
不妊治療は早く始めるほどいい、といわれます。それはなぜなのか、そして、どんな治療が待ち受けているのか。初めて不妊治療をスタートするカップルのためのガイドです。齊藤英和先生に詳しく解説していただきました。
今回は、不妊治療スタート編「男女別不妊検査」の基本的な流れです。
不妊治療のスタートは原因を探る検査から。検査結果が怖いという人もいますが、原因がわかれば治療方針が立ち、それだけ一歩前に進めることになります。

【監修】齊藤英和先生
国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター不妊診療科医長。不妊治療の最前線で活躍する傍ら、高年出産に伴うリスクの啓発にも尽力。著書に『妊活バイブル』(講談社)
検査の基本的な流れ
女性・男性共に、問診→基本的な検査→精密検査と進んでいきます。途中で原因がハッキリすれば、すぐに治療に進むこともあります。
問診
【女性】
初潮を迎えた年齢や性生活の様子、過去の妊娠・分娩経験などについて、質問に答えます。
【男性】
性欲の有無や勃起・射精の状態、性生活の様子などについて、質問に答えます。
基本的な検査
【女性】
月経周期を「月経期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」の4つの時期に分けて、それぞれのタイミングに合わせた検査を数種類ずつ行っていきます。
【男性】
病院や自宅で採取した精液を提出し、顕微鏡や自動解析装置で精子の状態を調べます。
精密検査
【女性】
卵巣や卵管、子宮の状態を内視鏡でより詳しく観察したり、染色体に異常がないかを調べたりする検査を行います。
【男性】
精巣の状態を観察したり、ホルモンの状態を調べたりする検査を行います。
男女共に不妊外来で同時に検査スタートが理想
不妊治療は不妊の原因を調べる検査から始まります。女性と男性一緒に、不妊治療専門クリニックか、総合病院の場合は不妊外来で検査を受けます。
原因は女性だけとは限らず、男性にあることも少なくありません。
実は男性は若くても5%は不妊というデータもあります。そして女性ほどハッキリはしていないものの、やはり年を重ねれば女性を妊娠させる力が落ちることもわかっています。ですから、男性も同時に検査することが必須なのです。