女性に特化した不動産会社を経営する 山手雅美さんに、働く女性がひとり暮らしをするときに、プロが選ばない賃貸物件の間取りについて教えてもらいました。ぜひ物件選びのヒントにしてください。
不動産会社の女性経営者が教える! プロが選ばない賃貸物件の間取り3選とは?
【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.7
※主に東京都内、近郊のワンルーム賃貸物件が対象です
――初めて物件を探す際、間取りについてどう考えればいいでしょうか?
山手さん 住みやすさはもちろん、メンタル面や体内リズムを整える意味でも、天候面の影響を考えた間取りを選ぶことをオススメします。日当たりの良さは特に大事。お客様の引越し理由としても「今の家は日当たりが悪いから引っ越したい」というケースはとても多いです。日当たりのいい部屋にいるだけで、気持ちよく過ごせてメンタルが整ったり、昼間は明るいから電気をつける必要がなく節約になったりと、精神的にも経済的にも”人生のコスパ”がいいと思います!
――オススメしない間取りはありますか?
NG 1. 「北向きの物件」
山手さん 北向きは、どうしても日当たりがよくない物件が多いです。南向きが1番日当たりがよく、次に東向き、西向きの順でいいため、お客様にもその順番で人気があります。日当たりがいいと、太陽の光で自然に部屋があたたまり、冬は夜まで暖房を使う必要がないなど電気代の節約につながります。南向きだと夏は暑くなりすぎるのでは? と考える方もいるかもしれませんが、夏は太陽が高い位置にあるため、直射日光が少なくそこまで暑くなりません。1年を通して自然エネルギーのメリットを受けて省エネで過ごすには、南向きが最適です。北向きの物件ですとその恩恵を受けることができませんし、ベランダが北向きですと日が当たらず、洗濯物が乾きにくいデメリットも…。ただ、向きに関わらず前面の建物の影響で日陰になることもあるので、南向きという理由だけで安心するのはNG。日当たりの良さについても、内見の際に確認することをオススメします。
NG 2.「半地下、地下の物件」
山手さん 梅雨の時期などは特に、半地下、地下の物件は、湿気が多いためカビが生えやすく、じめじめしてしまいます。湿度と風通しが悪いと結露してしまい、家具や壁、お気に入りの洋服や靴が傷んでしまう恐れも。カビや結露を放置すると、においが発生するうえ、健康にも悪影響を及ぼす場合もあります。また、退去時に余計なクリーニング費用が発生してしまい金銭面で負担がかかる可能性もありますから、窓がなく風通しが悪い半地下、地下の物件はオススメしません。
NG 3. 「必要以上に、雨や風などの音が響いてしまう物件」
山手さん 古い木造タイプのアパートですと、台風や突風など、外からの音が必要以上に響いてしまう場合も。住んだ後に気になってしまったとしても、それだけを理由に引っ越しというのは辛いですよね。音に敏感な人は特にストレスの原因になってしまいますし、雨の音すら室内にいても響いてしまって不快に感じることもあります。木造、築年数の古い物件は特に、雨の日に内見をしておくと安心です。
――南向きは家賃が高い印象です…。それでも南向きにこだわるべきですか?
山手さん 家賃重視の方にとっては、日当たりが悪いということで割安になっている物件は多いですから、北向きの物件をあえて探すというのも1つの手だと思います。また、夜勤などで昼間に眠ることが多い人は、昼間に日当たりがよすぎると眠れませんから、日当たりのいい物件に住む必要はないですよね。大切なのはご自身の生活スタイルに合わせて物件を選ぶこと。
ただ、私自身、以前住んでいた部屋が北向きで暗く、日中に家にいるとなんとなく気持ちが塞がりマイナス思考になりがちになってしまった経験があります。そのため経験上、リモートワークなど長い時間をおうちで過ごす方は、日当たりなどの天候面を気にして物件探しをすることをオススメしたいです。
ひとり暮らしを心地よく始めるためには、日当たりも大事
いかがでしたか。初めてのひとり暮らし、絶対に後悔したくないですよね。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてください。
教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 山手雅美さん
宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険プレゼントやRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい!
©studio marble/Getty Images