無料の会員登録をすると
お気に入りができます

なぜ謝れないの?「我が強い人」の操縦法

ライフスタイル

自分の主張を押し通す、ほかのやり方を認めない、融通が利かない。「我が強い」人というのは“たぶんそんなに悪い人じゃないんだけど、やっかい”なものです。「気が強い」とも「芯が強い」ともちょっと違う、「我が強い」というのはどんな人でしょうか。このタイプの人とうまく付き合っていくために、我が強い人の特徴と操縦方法を、心理学者の平松隆円さんに教えていただきます。

平松隆円(化粧心理学者)

あなたの周囲に、人のアドバイスを聞かないという人や、たとえ間違っていることがわかっているのに、自分の意見や行動を通そうとする人はいませんか。

そういう人のことを、“我が強い”なんていいますよね。はたして、我が強いのはたんなる性格なのでしょうか。

“我が強い人”の特徴

picture

我が強い人というのは、どんな特徴を指すのでしょうか。まずは、言葉の意味から確認しておきたいと思います。

『デジタル大辞泉』(小学館)には「強情である。意地っ張りである」と載っています。また『大辞林』(三省堂)によると、「自分の考えを押し通そうとする気持ちが強い。他人と協調する気持ちに欠ける」との意味が載っています。

一般的に私たちは、我が強いことを、「頑固」と同じ意味でとらえていますよね。それでは頑固の意味はというとどうでしょう? 「かたくなで、なかなか自分の態度や考えを改めようとしないこと。また、そのさま」(『デジタル大辞泉』)。まあ、意味はほぼほぼ同じといえそうです。

それでは、我が強い人の特徴を考えていきましょう。

周囲の変化に適応するのが苦手

picture

我が強い人というのは、周囲に自分を合わせる、つまり周囲へ適応することが苦手な傾向があります。

人は誰しも加齢にともない、自己中心性が高まったり、頑固になりやすくなります。これは年を重ねていくことで、周囲の変化に自分の変化が追いついていかず、そのため昔ながらの考え方ややり方を通そうとするからです。

年齢に関係なく、我が強い人というのは、“自分をまわりにあわせることが苦手”な人といえるでしょう。

空気を読むのが苦手

picture

けっこう昔に、「KY(=空気が読めない)」という言葉が流行りましたが、我が強い人は空気を読むのが苦手かもしれません。この場合の“空気”とは、“暗黙のルール”といいかえることができます。

私たちが生きる社会では、法律のように明文化されてはいないけれど、みんながそれとなく守っている、“無意識のうちに決まったルール”があります。たとえば、満員電車ではカバンを背負わずに手荷物とか、公共の乗り物の中では匂いの強い食べ物を食べないとか、さまざまありますよね。

ふつうは、意識せずともこの暗黙のルールを読み取って、それに自分をあわせていくのですが、我が強い人は、その暗黙のルールを読み取ることが苦手な傾向があります。そのため、暗黙のルールを無視して、自分のやり方を通そうとするんです。

人の話を聞かない

picture

そして、我が強い人の具体的な行動での特徴が、“人の話を聞かない”ということ。

“聞く耳を完全に持たない”場合もあれば、話を聞いてはいるものの、“なぜそれが自分の考えや行動よりすぐれているのかを理解できず無視してしまう”という、2つの場合があります。

前者の場合、常に自分が正しいと思い込んでいるので、人の話をまったく聞かず、かたくなに自分のやり方を通そうとします。後者の場合は、すでに示したように、周囲の変化に自分の変化が追いついていないことが原因です。

謝らない

picture

我が強い人は、自分の考えや行動が必ず正しいという前提があるため、仮に自分とは違う意見や行動を採用して成功しても、“たまたま成功しただけ”というように、運がよかったからだと思う傾向があります。自分よりいい考え方や行動があることを認めることは少ないんです。

認めないばかりか、仮に自分の意見や行動が間違っていたとしても、同じように考えるため、人に対して謝るということもほとんどありません。

我が強い=協調性がとぼしい

picture

我が強い人は、どんな心理でそうした言動をとるのでしょうか。

「自分の考えを押し通そうとする気持ちが強い。他人と協調する気持ちに欠ける」との言葉の意味をお伝えしましたが、心理学的に考えても、我が強い人というのは“協調性が乏しい”のかもしれません。

ちなみに「協調性」というのは、「調和性」「同調性」「愛着性」ともよばれ、協調性の高い人は、共感性や思いやりをもって、人と親和的な協調関係を結ぶとされています。反対に協調性の低い人は、自分の独自性を押し出していくが、極端になると人に冷淡となり、敵意を持ったり、自閉的になる傾向があるともされています。

オリジナルサイトで読む
記事に関するお問い合わせ