占い師、作家のしいたけ.さんが、読者の皆さんの“仕事の悩み”にアドバイス。
【お悩み1】自己アピールができない!
実力はそんなになのに上司に好かれるのが上手で、重用されている同僚がいます。一方、私は同僚より成果を上げているのに、アピール下手のせいか評価されず…。結局、好かれた者勝ちなのでしょうか。(30歳・会社員)
ほんの少し“心を開く”という意識を持つといいかも。
僕がまず思ったのは、この方はもしかしたら心を開くタイミングに来ているんじゃないかということなんです。悩みって自分が次の展開にいくためのヒントでもあって、この方の“アピール”にまつわる問題は、そこを直接どうこうするというよりは、人に“心を開くこと”がカギになるのではと。やっぱり仕事には人柄も関わるわけで、上司が目をかけてくれないのは、無意識のうちに近寄りがたい雰囲気を出しちゃっているってこともあるんじゃないでしょうか。
そこで試してもらいたいのが、上司とか当事者ではなく、例えば宅配便の人などに、0.1%心を開く意識を持つこと。「ご苦労さまです」と挨拶するとか、ちょっとしたことでいいんです。続けていくと警戒心が解けるというか、話しかけやすい雰囲気になるんです。それが職場でもにじみ出るようになり、上司からの評価も変わると思いますよ。
【お悩み2】時間をうまく使えなくて…。
最近、フリーランスになりました。時間の融通が利くようになったのに、「働かないと」と思ってなかなか仕事を切り上げられません。プライベートの時間がうまく取れず、ストレスがたまっています。(25歳・ネイリスト)
プライベートにもミッション型を導入するのがおすすめです。
この方のお悩みを聞いたときに、もしや“趣味=仕事”の人なのではと思ったんです。もちろんフリーランスになったばかりなので、そのぶんがんばって仕事をしなきゃと根詰めている部分もあると思いますよ。でも、ひっきりなしに仕事がやってくる人って、もともと仕事が好きだったり、ミッション志向が強かったりする場合が多いんです。
だからいっそのこと、こういう方の場合は、例えば「話題のドラマシリーズをこの日までに完走する!」とかプライベートもミッション型にしてしまったほうがいい気がします。それをやるために、必然的に自分の時間を確保しようとしますからね。
仕事に関しては、いまが120%の力を発揮しどきかも。個人のもとに仕事が集まるって誰でも経験できることではないし、素敵なこと。心身の管理をしながら、目の前の仕事に全力で取り組むといい時期だと思います。
【お悩み3】やりたいことって何だろう?
いまの仕事が嫌すぎて、転職を考えています。でも、自分が本当にやりたいことが何なのかわからず、転職活動をしてもうまくいきません。どうしたら自分のやりたいことが見つかるのでしょうか。(27歳・金融関係)
やりたいことを見つけるには、“名詞”ではなく“動詞”に注目。
最近読んだ、森岡毅さんの『苦しかったときの話をしようか』という本のなかにこのお悩みの答えもある気がします。森岡さんは得意なこととか好きなことの見つけ方について“何”がという名詞ではなく、何を“する”という動詞に注目してみましょうと言っているんです。例えばファッションに興味があるなら“洋服”が好きという名詞ではなく、洋服を“デザインする”とか、洋服をおすすめして“喜んでもらう”のが好きっていう動詞に注目すると、自分の軸を発見しやすくなるという。
確かに仕事って複数の要素で成り立っているので、名詞、つまり職種で考えるとボヤけがち。でも動詞で考えると、人に“喜んでもらう”のが好きなら、ファッション以外の仕事でもいいのかも。そんなふうに、まずはいまのご自身の仕事を分割すると、やりたいことのヒントが見えてくるのではないでしょうか。
【お悩み4】実家に戻るタイミングは?
いずれ実家に戻って家業を継ごうと思っています。ただ、いまは仕事が楽しいし、東京で結婚相手を見つけたい。いつ、どういうタイミングで区切りをつければいいのかモヤモヤしています。(27歳・ウェディング関係)
タイミングはだいたい3年周期。まずはそこに照準を合わせよう。
こういうタイミングって、ドラマや映画だと、実家でハプニングとか何か明確なきっかけがありますよね。でも、現実はその確率が1割以下のような気がしていて…。だから、自分で決めるしかないんだと思います。じゃあそれをどう計ったらいいのかというと、僕は体内感覚でのタイミングって、3年ぐらいの周期で回ってくる気がするんです。1年だと短すぎて、例えば今年はどういう年にしようと考えても、準備の途中で終わってしまう。でも、3年後だといろいろ改善する余地も出てきますよね。そして「いつ実家に帰ろう」と思った、そのときこそが家業を学ぶなど準備を始めるタイミングなのです。
気持ちの照準は3年後に合わせますが、準備した結果、3年後じゃなければセットし直せばいい。逆にそれより前になることも。そんなふうに、ピタッとはまる時期がくるはずです。
しいたけ.さん 占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究するかたわら、占いを学問として勉強する。近著に『しいたけ.のやさしいお守りBOOK』『しいたけ.の小さな開運BOOK』(共に小社刊)。公式サイトhttps://shiitakeofficial.com/
※『anan』2022年11月30日号より。イラスト・100%ORANGE 取材、文・保手濱奈美
(by anan編集部)