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初対面なのに気が合うのはなぜ? 相性を判断する4つのポイントとは

友人や恋人、仕事仲間、さらに初対面の相手に至るまで、人間関係において大切な“相性”。相手によって好き・嫌いがあったり、職場で上司や同僚と反りが合わなかったり…そんな経験はきっと誰にでもあるもの。けれど、そもそも他人に対して「この人とは性格が合う/合わない」という感覚が生まれるのはなぜだろう。

「相性という言葉自体は、東洋の五行思想から生まれたもの。それぞれの性格や性質の組み合わせによって、お互いを活かし合ったり、損なうなどの関係性を感覚的に捉えたものともいえます」(心理テスト研究家・章月綾乃さん)

また他人に対して“相性がいい”と思うのは、「相手に持つ期待と実際の役割にズレがない状態」とは、精神科医の水島広子さん。

「要するに、明るい雰囲気の人を求めていて、実際に相手も明るかった、というような場合です。重要なのは、自分が安心して接せられる相手だということ。背伸びしない自然体の人間関係を通じ、相手のことはもちろん、自分自身を好きになれるのです」

「もう一つのキーワードは“刺激”です。仕事など目的がはっきりしている場合、人は自分にとって有用かどうかで他人を判断する傾向にある。つまり相性は、安心と刺激の往復運動のようなもの」(プリンシプル・コンサルティング・グループ代表・秋山進さん)

例えば、こんなことはありませんか?

「会うとなぜか嬉しい人」 普段クールなA子さん、○○さんに会うと嬉しくておしゃべりがはずみ自然と笑顔に。

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→人間は、五感をフル動員して相性を瞬時に判断しているから

普段はおとなしい性格なのに、特定の人に会ったときだけ、笑顔が増えたりよく話すようになる。それは、相手によってその人本来の良い面が引き出されている証拠。「相性のベースにあるのは共感的理解、つまり“自分と似ている”“気持ちがわかる”“見慣れている”といった心情です。人は他者と接するとき、ものの考え方や育った環境など、無意識的に自身との共通項を探すもの。自分と似ている点が多いほど、安心できるからです」(秋山さん)

それは人間の理性というよりも、さらに生存的な判断、つまり“本能”に近いものだという。

「初対面なのにそんな気がしない、“馬が合う”と思うことがありますが、まさにこのためです。わたしたちは視覚、聴覚、嗅覚といった五感をフル稼働して、会った瞬間から相手との相性をジャッジしているのです」(章月さん)

要するに相性とは、自らの性質としてある程度持って生まれたものだといえる。自分にとって相性のいい人を思い浮かべたときにどんな共通項が浮かび上がるか、一度考えてみてもいいかもしれない。

「見た目より大事なこと」 B子さん、見た目がタイプの男子と付き合うものの…彼の道端で困っているおばあさんを無視する姿に幻滅してお別れ。次の彼氏は見た目はタイプじゃなかったけどその優しさに共感。

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→相性は、基本となる4つの軸の上に成り立っているから

お互いの共通項が相性を決める要因とはいっても、すべてが一致している必要はない。

「自分が大切にしているもの、コアとなる価値観が一致していることが何よりも重要です。そうしたベースの部分で相手と認識が共有できてさえいれば、たとえ他に些細な相違があっても気にならないもの。むしろ、違いがあるからこそ相手に興味を持つことができるのです」(水島さん)

例えば笑いのセンスだったり、周囲の人との協調性だったり、自分の中で大切にしているものは、人それぞれ違うもの。けれど、ほぼすべての人に当てはまる基本軸もあるという。

「“善悪”“損得勘定”“好き嫌い”“勝ち負けへのこだわり方”の4つです。これらはすべて、生き方そのものに関係する価値観ともいえます。道端で困っているおばあさんを助けない彼に幻滅してしまうのも、自分の善悪の基準に反しているため。しかし逆に言えば、基本の4軸さえ一致していればいいのです。恋愛に限らず、さまざまな場面で相性を判断するのにも役立つでしょう」(秋山さん)

水島広子さん 精神科医。対人関係療法の、日本における第一人者。新著『イライラを手放す生き方―心の強い人になる条件』(さくら舎)が発売中。

秋山 進さん プリンシプル・コンサルティング・グループ代表。著書に『職場の「やりづらい人」を動かす技術』(KADOKAWA)など。

章月綾乃さん 心理テスト研究家。雑誌やWEBで連載多数。「占いと心理テスト章月綾乃の開運ブログ」(https://ameblo.jp/shouzuki-ayano/)

https://ameblo.jp/shouzuki-ayano/

※『anan』2018年8月1日号より。イラスト・いいあい 取材、文・瀬尾麻美

(by anan編集部)

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