)でも、幼保無償化の対象者の43.9%が『日々の家計が楽になった』、39.1%が『生活費に関する心理的不安が軽減した』と答えています。
また、2人目をためらう人のうちでも『次の出産に前向きになった』と回答した人が29.5%と、3割近くいます。直接的に経済負担が軽くなる施策は、2人目出産にプラスに働くでしょう」(秋山さん)

この制度は、0~2才の子ども(第1子)については一部の人を除いて補助がないという点が少し気になるところです。

「晩婚晩産化が進み、初産の平均年齢は30.7才という現状(※A)です。30才で第1子を産み、その子が3才以降に第2子…と計画すると、母体は妊娠しづらくなる年齢に近づきます。2人目が欲しい人がすぐにアクションできるタイミングでの支援と考えると、0〜2才も無償化の対象にしたほうが2人目出産についてはより効果的だと思います」(秋山さん)

【高所得者の児童手当支給停止】高収入でも子育て支援はするべき

政府の全世帯型社保会議の最終報告で、主たる生計維持者の年収1200万円以上の世帯を児童手当の特例給付の対象外とする、つまり夫婦いずれかが1200万円以上収入があれば、児童手当が支給されない、という方針が決まりました。

「高収入でも、将来の経済的不安は抱えています。高収入の世帯が2人目出産をためらう割合が少ないというわけではないんです。

子育て支援は、親ではなく子どもを支援するものと考えると、やはり支給するべきだと思います。
これまであったものがなくなる、というのは心理的に負担感は増しますよね。月5000円がなくなると、たとえば習い事を1つ減らそうかな、というふうに考えてしまいますよね」(秋山さん)

【不妊治療の所得制限の撤廃など】資金以外のサポートも必要

2022年度からは不妊治療が保険適用となることが決まりました。2人目が欲しくても経済的な理由であきらめざるを得なかった人たちにとっては前進になるでしょう。

「子どもが欲しい人の希望をかなえるという意味では、大きな後押しになりますよね。
しかし不妊治療は、お金の補助だけではなく、企業やパートナーなど複合的なサポートが必要です。不妊治療は体調などによって通院が不定期で、予定が組みづらい点があります。通院を理由にした急な早退や欠席に、上司や同僚の理解とサポートが不可欠です。

また、都市部では不妊治療ができる医療機関は多いですが、地方では数が少ない地域もあり、通院に時間がかかると、仕事を1日休まなければならないこともあると思われます。
そもそも、不妊治療をしていることを会社に言いにくいという面もありますから、単なるお金のサポートで終わらずに、だれもが休みたいときに休める制度と休みやすい環境・雰囲気作りが必要ではないでしょうか」(秋山さん)

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