都心から気軽に非日常空間へ導いてくれる、関東近郊の温泉地。今回は【草津・伊東・熱海】のおすすめ宿をご紹介します。
編集部 / Hanako編集部
1.草津のシンボル、湯畑そばの老舗宿。〈草津温泉 奈良屋〉
ここで開業以来受け継がれるのが湯守の伝統。源泉を一晩寝かせ、さらに湯口から注ぐ量を調節することでほどよい湯加減となり、本来は刺激の強い湯がまろやかに。
大浴場「お汲み上げの湯」をはじめ湯船には湯守が適温に調整した源泉掛け流しの湯が注ぐ。
湯船に浸かれば手間と時間をかけたお湯の力が肌で感じられる。
〈草津温泉 奈良屋〉
■群馬県吾妻郡草津町草津396
■0279-88-2311
■IN/14:00 OUT/11:00
■1泊/27,000円(税込)~
■アクセス/JR長野原草津口駅からバスで30分。
(Hanako1147号掲載/text:Mutsumi Hidaka)
2.海辺のリゾートホテル〈川奈ホテル〉で上質なひとときを。
創業者・大倉喜七郎念願の英国風エステートの風格を最も表す第一ロビー。大きく開かれた窓の外には青い海が広がる。クリスマスシーズンには火をくべる大理石の暖炉が印象的。
煉瓦の柱やアイアンワークを施す玄関扉が訪れる人を迎える〈川奈ホテル〉。中心街を離れ、密やかに佇む白亜の洋館は異国の貴族の邸宅のようだ。それもそのはず、創業者・大倉喜七郎が若き日を過ごした英国のカントリーエステートをイメージした1936年開業のホテルは驚くばかりにその意匠を今に留める。
海沿いの広大な敷地内の庭とゴルフコースとホテル。
牛や羊が草を食む牧草地という当初の構想は地盤が溶岩のため断念したが、代わりに世界に誇る名門ゴルフコースを創設したことで、国内外の紳士淑女が集う飛び切りの国際派ホテルとしての歴史を歩む。
コース帰りのゴルファーが集う1階の、繊細なタイル使いが美しい大柱。富士山と大島を見晴らすゴルフコースはゴルファーたちの憧れだ。
朝に夕に、移ろう海と空の色彩を堪能させる「サンパーラー」
設計は昭和初期の邸宅を多数手がけた高橋貞太郎。内装を矢部金太郎、F・L・ライトの下で働いた美術家の繁岡鑒一(しげおかけんいち)がホテル内のグラフィックを手がけ、その多くが今も現役。
創業当時から大切に使われている照明器具や家具、タイル模様ほか、案内板の文字や地図を眺めて廻る館内散策も滞在の楽しみになるだろう。
湯と海が連続するインフィニティな眺望が自慢の露天風呂を備える「ブリサマリナ」
新設の温泉施設「ブリサマリナ」で寛ぎ、メインダイニングで懐かしさを誘う「復刻ディナー」に舌鼓を打つ。
クラシカルな雰囲気を残しながら快適な改装を施した客室、オーシャンビュースーペリアツイン。
伝統の上にラグジュアリーを追求するホテルの意識は、ダンディな大倉男爵のDNAを今も宿す。
創業時よりホテルの水は天城から引く天然水。ビリヤードルームや談話室、バーなど古き良き雰囲気を残す空間の見所はホテル内に多数。
■0557-45-1111
■静岡県伊東市川奈1459
■全100室
■ガーデンビューツインルーム1泊10,692円~(入湯税別)
■www.princehotels.co.jp/kawana
(Hanako TRIP『思い立ったらすぐ行ける!自分のための心休まる宿へ。』掲載/photo:Tetsuya Ito text:Chiyo Sagae)