今回は、頭痛や目の奥の痛み、首、肩痛など、カラダの不調時になんとなく起きる“痛み”のツボを教えていただきます。丁寧なツボの場所と押し方(ここ重要)が、もふねこ教授ならでは! 東洋医学を専門としているもふねこ教授に詳しく講義していただきます。身近なお悩みを、ツボで即解決!
鎮痛のツボ
【もふねこ教授の肉球ツボ講座】vol. 16
ニャッ! もふねこ教授ですが、いま猫缶を「パカッ」と開ける音がしたかニャ!? ひさびさの缶フード!…と思ったら…残念、ジュースですか。え? 冷たい飲み物が歯にしみる? 虫歯ですかニャ。そういえば、虫歯じゃなくても疲れたときとか体調が今ひとつのときって、何となく歯とか、目の奥とか、頭とかズキズキすることがありますよね。首の後ろとか肩のあたりも。こんなふうに上半身のどこかが痛むとき、とっておきの鎮痛のツボがあるんです。今日はそれを紹介するニャッ!!
合谷で上半身の痛みを緩和
上半身のどこかが痛むとき、それを和らげるために一番よく使われるツボは合谷です。手の甲で、親指と人差し指につながる手の骨(中手骨といいます)がくっついているところから、人差し指のほうに向かって2センチほど上がったところ。合谷は、頭痛、歯痛、目の奥の痛み、首のうしろの痛み、肩痛などの鎮痛のときに必ずといっていいほど選ばれるツボです。
合谷を押すときは、もう一方の手の親指の先で中手骨の下をくぐらせるように少しずつギューっと圧を強めていきます。うまく表現できない感覚だけど、重くてイヤーな鈍痛を感じたらアタリ! 我慢できる範囲の鈍痛を起こしながら20秒押さえたら、次はもう一方の合谷を20秒。これを何回かやってみましょう。緩和したい痛みの強さや種類にもよりますが、基本的に合谷は鈍痛を感じない程度の押し方では効かないかも。
下半身の痛みには太衝
痛みの原因が何らかの病気によるものだったら、もちろん病気の治療は必要です。痛みが一時的に和らぐことと病気が治るのとは別ですから。でも、原因がはっきりしない痛みってけっこう多いですから、そんなときは便利なツボです。じゃあ下半身の痛みは? と聞かれると、上半身の合谷ほど絶対使うツボではないけれど、前に紹介した太衝のツボが、解剖学的な位置と構造という点で上半身の合谷に相当します。ここも押さえるとイヤーな鈍痛があります。上半身でも下半身でも、痛みがある時は合谷と太衝をセットで押さえてみるといいかもしれませんね。
さて、スーツケースに猫草も爪とぎも入れたし、行きますかニャ。いや実はわたし、しばらく研究で海外の大学に赴任することになったんです。だから、言い出せなかったけど今日が最後の授業だったんだニャ(涙)…。今までみなさんに授業できて幸せだったニャ(号泣)。でも主要なツボはしっかり教えましたから。ときどき帰国して、猫草の草葉の陰から(?)みなさんのツボ押しを見守ってるからニャ。じゃぁ、いつかまたニャーーーーーッ!!
もふねこ教授 プロフィール
某大学で東洋医学を担当しているリアル教授。実はキャリアも知名度も抜群。
犬養ヒロ
漫画家・イラストレーター。犬猫鳥魚と暮らす動物好き。
「マンガとエビデンスでわかるプラセボ効果」/メディカ出版
「マンガ 鍼灸臨床インシデント 覚えておきたい事故防止の知識」/医道の日本社