赤ちゃんの体調が悪いとき、どんな離乳食をどのように与えていいか悩むママやパパは多いのではないでしょうか。
症状によっては、普段どおりの離乳食をなかなか受けつけてくれないこともありますよね…。
そこで今回は、ママやパパが悩みがちな赤ちゃんが具合が悪いときに離乳食をどうすればいいか、症例別に管理栄養士の太田百合子先生に話を聞きました。
具合が悪いときの離乳食の基本の考え方
赤ちゃんの具合が悪いとき、どんな症状でも共通する離乳食の与え方があります。症例別の離乳食の与え方を知る前に、まずは具合が悪いときの離乳食の基本をチェックしていきましょう。
・水分補給が大切
具合が悪い赤ちゃんは、平常時よりも脱水になりやすい状況にあります。
そこで大切なのが、こまめな水分補給。授乳や麦茶などでの水分補給に加え、離乳食を食べられる状態であれば、離乳食も水分の多いものを与えるといいでしょう。
水分の多い離乳食は必然的にのどごしもよくなり、具合の悪い赤ちゃんも口にしやすくなります。
食欲がないときは、無理に離乳食を食べさせることはせず、水分がしっかりとれているかを確認しましょう。
・消化しやすいものを与える
具合の悪い赤ちゃんは、消化吸収の機能が弱っていることがあります。
離乳食を与える場合は、胃腸への負担が少ないおかゆやうどん、煮野菜などの消化しやすいメニューにするといいですね。
油分の多いものや、食物繊維の多いものは避けます。また、タンパク質は回復期になってから与えるようにしましょう。
ママやパパが悩みがちな5大症例別! 離乳食の与え方
具合が悪いときの離乳食の与え方の基本を確認できたところで、赤ちゃんが発症しやすい5つの症例別の離乳食の与え方を紹介します。
熱があるとき
<熱が上がっているとき>
・まずは水分補給を
熱が高いときは、汗もかきやすく普段よりも多くの水分が失われます。
脱水症状のリスクも高いため、しっかりと水分をとらせましょう。
一度にたくさんの水分をとるのではなく、少量ずつこまめに水分をとらせることが大切です。
・無理に食べさせなくてもOK
具合が悪いときに食欲が落ちるのは大人も赤ちゃんも同じ。食欲がなければ、無理に食べさせる必要はありません。
もし、食欲があって食べたがるときは、水分が多めのトロトロとしたおじややうどんなどを与えましょう。
<熱が下がってきたら>
・消化のよいやわらかいものを
発熱により弱った胃腸の負担にならないよう、いつもよりやわらかくした、消化のよいものを与えます。
油分の多いものや食物繊維を多く含むものはNG。
・ゆっくりといつもの離乳食へ移行
少しずつ普段の離乳食へと戻し、胃腸を慣らしていきましょう。
7カ月以降であれば、水分→穀類→野菜→タンパク質の順に戻していきます。
嘔吐(おうと)するとき
・吐いた直後はなにも与えない
頻繁に吐いてしまうときは、食べては吐くを繰り返し、体力を消耗してしまううえに、脱水症状を起こすこともあります。そのため、まずは無理に食べさせないようにしましょう。
・水分を少しずつ与える
吐きけがおさまったら、水分補給をさせましょう。麦茶や赤ちゃん用イオン飲料などを少しずつ飲ませます。もし、まだ授乳中であれば授乳回数を増やすなどの対応もOK。
水分をとっても吐かなくなったら、おかゆや煮野菜などの消化がよく、水分の多い離乳食から食べさせるようにしましょう。みかんなどの柑橘類やヨーグルトは、吐きけをさそうので避けるようにします。
下痢のとき
・まずは水分補給をする
下痢のときに何より大切なのが水分補給。こまめに水分をとらせ、脱水症状を引き起こすのを防ぎます。
冷たいものや牛乳、ジュースなどは避け、湯冷ましや麦茶、赤ちゃん用イオン飲料を少しずつ飲ませましょう。
・離乳食はやわらかくて消化のよいものに
下痢のときの離乳食は、やわらかめのおかゆやうどんなど、消化のよいものを与えます。
また、りんごやにんじんなどに含まれているペクチンには整腸作用があるので、すりおろしたりんごを与えるのもおすすめ。
食物繊維は刺激になってしまうので、食物繊維を多く含むものはNG。