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人に頼むのが苦手な"かくれ繊細さん"がすんなり人に頼めるようになる6つのスキル

ライフスタイル

「人に頼むのが苦手」「誰かに頼むくらいなら自分でやってしまう」…そんなあなたは、かくれ繊細さんかもしれません。今回は、頼むのが苦手なかくれ繊細さんが人に頼めるようになるためのスキルをご紹介します。

かくれ繊細さんが「なぜ人に頼めないか」「周りを頼れないか」ということについて、前記事でお伝えしてきました。今回はかくれ繊細さんが頼めるためには「頼むスキルを知り、頼み慣れること」と「ぐるぐるする不安を止める」ことが2つの必須スキルであるということについて考察したいと思います。

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形から入るとスルリとできるようになる場合もあるので、ここでは「かくれ繊細さんは、どんな風に頼むとよいのか」を6つのスキルでお伝えしようと思います。

1.頼むタイミングを見計らいすぎないようにする

よく、「頼みごとをするときは、気持ち良く仕事を引き受けてもらえるように、相手の気持ちや立場を思いやりながら、伝えましょう」などというアドバイスがありますが、これはかくれ繊細さんに敢えて必要はないと思います。相手の気持ちや立場を思いやることにかけては、呼吸をするようにしてしまう人たちだからです。むしろ、気を使いすぎてしまうことで、頼めなくなってしまっており、誰かに何かを頼もうと思ったときは、相手の様子をちらちらと見てはタイミングを見計らっていらっしゃるのではないでしょうか。そして、見計らいすぎて言い出せなくなってしまうのでは。

ですから、かくれ繊細さんが持つべきスキルは、一般的なアドバイスとは真逆です。キリキリとした表情で切羽詰まっている相手に頼み事を切り出すのは、さすがに避けたほうが良いですが、目を閉じたまま「頼みたいことがあるのでお時間ください」と切り込んでしまうくらいでちょうどよいと思います。タイミングを見はからったり、表情を見すぎてしまわずに「見ないで切り出す」ことを心がけるのです。

具体的にどうすればよいかというと、誰かに頼むときには「首から上を見ない」ということを思い出してみていただけないでしょうか。

「相手の目を見ないなんて失礼だ」と思うかもしれません。その時は、相手の目を見たときと、相手の首から下を見たときの自身の緊張度合いと比較してみてください。相手の顔や目を見た時と、相手の表情や目つきを見ない時、ご自分の中にわきあがってくる感覚は別物、だと思います。相手の顔色を見ない時は、刺激(他人の顔や表情は強い刺激です)に自分が反応しないので身体はゆるみますが、その一方で「見なくてはいけなかったのではないか」「社会人としてのマナーを外してしまった」という自分の中の「モラル厳守」の人格が暴れ始めます。それを感じられるでしょうか。

ここで試してみていただきたいのは、その湧いてくるであろう罪悪感までも「込み」で、目を逸らすということです。相手の顔や目から目を逸らして頼んだときのあなたは、いつものように目を見て頼むときと比べて、頼みやすいと思います。

2. 謙虚で好感の持てる態度に罪悪感や自己否定感を持たなくてよい

謙虚で好感の持てる態度に、当のご本人が罪悪感や強い否定感、あるいは自分を卑下する気持ちを持ってしまうことがあります。強く言えないことで損をしていると思ったり、押しが弱いと言われたり、売り込みが下手だと思われているとか、自分は要領が悪い、と思い込んでいる場合に、自己に矛先が向かいます。他者ではなく、自らに矛先が向かいやすいのも、かくれ繊細さんならではではあります。

確かにそういう一面はありますが、こと「頼む」に関して言えばこの矛先を自分に向ける謙虚な姿勢自体は、とても適していると言えます。なので、むしろその柔軟さを「自分の武器」「社会的な鎧」と認識してうまく使い倒していただきたいのです。

かくれ繊細さんは、人から「良い人」「優しい人」あるいは、「気が回る人」「優秀」と思われるために、反抗的な気持ちやうんざりや不安やもじもじした気持ち、さらには負けん気の強さや、悔しさや、クヨクヨする気持ちなどを押し殺して、周囲から評価される鎧を身に着けてきました。

その結果、周囲の大方の人達が、あなたのその鎧を、本当のあなただと思ってくれていると思います。だから、それはそのまま使い続けてください。

鎧は、あなたが社会に適応するために、他の様々な本音をかなぐり捨て、奥に押しやることと引き換えに手に入れた戦利品なのですから。

つまり、あなたのその謙虚で、好感の持てる態度に、「弱腰すぎるからもっと堂々とした方がいいのではないか」と、罪悪感や否定感を持たなくて大丈夫です。

ぐるぐるする思考を止めて人に頼むことができるようになれば、謙虚で好感の持てる態度をすでに獲得しているかくれ繊細さんは、鬼に金棒を持たせた状態です。ぐるぐる思考の止め方は、次回お伝えしたいと思います。

やや観念的な話になりましたが、「かくれ繊細さんが頼むために使える有効なスキル」に話を戻します。

3.懸念事項を先に伝える。2つまで。

かくれ繊細さんは、誰かにものを頼む際に、もしその仕事を自分がするとしたら、、ということを考えて辛くなってしまいます。例えば、自分だったらここでつまづきそうだなと思うポイントや、頼まれた仕事をこなす中で相手に心理的負担があるだろうなと思う箇所を事前に想像してしまうのです。そして、想像したことがまだ起こっていないのに、現実に起こるような気がしてしまいます。これは、HSPが生来持っている「想像力」「直感力」「洞察力」によるもので、仕事上で役に立つ力です 。人に教えたり、今あるものを改善したり、プロジェクトのゴールを設定したりするのが得意な場合、この力を強く持つがゆえであると思います。ですが、同時にこの力があることによって、これから任せようと思っている仕事の未来が、割合キチンとわかってしまい、その懸念から、「こんなことを任せても良いのだろうか?」と躊躇してしまいます。

そして、頼みづらくなってしまうのですね。その場合、ご自身が「心配だ」と思っているポイントを伝えましょう。そうすれば、自分自身の気持ちの負担を軽減できると同時に、頼まれた側にも、どの部分で注意しなければならないのかが伝わります。ただし、懸念していることの数は2つまでです。どうしてもたくさんの懸念事項が出てくる傾向がありますが、あまりにもたくさんだと「面倒だ」と敬遠されてしまい、頼まれてくれづらくなる上に、あなたの側にしこりが残ります。

4.クッション言葉を使いまわす

そのときに使いたい言葉が「クッション言葉」です。クッション言葉を上手に使えると、相手に嫌な思いをさせないばかりか、自分の意思をハッキリ伝えられます。

「先に気になることを伝えたいんだけど、いいかな?」「もしかして、キツイと思ったら、そのとき改めて相談してもらえたらと思うんだけど、どうだろう?」のように。

「時間がない中ごめんなさい」「自分でできるのが一番いいのはわかっているのですが、どうしても頼まなければならなくなってすみません」「ご面倒とは思いますが」「お手数おかけしてしまうことに恐縮しております」などと、クッション言葉の中に、かくれ繊細さんらしい優しい感情の言葉を含むとさらに、好感度も上がりますし、頼まれた方の気持ちも和らぐというものです。

クッション言葉を膨らまして伝えたうえで、頼みたいことを伝えるという順番です。

「懸念していること」を先に話すことで、あなたの心のハードルが下がることが目的です。

そして、頼む時に限らず、何かと便利なので、クッション言葉はスルスルと口から出ると良いと思います。

ここまでのスキルを使って、具体的にどのように頼むのがよいのかをまとめてみます。

タイミングを見計らわないようにして、顔色を見ないように首や鎖骨のあたりに視点を置き、「あの、もしお時間あったら、お願いしたいことがあるんですけど、、」と態度としては良心的でソフトな話し方で丁寧にお伺いを立てます。

「今、話してもいいですか?」「いきなりで不躾ですよね、すみません、」などを使って引いた態度で話しつつ、クッション言葉を使って、「お忙しいのは十分わかってるんですが、実は…」と切り出し、頼みたいことを伝えます。真向かいから話しかけるのではなく、横やナナメの位置から話しかけると、目や表情を見るのを避けやすいでしょう。手持ちの書面資料があるとさらにハードルが下がります。

でも、手を尽くしても、引き受けてもらえないことだってあります。そんなときはどうすればいいのでしょうか?

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