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「イノダ行こか」が合言葉。京都喫茶のシンボル〈イノダコーヒ本店〉が長く愛されている理由。

旅行・おでかけ

「イノダ行こか」が合言葉になるほど、京都の日常と縁深い〈イノダコーヒ〉。今や町に根付いた文化のひとつでもある。コーヒーをはじめ多彩なメニューとともに、今日も心地いい時間が流れます。

昨年、創業80周年を迎えた〈イノダコーヒ〉。「京都の朝はイノダコーヒの香りから」というフレーズの通り、京都を代表する喫茶店と誰もが認める存在だろう。京都市内に6店舗ある中でも、堺町通に佇む本店の風格は圧巻。火災を経て再建され、2000年にリニューアルオープンした。町家風の外観ながら、店内はエレガントでモダンな趣。白いテーブルと椅子は、創業当時から使われていたデザインを復刻・継承したもの。ブラウンが基調の空間に柔らかい印象をもたらす。本館のほか別館、メモリアル館の3つの棟からなるのも本店の特徴だ。
メニューの味わいにも定評がある。イノダの顔ともいえるブレンドコーヒー「アラビアの真珠」は、あらかじめミルクと砂糖を加えて提供されるのが基本。「コーヒーが冷めてしまうと混ざりにくいから」という優しさから生まれたスタイルだ。モーニングやサンドイッチなどに使われる上質なボンレスハムは、茅ヶ崎〈ハム工房ジロー〉に特注。クラシカルで優美な器使いも魅力のひとつで、スパゲティはシルバーの蓋つき食器で供される。芸術家でもある創業者・猪田七郎の美学が、随所にちりばめられているのだ。店内にBGMはなく、カップを上げ下げする音やゲストのおしゃべりが自然なざわめきとなり、ここにしかない空気感が生まれる。毎日のように通う地元の常連も、初めて訪れる旅行客も、分け隔てなく包み込んでくれる〈イノダコーヒ〉。京都で生まれ、全国のファンに育てられながら、これからも歴史を重ねていく。

本店からすぐの三条支店にも歴史あり。

本店から徒歩1分の場所に位置する三条支店は1970年開店。奥の円形カウンターに文化人や俳優たちが集った。かつては同じフロアに焙煎機を設置していたが、焙煎所を別に構えるにあたり、通りに面したスペースにテーブル席を増設。テーブルや椅子は本店と共通。

美しい庭を眺める開放的なテラス席。

本店の軒先には、中庭に面したテラス席が6卓。店内とはがらりと雰囲気が異なる、爽やかなギンガムチェックのクロスが印象的。四季折々の表情をみせる植栽と噴水の和洋折衷な調和も目に楽しい。気候のいいこれからの季節、空きがあればぜひ。喫煙も可能。

キリッとりりしいスタッフの制服。

白シャツに蝶ネクタイを基本に、女性はベストにタイトスカート、男性は白いジャケットでほどよいフォーマル感。店長は黒いジャケットを着用。

歴史に磨かれたメニューたち。

1.「海老クリームコロッケセット」
四条支店B2では、フライやハンバーグなど洋食メニューが充実。上品な風味のクリームコロッケはスープ、サラダ、ライスかパン、ドリンク付きで1,890円。
2.「フレンチトースト」
厚切りの食パンを卵液にくぐらせ、油でサッと揚げて。仕上げにたっぷりまぶした砂糖のジャリッとした食感と、素朴な甘みが懐かしい。620円。
3.「ハムサンド」
山科〈丸善パン〉の食パンに辛子バターとマヨネーズを塗り、〈ハム工房ジロー〉のボンレスハムとキュウリをサンド。シンプルなのに深みのある一品。1,140円。

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