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食べ方がユニーク!北海道で愛され進化を続ける「五勝手屋本舗」の「丸缶羊羹」/人気店の定番スイーツ vol.42

旅行・おでかけ
長年愛される「定番」スイーツ紹介の連載、第43回は、北海道江差町の「五勝手屋本舗」の「丸缶羊羹」をご紹介。

実は、一般的な「羊羹」とは大きな違いがあり、食べ方にも特徴があります。定番の他、一年を通じて様々な種類が登場しているのもお見逃しなく!

北前船で栄えた北海道の港町生まれの菓子

「五勝手屋本舗」は、江戸時代より北海道・江差町で菓子作りを始めていましたが、看板商品「五勝手屋羊羹」が誕生した明治3年(1870年)創業年としています。

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現在は、六代目の小笠原敏文氏が伝統の味を継承。江差は、江戸から明治時代にかけて、北海道と関西を結ぶ北前船交易で繁栄を極めた港町の1つ。お菓子の材料にも、日本海を渡って運ばれてきた砂糖と寒天が使われていたのです。

看板商品の羊羹には、小豆ではなく「金時豆」が使われています。強く主張せず、他の素材の味わいを活かす風味が特徴。
江戸時代、ヒノキの伐りだしに来ていた南部藩が「五花手(ごかって)地区」で豆の栽培に成功し、祖先がその豆で菓子を作ったのが始まりだったとか。

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この呼称はアイヌ語の「コカイテ」=“波のくだける場所、波の打ちつける場所”を表すとされ、当初の屋号は「五花手屋」で、地域が「五勝手村」へと変遷したのに合わせ、「五勝手屋」になったそうです。

赤い紙筒入りの「丸缶羊羹」の蓋を外すと、表面の部分の砂糖がキラキラと結晶化し、少し硬くなっています。この部分を少し揉んでほぐしてから、底板を押して食べたい分だけを押し出し、筒についている紐をぐるっと一周させてカットする仕組み。

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出先でも包丁を使わず手軽に食べられるようにと考案され、現存する「糸式羊かん」の最古参だそうです。

レトロな雰囲気のパッケージも愛らしく、北海道土産として人気があります。通常サイズは内容量103gですが、可愛らしいサイズの「ミニ丸缶羊羹」は63gと、ほんの少し甘い物を食べたい時や、大勢に配りたい時にぴったりです。

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季節限定の様々なバリエーションにも注目

季節毎の限定品も種類豊富で、北海道の春に合わせ2月下旬から5月中旬まで販売される「さくら羊羹」は、やさしい味わいの「福白金時」に塩漬けの桜の花を混ぜ合わせてあり、どこか桜餅を感じさせる風味。日本酒とも好相性と評判だそうです。

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5月の端午の節句時期には、パッケージに金太郎が描かれた「金太」が登場。赤茶色の肌だったことから「金時豆」の名の由来となったという「坂田金時」にあやかって、大きな粒状の金時豆が入っています。

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4月下旬から7月初旬には「あずき羊羹」が登場。通常が金時豆の羊羹なので 紫陽花の季節限定の紫の羊羹ということだそう。

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6月初旬から8月中旬には、果物の砂糖漬けとお酒を使った新感覚の「コンフィ」シリーズが登場。カシスと赤ワイン、リンゴとカルバドス、レモンとホワイトラムの3種類です。

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9月初旬から10月下旬に登場する「月」シリーズも、2016年発売の新顔で、「宙(そら)の月」が栗入り。北海道の指定農家から仕入れた素材を活かし、「現(あらわ)の月」が南瓜、「隠(かくれ)の月」がじゃがいもの羊羹です。

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1月初旬から2月初旬には、「福白金時」を使った「白い丸缶羊羹」が登場。この他にも、11月下旬から1月初旬にかけては、年ごとの干支の紅白羊羹もお目見えします。季節に合わせて、ぐるっと糸で切りながら食べるのが楽しい品揃えです。

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一方、最新作の「回/Re-Fruit」は、ドライの白いちじくの中に五勝手屋羊羹を詰めた通年品。いちじく果肉のプチプチ感と、コクのある深い甘さと味わいが融合する芳醇な組み合わせ。コーヒーや紅茶はもちろん、ウィスキーやブランデーとも相性抜群で、辛党の方へのギフトにも喜ばれます。

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老舗の様々な挑戦を応援しつつ、色々と味わってみてください!

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