食欲の秋。さんま、きのこ、柿など、おいしい食材がたくさん出回る時期ですよね。けれど、さんまやきのこ類は、離乳後期(9~11カ月ごろ)からしか食べられないって知っていましたか? 秋が旬の食材を赤ちゃんがいつから食べることができるのかということと、離乳食で食べさせるときに注意したいことについて管理栄養士の太田百合子先生に聞きました。
タンパク質たっぷりの秋が旬の魚のOK・NGは?
秋に旬を迎える魚はたくさんあります。魚は、タンパク質だけでなく、ビタミン、カルシウムが豊富に入っているので離乳食に上手にとり入れたい食材です。
脂質が多めの「鮭」は、たらなどの淡泊な魚に慣れた離乳中期から
鮭は白身魚ではありますが、白身魚の中でも脂質が多いため、たらなどほかの白身魚に慣れた後、離乳中期(7~8カ月ごろ)になってから食べさせます。塩鮭は塩分が多いので離乳期には食べさせません。必ず生鮭を選び、加熱して時期に合わせたサイズにほぐしたり切ったりしていろいろなメニューに取り入れましょう。
加熱するとかたくなりやすい「かつお」は、離乳中期からが目安
かつおは、脂質が多く、加熱するとかたくなりやすいので、離乳中期(7~8カ月ごろ)の後半になって、ほかの魚に慣れてから食べさせましょう。血合いは離乳食で積極的にとりたい鉄を多く含んでいますが、苦みを感じるので、食べ始めのころは少し取り除いたほうが食べやすいでしょう。離乳時期に合わせたサイズにしてから食べさせて。
「さんま」は消化不良を起こすことも。食べさせるのは後期の後半から
さんまは青魚の中でも脂質が多めなので消化がしにくく、離乳後期に入ってほかの青魚に慣れた後に食べさせましょう。脳を活性化するDHAや鉄を多く含むので、とくに1才ごろからは積極的に食べさせることをおすすめします。
ビタミン類が豊富に含まれているきのこのOK・NGは?
スーパーなどで通年買うこともできますが、旬の時期は積極的に味わいたいきのこ類。ビタミンのほか、腸内をきれいにしてくれる食物繊維もたっぷり。ただ、まだ消化の力が未発達な小さな子には、負担になりやすいので食べさせるときには気をつけましょう。きのこ類は大人の料理では水洗いをしないで使いますが、離乳食に使う場合には、直前に流水で洗うか、ぬらしたペーパータオルなどでふき、表面のほこりや汚れを落としておきましょう。
食物繊維が豊富な「生しいたけ」ですが、離乳後期に入って1カ月ぐらいたってから
生しいたけは、独特の風味があり、食物繊維が多く加熱しても歯ごたえが残るのが特徴です。歯ぐきでつぶせるようになる、離乳後期に入って1カ月くらいたってから食べさせ始めましょう。食物繊維が多く消化がしにくいので、10カ月未満には食べさせるのを控えます。加熱しても歯ごたえが残るので、歯ぐきでつぶせるようになる10カ月ごろを目安に、食べさせてみても。ベビーフードのしいたけは水煮を使用しているので早期から食べても大丈夫です。
かたさのある「しめじ」は、離乳後期になって1カ月くらいたってからみじん切りで
しいたけ同様、しめじも離乳後期に入って1カ月ぐらいたったころからOKです。食物繊維が多くて消化しにくいので、歯ぐきでつぶせるようになるごろが食べさせ始めの目安です。スーパーで通年置いてあるのは、栽培ものの「ぶなしめじ」です。できれば旬の時期は旬のものを食べさせましょう。
ビタミン・ミネラルの宝庫、野菜&くだもののOK・NGは?
ビタミン・ミネラルは、体の調子を整えるのに欠かすことができない栄養素。人の体の中ではほとんどつくることができないため、食べ物からバランスよくとりましょう。