
「赤ちゃんが欲しい」。そう思っても、妊娠・出産にまつわる女性の体のしくみのこと、意外とデリケートな男性の体のこと、きちんと理解していますか?
今回は、妊娠できる周期を知る「生理のしくみ」について、産婦人科医の竹内正人先生にうかがいました。
「妊娠力アップのための基礎知識」 #5
※参考:「妊活たまごクラブ 2019-2020年版」
生理のしくみについてきちんと知っておこう
生理は、妊娠するために必要不可欠な女性の体の働きです。
まず、脳から女性ホルモンに卵巣を刺激するように指令が出されると、卵巣は卵胞を成長させて卵子が成熟します。これが卵胞期です。次の排卵期で、1個の卵子の排卵が行われます。そして、子宮内膜を厚くして受精に備える黄体期に。
ここで受精が行われないと、卵子は消滅し、子宮内膜も剥がれ落ちて月経となります。面倒に思われがちな生理ですが、「今月も、赤ちゃんを迎える用意をしていましたよ」というサインなのです。
【生理のバイオリズム】生理は4つの周期で、妊娠に備えています
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生理には、月経、卵胞期、排卵期、黄体期の4つの周期があります。女性ホルモンの働きによって、女性の体が妊娠できるように整えています。
生理の周期は25~38日、月経は3~7日間続きます。
月経
妊娠が成立しなかったために、子宮内膜が剝がれ落ちて、血液と一緒に体外に出てくるのが月経です。月経の期間には個人差があります。
卵胞期
卵巣で毎月20個程度の卵胞が成長し、最終的にそのうちの1個が成熟し排卵します。
同時に子宮内膜も厚くなります。卵胞期は6~7日間程度で、いちばん体調のよい時期。
排卵期
卵巣で成熟したたった1個の卵子が卵巣から飛び出し、排卵します。
卵子は卵管にとらえられて受精に備えます。排卵期は排卵の前後4~5日間くらいのことをいいます。
黄体期
子宮内膜が最も厚くなる時期です。排卵によって女性ホルモンのバランスが変化し、便秘や肌荒れ、イライラが起こる人も。
ホルモンの変化
卵胞ホルモン(エストロゲン)は子宮内膜を厚くし、黄体ホルモン(プロゲステロン)は、子宮内膜に着床に向けた準備を促します。
入れ替わるようにして、それぞれのピークを迎えます。