「ヘッドの形状が難問でした。ほかの部位に比べて、毛が太くて長いし、粘膜が近くて複雑な形状をしているパーツで、しかも自分では処理しているところはとても見えにくい。とくにIゾーンはお手入れが怖いというお声が非常に多かったです。何度も試作を重ねて、安全性をチェックし、最終的にヘッドは、Iゾーンに最も適した幅31mmに設計しました」(堀さん)
ほかにもVIO専用シェーバーならではのこだわりが満載だ。
「太くて長い毛でもスパッと切れるように、ボディ用の3倍ものパワフルなモーターを搭載しながら、本体のサイズを小さくすることに苦心しました。また、使う時はペン持ちできるように、細めのグリップであることも譲れないポイント。また使っている最中に間違ってスイッチを押さないように、横スライドスイッチにしています。そして浴室で使えるように防水仕様に。分解して洗えるので掃除も簡単ですし、衛生的です」(堀さん)
秘められがちなデリケートゾーン事情だが、よりよい商品作りのために“リアル”も追求。
「モニターの方には実際に試作機を使った後、処理した部位の状態を見せていただくことも…。みなさんに恥ずかしがらずに、お話ししてもらえる環境作りも心がけました」(堀さん)
「どんな体勢で処理をしているか調べるために、クマのぬいぐるみをお送りして、シェーバーの当て方をクマで再現してもらったりもしました」(マーケティング・高橋瑠菜さん)
数々の難題をクリアした商品は、ユーザーからも好評だそう。
「一度使ったら手放せない、生活の質が上がったなど、嬉しいお声がたくさん!」(高橋さん)
最後に、美容アイテムのヒットメーカーであるパナソニックの次なるスローガンとは?
「最近はスチーマーを使っていただいている男性も多いし、光エステの購入者の4割は男性なんです。美容は女性だけのものではなく、ジェンダーレスになってきています。これまで培ってきた技術を活かして、男性も女性も、すべての人が心地よく過ごせるアイテムを作っていきたいです」(高橋さん)
※『anan』2022年7月27日号より。写真・北尾 渉(そわんわんさん) スタイリスト・石川美久 ヘア&メイク・加藤志穂(PEACE MONKEY) イラスト・REDFISH 取材、文・岡井美絹子
(by anan編集部)