妊娠中は、ママ自身の体や赤ちゃんへの影響が心配されるため、避けたほうがよい食べ物、とり方に注意したい食べ物があるのを知っていますか? どんな食べ物に気をつけたらいいか、知っておくと安心です。
妊娠すると、免疫機能が低下するため食品から感染を起こしやすくなります。食中毒や感染症の恐れがある生ものは、妊娠中は避けたいもの。ほかにも大量にとると赤ちゃんへの影響が心配されるため、とり方に注意したい食べ物があります。そこで、どんな食べ物に気をつけたらいいか、また食べるときの注意点を厚生中央病院の管理栄養士、嶋崎愛子さんに聞きました。
赤ちゃんへの影響が心配な食べ物
多くの妊婦さんが気にすることは、自分が食べているものが赤ちゃんに影響するのかどうか。まずは赤ちゃへの影響が心配な食べ物をご紹介します。
妊娠中は避けたいもの
●アルコール
アルコールは胎盤を通して胎児に届くため、大量に摂取すると胎児の成長や発達を妨げる恐れがあります。産後も母乳を通して赤ちゃんに届きます。妊娠中、授乳期は飲酒を控えて。
●生もの(トキソプラズマ)
トキソプラズマは、加熱が不十分な肉、ネコのふんや土などに寄生する原虫。妊娠中に初感染した場合、胎児にも感染が心配されるので注意が必要です。食べたら必ず感染するわけではありませんが、生肉(非加熱食肉・乾燥食肉のもの)は避けましょう。
とり方に注意したいもの
次に絶対ダメではないのですが注意が必要なものを紹介します。
●カフェイン
胎盤を通して胎児に届きます。必ずしも影響を及ぼすとはいえませんが、常識的な量にとどめるのが安心。また、鉄分を排出する働きがあるため、とくに貧血気味の人は飲みすぎに注意を。日本では摂取量は定められていませんが、カフェインは1日200㎎までを目安に。コーヒーは1杯(200ml相当)120㎎含まれています。
●ビタミンA
妊娠初期にとりすぎると胎児に影響することも。ビタミンA(レチノール)が豊富なレバー類を毎日のように食べるのは避けましょう。サプリメントや栄養ドリンクに含まれる場合もあるので注意を。にんじんなど緑黄色野菜のビタミンA(カロチン)は心配ありません。
ビタミンAが含まれる食品※
100g中の含有量(㎍RAE)
鶏レバー14000
豚レバー13000
あんこう(肝)8300
うなぎ(かば焼き)1500
※「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より
●水銀
クロマグロやキンメダイ、マカジキなど、一部の回遊魚に含まれる水銀は、胎児へ影響する心配があります。ただし、栄養価の高い食材でもあるため、種類と量、頻度に気をつけて食べるようにしましょう。