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「漠然とした不安が消えない」人がお金持ち体質に変わる心の作り方

ライフスタイル

落ち込む心を立て直すカギは、「ネガティブな思考にはまりこんでいる自分に気づくこと」だと、心理カウンセラーの石原加受子さん。お金の不安を払拭し、お金持ち体質になるために欠かせない「心の作り方」について、引き続きお話を伺いました。

給料が激減して世帯収入がダウンしたときに、やってはいけないこと

落ち込む心を立て直すカギは、「ネガティブな思考にはまりこんでいる自分に気づくこと」だと、心理カウンセラーの石原加受子さん。お金の不安を払拭し、お金持ち体質になるために欠かせない「心の作り方」について、お話を伺いました。(第1回『貧乏体質になっていく? ネガティブな思考の沼から抜け出す方法って?』から続きます)

(第1回『貧乏体質になっていく? ネガティブな思考の沼から抜け出す方法って?』から続きます)

――心を立て直すには、「思考のループにはまりこんでいる自分」に気づくことが大事ということですが、次にやるべきことを教えてください、

石原加受子さん:ネガティブな思考にはまりこんでいる自分に気づき、いったん考えることをやめてみる。すると、心が現実に戻り、「じゃあ、今の自分にできることはなんだろう」と考えられるようになっていくのです。とはいえ、「お金のことが不安、老後が心配」というような漠然とした悩みだと、大きすぎて解決する術が見えてきませんから、実際に自分が行動に移せるレベルまで小さく落とし込んでいく必要があります。

例えば、「夫、あるいは妻の給料が激減して世帯収入がダウンした」というお悩みであれば、まずはその状況について、こういうご時世だから仕方がないね、と、ひとまず受け入れること。言い方を変えれば、あきらめる。そこを否定して、こんなはずじゃなかった、どうしよう、なんかとかしなくちゃ……と、ネガティブなつぶやきを吐き続けていると、心がネガティブ感情でどんどん埋め尽くされていきます。その状態のままで、状況を打開しようとしても、おのずとネガティブな選択をしてしまいがちなんです。

――例えば、どんなことでしょうか?

石原さん:本来なら、限られたお金の範囲内で優先順位を明確にして、やめるものを決めていきますよね。今までの生活のなかで、ちょっぴり贅沢をしていた部分を削っていくことから始めれば、ストレスが少なく続けやすい。でも、ネガティブな思考を積み上げていると、「今すぐなんとかしなくちゃ」と焦るあまり、無理のある急激な節約に取り組んでストレスをため、リバウンドをしてしまう。結果的に、自分も家族も幸せにならないようなやり方を選んでしまいがちです。あるいは、目先のもうけ話に手を出して、かえってお金を失うことになる場合も少なくありません。

ネガティブ感情で覆いつくされたまま、家計改善に取り組んでも、「収入が減って我慢させられている」と感じ、パートナーや家族にあたってしまったり、眉間にシワを寄せて鬼の形相でお金のことを口うるさく言ってケンカが増えたり。お金だけではなく、心も無駄遣いしてしまうんです。

ポジティブな思考が将来プラスなる選択、良い現実を招く

――確かに、心が追い詰められて余裕のない状態だと、判断力も鈍ってしまいますね。

石原さん:そうなんです。かたや、「コロナ禍だから収入が減ってしまうのは仕方がない。これをベースにしてやっていこう」と、いったん受け入れてそこから物事を考える。気持ちは前を向いていますね。すると、見えるものや選ぶものが違ってくるんです。例えば、おなかがペコペコな状態でスーパーに行くと、何でもおいしそうに見えて買いすぎてしまい、結局腐らせてしまった。そんな経験ありませんか? でも、ちゃんとおなかを満たしてから買い物にいったら、適正量を買えますよね。

――身に覚えがあります……。

石原さん:仕事に対する考え方も同じです。今、コロナで職を失ってしまった人も多いですよね。とても大変でおつらい状態だと思います。でも、だからといって、なんでもいいからと目先の仕事に飛びついてしまうのは、自分を安売りしてしまうこと。労働条件が劣悪な企業のようなところに入って心を病んでしまったり、あるいは、せっかく転職をしても満足できずに、何度も転職を繰り返してしまうことも。そうなると、だんだん自信を失ってしまう。いいことがありません。

でも、新しい気持ちで仕切り直そうというところから考えれば、「半年や1年くらいなら貯金を使ってもいいから、ステップアップできる仕事をじっくり探してみよう」というような発想ができるし、そのために学び直したり、資格を取ったりと、新たなスタートに向けて ポジティブな準備ができます。自分の将来にとってプラスになる選択をして、将来的に納得のいく収入が得られるようになる。こうした気持ちの余裕をもって物事を考えることが、お金持ち体質につながっていくんです。逆に、ネガティブ感情で焦って慌ててばかりいると、貧乏体質からいつまでも抜け出すことができません。

――心に余裕を持ったポジティブな状態を作ってから、物事を選択することが大事なんですね。

石原さん:その通りです。自分の心と生活を守るような行動ができるかどうかで、未来は大きく変わってきます。焦りは禁物です。それができてくると、漠然と抱いている将来への不安やお金の心配は、解消されていくはずです。

自分の選択によって、未来はハッピーなものにできるということ。ポジティブな意識を作れば、おのずと自分が望む幸せに向かうような選択ができるようになりますよ。

★石原さんのインタビューは次回に続きます

教えてくれたのは……
石原 加受子(いしはら かずこ)さん

心理カウンセラー。「自分中心心理学」を提唱する心理相談研究所「オールイズワン」代表。心理学校メンタルヘルス学会会員、厚生労働省認定「健康生きがいづくり」アドバイザー。独自の心理学で性格や対人関係、親子関係などの改善を目指すセミナー、カウンセリングを続け、老若男女にアドバイスを行う。『「また断れなかった…」がなくなる本』『感情はコントロールしなくていい』などのベストセラーを含めて150冊以上の書籍を執筆。

取材・文/西尾英子

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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