目次
早期発見のために、1年に1回は受けたい「乳がん検診」。でも、いざ受けよう!と思い立っても、受けられる場所や費用など、分からないこともたくさんありますよね。
そこで、「乳がん体験者が伝えたいこと」今回は、乳がん検診の気になるあれこれを、乳腺の専門医に教えてもらいました!
* * *
▶︎教えてくれたのは
嶋本 裕先生
乳腺専門クリニック・品川ブレストクリニック院長。港区の乳がん検診・子宮頸がん検診の実施医療機関であり、検査はすべて女性スタッフが対応。的確でスピーディーな確定診断には定評がある。
TEL 03(5475)8600
Q1:どこで受けられるの?
A:市区町村の乳がん検診や、勤め先の検診、乳腺外来などです
市区町村の検診は年齢などの条件を満たせば誰でも受けられますが、申込期間に制限がある市区町村もあるので要注意。勤務先の検診で受けられることも多いですが、乳がん検診を実施していなかったり、オプション追加が必要な場合もあります。
そのほか自分で乳腺外来に申し込むこともできるので、下記サイトなどで確認を。
★マンモグラフィー検査機器が整備されている医療機関や病院リスト
*検診を申し込むには、まず各医療機関に問い合わせてください。
Q2:費用はどのぐらいかかる?
A:実費で1万~1万6000円。補助が出ると無料になることも
視触診、超音波検査、マンモグラフィー検査で1万~1万6000円程度と、医療機関によって幅があります。市区町村や勤務先の乳がん検診を受ける場合、費用補助が出るので、無料~3000円程度で受けられます。
Q3:毎年受けなきゃダメ?
A:超音波検査は年1回。40歳以上はマンモグラフィーも2年に1回受けましょう
日本人の20~30代女性の7割は、乳房内の乳腺が濃い「デンスブレスト」。マンモグラフィーだと画像が白く写り異常が見つかりにくいので、超音波検査を年に1回受けましょう。
40代以降は乳腺濃度が低くなる傾向があり、乳がんの罹患率もアップ。2年に1度のマンモグラフィー検査も追加して。
おすすめの検査頻度はこちら!
マンモグラフィー検査
乳房を機械で挟んで行なうX 線検査。広範囲を見ることができ、早期がんの特性である石灰化を発見しやすい。
◆20代:不要
デンスブレストの人が多いため、正確な画像診断は困難。
◆30代:10年に2回
30~34歳で1回、そこで異常がなければ35~39歳でもう1回検査を。
◆40代以降:2年に1回
2年に1回受けることで、死亡率が減少。心配な人は年に1回受けて。
◆妊娠・授乳中:不要
乳腺濃度が高くなるので、正確な画像診断は困難。また、妊娠中は胎児への影響のためX線は使用できない。
乳房超音波 (エコー) 検査
超音波を当てて撮影する検査。デンスブレストでもしこりを発見できるが、石灰化の有無は調べられない。
◆20代、30代、40代以降:年に1回
視触診では見つけられない小さなしこりを見つけ出せる。全年代とも、年に1回受けたい。
◆妊娠・授乳中:妊娠初期に1回
乳腺濃度が高いと、正確な診断は困難。妊娠初期なら通常の状態に近いため、初期に受けておきたい。