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「結婚しない大人の男」6タイプ

恋愛・結婚

私たちより何年か先に生まれただけなのに、色気と包容力があってかっこいい。でも、そんな彼らにも苦悩があるのだろうか。未知の「大人の男」に焦点を当てて、彼らの魅力や実態に迫る特集です。

古谷経衡

人類最大の発明とは結婚制度である。

強大な男性権力者や突出した魅力のある男性に女性が殺到すると、その恩恵にあずかることができない多数の男性が、女性からあぶれてしまう。

多数の男性が女性からあぶれるとどうなるか。女性を寡占する男性に対して怨嗟と嫉妬が起こる。それすなわち社会不安となり、下位男性が上位男性を下克上し、政権は革命で転覆する。国家が破滅する。

それを防ぐために、非権力者にも、性的に魅力の乏しい男性にも、平等に女性を「配分」するために考案されたのが結婚制度であると私は考える。

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さらに一歩進んで、近代西欧国家は「一夫一妻」を原則とした。これは人権の要請ではなく、あくまで一部の特権的男性が女性に対してエンクロージャー(囲い込み)を行い、非特権階級の男性からの反乱やクーデターを防ぐ社会システムなのである。

これが結婚の本質である。だから結婚とはシステムなのである。女性側からこのシステムを見るとどうなるのか。前述した関係が逆転するだけで、本質的にはなんら変わらない。

突出した魅力のある女性に男性が群がると、そうでない女性があぶれてしまう。すると、女性にも参政権を認めた近代国家では、社会不安が起こる。

だから、ただひとりの女性も男性からあぶれないように、近代国家は「一夫一妻」のシステムを護持しているのである。

結婚したい男女のミスマッチが起こる理由

30代、40代女性の未婚率が過去最高記録を更新中の現代、同じように男性の未婚率も過去最高を更新し続けている。最新の統計では、男性の5分の1、つまり約20%が一生涯独身を貫くというデータがある。ところが、この統計の内実を探ってみると、未婚者の実に約80%以上は結婚願望がある、と出る。

つまり、結婚したい女性と、結婚したい男性のミスマッチが起こっているのである。この理由はたった2つ。

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第一に、結婚という社会システムを支えてきた伝統的な村落共同体(地域共同体)、職能共同体(終身雇用)が崩壊したことにより、男女の出会う時間の総量が減少したこと。

村落に縛られず、人々が自由に都市で移動するようになると、狭い範囲での濃密な男女の接触は減少する。また終身雇用が崩壊し、労働者の4割が非正規雇用である現在、社内外のネットワークが構築されにくく、職場での男女の濃密な接触も減少する。

第二に、20世紀以降顕著に起こった女性の社会進出。女性が社会進出したことにより収入が増加すると、家計を男性配偶者に頼る必要がなくなり、独立した家計を維持することができるからだ。

「結婚しない大人の男」6タイプ

この難しい社会情勢の中で、しかしなおも結婚をしないアラフォー男性の典型を以下6例に分けた。この中には、結婚というシステムを肯定しつつ、結婚したいが結婚できない男性と、結婚というシステム自体を否定して独立自尊を歩もうという男性の2パターンが混在する。

しかし、結婚制度というシステムが運営されてからおおむね数世紀、この制度を個人が否定することは簡単なことではない。よって以下に分類される中の、結婚願望がない男性にも、女性側から見れば結婚のチャンスがあると考えてほしい。

(1)一国一城型

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とにかく俺様の好きにやりたい。家(部屋)も、車も自分好みの自己所有。まさに一国一城の主。会社経営者や自由業者に多いパターン。結婚という枠組みに縛られるのが嫌で、アラフォーになっても遊び相手が複数いる。結婚自体を「足枷」だと思っている。いわゆる都市型プチブル・高等遊民。

こんな男はたいていオスとしては魅力的に映るが、結婚相手としてはふさわしくはないだろう。ただ、それを差し引いても惹かれるなら結婚もあり。猛烈なアプローチで念願成就。しかし結婚後、夫に離婚歴が発覚! という場合も多いのであらかじめ心の準備を。

(2)リスク回避型

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稼ぎがあまりない。長引くデフレ不況と賃金の低下にさらされている中産下位の正社員層。正直結婚どころではない。結婚して共働きした方が税金も安くなって収入も増えるよ? という損得勘定が通用しない。

なぜなら、結婚をしたら広い住宅へ引っ越ししなきゃならない。もし子どもができたら教育費の出費が……。とあれやこれやと悩むうちに「独身が一番」という結論に落ち着いている。

安定を求めるがゆえに、女性側の収入が多いところを見せるとコロリと転換するかも。逆にそれ以外ではブレないで生涯独身を貫く鉄壁の守備型。

(3)多忙型

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結婚? そんなことやってる暇なんかないよ! とにかく忙しいんだよっ!! 忙しい忙しい忙しい忙しい忙しい……?

本当は、「忙しい」は言い訳だ。収容所で毎日18時間労務作業をしているとかでない限り、現代の日本で「忙しい」という理由のみで結婚やそれに続く恋愛の時間を取ることができない、というのは言い訳だ。

アメリカに行く飛行機の座席で離陸から着陸の瞬間までマンガを描き続けていたという、故・手塚治虫先生ですら既婚者でご子息がいる。だから結局、「忙しいんだ」というのは言い訳なのだ。

ここがポイント。その言い訳を除去してさしあげれば、こういったタイプはすぐに「転向」して結婚に向かう。つまり、やんわりと「結婚しないことを多忙のせいにする」という男性側の殻をつついてやればいいのである。

ただ、この「結婚しないことの言い訳としての多忙」の裏には、「自意識過剰」「高望み」「まだ遊んでいたい」「面倒くさい」など、男性側に特有の、女性に一方的な負担をもたらす厄介な理屈が潜んでいるので、そこには注意が必要だろう。

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