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6月以降さらに値上げ!? 電気料金の仕組み&契約見直し5つのポイント

最新のライフスタイルには憧れるけれど、最近高くなっている電気代も気になる。そこで電力自由化など、電気料金の仕組みについて総まとめ。家計の負担を減らすために、見直しや切り替えを検討してみては。

大手電力が値上げを予定。さらに電気代は高くなる!

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私たちの生活に欠かせない電気。毎月使った分だけ電気代を支払っているが、最近、燃料費高騰のニュースを頻繁に見かけるようになり、一般家庭の電気料金にも大きな影響が出ている。「高騰し続ける燃料価格に対して、電力会社の負担が大きくなったことで、各社が値上げを実施・検討しています」と話すのは、企業に電力コストの最適化や再エネ電力調達支援サービスを行っている経営コンサルタントの久保欣也さん。

「電力会社の原価は値上がりが続いており、6月以降に一部の大手電力が基本料金や電力量料金の値上げを検討しています。一度も電力会社やプランを切り替えたことがない方のほとんどが現在契約しているのが、自由化前から大手電力が提供している『規制料金プラン』。これも値上げの対象になっており、具体的な値上げ率はまだ決まっていませんが、電気代が今より高くなるのはほぼ間違いありません。またこれまで大手電力が負担していた燃料費高騰分についても、燃料費調整額の上限の見直しが検討されています。そうなるとこれまでは、毎月の使用量が少ない一人暮らしの場合、このプランが一番電気代を抑えられるケースが多かったのですが、今後は大手電力が打ち出している自由化以降のプランに変更したり、新電力などの電力会社に切り替えた方が電気代を安くできる家庭が増えてくるでしょう」

今こそ電力自由化の制度を利用して、電力会社やプランの見直しを。

Q. そもそも電気料金ってどうやって決まるの?

A. 3つの要素のうち基本料金以外は、使用量によって毎月変動する。

基本料金だけが唯一固定で、それ以外は使用した電力量に応じて毎月変動する。「電力量料金は、基本的に使うほどに単価が上がります。燃料費調整額は、航空機の運賃に上乗せされる燃油サーチャージのようなもので、燃料の価格変動に合わせて変わります。再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)は年度ごとに国が定めており、今年の5月分以降は1kWhにつき1.40円が請求されます」(久保さん)

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【電気料金の構造】
・基本料金…使用電力量によらず毎月支払う固定料金 ※契約するアンペア・プランによる

・電力量料金(電力量料金+燃料費調整額)…使った電力量分だけ払う従量料金

・再エネ賦課金…再エネ普及に必要な負担金

Q. なんで最近こんなに値上がりしているの?

A. 燃料費の高騰で、多くの電力会社が電気料金を大幅に値上げ中。

使用量はあまり変わっていないのに、最近電気代がどんどん高くなっていると感じている人も多いはず。その主な理由は、燃料費調整額が上昇しているから。「世界的にエネルギー需要が増大していることや、ウクライナ情勢、円安の影響で、燃料の輸入価格が高騰し、電気料金が値上がりしています。今年度の再エネ賦課金は引き下げられましたが、今後も電力会社各社で大幅な電気料金の値上げが予定されています」

Q. 電力会社が自由に選べるようになったのはなぜ?

A. 電力の小売全面自由化で様々な新電力会社が参入。

2016年にスタートした電力自由化の目的は、電気料金を安くすること、ユーザーの選択肢を増やし参入企業の事業機会を拡大すること、電力の安定供給を確保することの3つ。「それまでは東京電力をはじめ、地域の大手電力会社からしか電気を買うことができませんでしたが、自由化に伴い『新電力会社』と呼ばれる小売電気事業者が多く参入。生活に合わせて会社や料金メニューを自由に選択できるようになりました」

Q. 大手電力会社と新電力会社の違いは?

A. 発電所を持っているのが大手電力。小売りだけするのが新電力。

電力の供給システムは、電気を作る発電部門、変電所や家庭などに電気を送る送配電部門、電気を販売する小売部門に分かれており、新電力は小売りだけをしている会社が大半。「大手電力は、発電所を自社で投資し保有していますが、新電力はこの投資コストが不要なため、通常時であれば電気代をより安くできる傾向にあります」。基本的に新電力は、大手電力で発電された電気を売っているので、質は変わらない。

大手電力、新電力、切り替え5つのポイント

電気料金の見直しを検討するにあたり、まずは押さえておくべき切り替えのポイントを初心者にもわかりやすく伝授。電気代を少しでも安くしたいなら、自分のライフスタイルに合った電力会社や電気料金プランをチョイスしよう。

POINT1:今の使用状況をチェック

まずは現状を把握するために、契約中の電力会社の会員サイトで月の電気代やプランを確認しよう。「アンペア数を下げるだけでも電気代は安くできますが、同じ契約電力のまま切り替えても料金を抑えられる場合があります。たとえば月の使用電力量が極端に少ない方は基本料金0円の新電力会社に替えたり、日中に電気を使うことが少ない方は、使う時間によって料金が変わる『時間帯別プラン』を検討するのもありでしょう」

POINT2:切り替えると逆に高くなる場合も

電力会社やプランによって、使用電力量が増えるほど電力量料金単価が割引・割高・一律だったりとまちまちなので、毎月どのくらい使うかによって最適な選択肢が変わる。「電力量料金単価が固定でなく、そのタイミングの仕入値によって変動するプランは、リスクが高いのであまりおすすめできません。基本料金や電力量料金を比較して安くなる表示でも、燃料費調整額の上限がないプランは高くなるかもしれないので慎重に」

POINT3:途中解約による違約金に注意!

最近は無料で解約できる場合がほとんどだが、なかには1年の最低契約期間があり、契約期間中に解約すると違約金が発生する会社も。トラブルのもとになりやすいので切り替え前にチェック。「割引特典などのキャンペーンの適用条件によっては、解約事務手数料、契約解除料、違約金がかかる場合も。たとえば携帯電話やインターネットとのセット割引がある電気料金プランの場合に発生するケースが多いようです」

POINT4:切り替え、プラン変更は繰り返しOK

使用電力量によって電力量料金単価が変わるケースが多いので、電気需要が高い時期と低い時期で、電力会社やプランを変更するのも賢い方法。「違約金の有無に気を付ければ、1年のうちに何度切り替えてもペナルティは一切ありません。現在契約中の電力会社の解約手続きの必要もないので手間もそこまでかかりません。しかし会社によってはすぐに切り替えられない場合もあるので、各社のWebサイトなどで確認しましょう」

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