今や全国的に定番の野菜となった水菜。実は京都の伝統野菜だったことをご存知ですか?意外と知られていない水菜の基礎知識から、栄養を逃さず摂るための方法、そしておいしく食べられるレシピをご紹介していきます。よく使用する野菜だからこそ、知識をつけて食べ方を工夫してみましょう。
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意外と知られていない水菜の基礎知識
水菜は京都が原産と言われており、関西地方では食卓に欠かせない野菜のひとつです。葉の形から柊菜(ヒイラギナ)、細い葉枝が千本伸びるということから千筋菜(センスジナ)、京都が原産ということから京菜(キョウナ)、とさまざまな呼び方があります。
また水菜には、小株栽培したサラダ水菜、関東で栽培されてきた水菜の一種である広茎京菜(ヒロクキキョウナ)、茎の色が紫色の赤水菜、葉の色が紫色の紫水菜などがあり、種類もさまざまです。
旬は冬〜早春で、生のまま食べる場合はサラダの食材として、加熱する場合は鍋や煮物の食材として使われている野菜です。(※1)
水菜の栄養ってなにがある?
水菜の約90%は水分なので、低カロリー食材としても大活躍。
まったく栄養成分がない訳ではなく、残りの約10%には、食物繊維、炭水化物、β-カロテン、ビタミンC、葉酸、カルシウム、鉄などが含まれています。
特に注目すべき栄養成分の含有量や栄養機能についてご紹介していきますね。(※2)
エネルギー量
水菜100gあたりに、23kcalのエネルギーが含まれています。
シャキシャキした食感があり食べたという満足感が高い食材かつ、低カロリーなので、ダイエット中にもおすすめです。(※2)
β-カロテン
水菜100gあたりに、1,300μgのβ-カロテンが含まれています。
β-カロテンの含有量が多いので、意外かもしれませんが、水菜は緑黄色野菜のひとつなのです。
β-カロテンは、体内でビタミンAに変わるので、プロビタミンAとも言われます。老化の原因となる活性酸素の発生を抑えたり、取り除くサポートをするので、若さをキープするためにも摂りたい栄養素ですね。(※2,3)
ビタミンC
水菜100gあたりに、55mgのビタミンCが含まれています。
ビタミンCは水溶性の栄養素で、別名アスコルビン酸。傷の治癒に必要なタンパク質である、コラーゲンの生成を促したり、酸化防止作用があると言われています。(※2,4)
葉酸
水菜100gあたりに、140μgの葉酸が含まれています。
葉酸は、水溶性ビタミンの一種で、体内で酸素を運ぶ赤血球を作る際に欠かせません。
葉酸が不足すると、赤血球がうまく作れず、巨赤芽球性貧血になる可能性があるので、積極的に摂りたい栄養素です。
とくに妊娠を計画していたり、妊娠の可能性がある女性は+400μg(付加量)の葉酸を、妊婦さんは1日あたり推奨量で+240μg(付加量)の葉酸を、厚生労働省が定めている、18歳以上の女性の1日あたりの推奨量240μgに加えて摂るといいでしょう。
不足すると、胎児の神経管閉鎖障害や無脳症を引き起こすリスクを高めてしまいます。(※2,5)
カルシウム
水菜100gあたりに、210mgのカルシウムが含まれています。
カルシウムは骨や歯を形成するのに必要な、ミネラルの一種です。
ビタミンDの摂取量や運動によっても吸収率や利用効率が異なるので、吸収効率を上げるためには、カルシウムと同時にビタミンDを摂ることと、運動をして骨に適度な刺激を与えることが大切です。(※2,6)
鉄
水菜100gあたりに、2.1mgの鉄が含まれています。
鉄は私たちに必要な微量ミネラルの一種で、赤血球のヘモグロビンに多く存在しています。
鉄を摂る量が少ないと、鉄欠乏性貧血になることもあるので、不足しないよう積極的に摂ることをおすすめします。
特に女性は月経で鉄が失われがちなので、意識して毎日の食事に取り入れるといいでしょう。(※2,7)