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「子宮内膜症」の主な症状は「痛み」。その原因と治療法を知っておこう

ライフスタイル
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30代に特に多く、増加傾向にあると言われる「子宮内膜症」。不妊の原因となることも多く、不妊治療と内膜症の治療との兼ね合いで悩む人も少なくありません。どのような病気で、どんな治療をするのか、妊娠との関係など、東京大学医学部産婦人科学教室主任教授・藤井知行先生に聞きました。

【監修医師】藤井 知行先生(東京大学医学部産婦人科学教室 主任教授)

1957年東京都生まれ。東京大学医学部医学科卒業。東京大学医学部附属病院産科婦人科研修医、米国フレッドハッチンソン癌研究所ヒト免疫遺伝学部門への留学を経て、東大医学部に戻り現在に至る。厚生労働省が行う「母子感染の実態把握及び検査・治療に関する研究班」の代表として、全国の医師・一般の妊婦さんへの啓発活動に尽力。日本産婦人科学会理事長を経て、現監事。『週数別妊婦健診マニュアル』『流産の医学』など著書多数

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子宮内膜症は、子宮内膜の類似組織が子宮内膜ではない場所に発生する病気です

子宮内膜症とは、本来は子宮内にしか存在しない内膜や、内膜のような働きをする組織が、他の場所に発生し発育する病気です。
発症のメカニズムとしては、体外へ排出されるべき月経血が、何らかの原因で卵管から腹腔内へ逆流し、月経血に混ざっている子宮内膜細胞が、他の組織にくっついて育つという学説が有力です。

発症する場所は、卵巣、子宮と直腸の間のくぼみ、子宮と膀胱の間のくぼみ、子宮を後ろから支える靭帯(じんたい)などが多く、稀に肺や腸にできることもあります。
これらは本来の子宮内膜同様に、月経期になるとはがれて出血を繰り返します。しかし、体外に排出されずに体内にたまるため、卵巣や卵管などいろいろな臓器と癒着するなどして痛みやトラブルを引き起こします。

現代の女性は初潮を迎える年齢が早まり、女性ホルモンが分泌される期間が長くなっています。また、晩婚化が進んで出産年齢が高くなり、さらに生涯に出産するお子さんの数も減っているため、20〜40代の女性が経験する月経回数が昔より大幅に増えています。そのため、子宮内膜症が増えていると言われています。
月経がある10~40代の女性のうち、10~15%が子宮内膜症といわれています。20~30代で発症することが多く、ピークは30代です。

「チョコレート嚢胞(のうほう)」も子宮内膜症の1つです

子宮内膜症が卵巣にできて悪化すると、「チョコレート嚢胞」になります。月経のたびに起こる出血は卵巣に袋(嚢胞)を作り、中にたまった経血は時間が経つに従い酸化します。どろどろに溶けたチョコレートのようになることから、この名前がつけられました。
チョコレート嚢胞は普通の卵巣組織よりも、がんになりやすいといわれています。年齢が40歳以上の方や、若くてもチョコレート嚢胞が大きい場合は、特にリスクが高まります。

代表的な症状は「痛み」、合併症には「不妊症」があります

子宮内膜症の代表的な症状の1つが「痛み」です。
初期の頃は月経痛が中心で、進行すると他の組織との癒着によって性交痛が起こることがあります。月経時以外にも腰痛や下腹痛、排便痛などが起こる場合もあります。

また、子宮内膜症は不妊症になりやすいのも特徴で、子宮内膜症の方の約半数に不妊症が起こるといわれています。特にチョコレート嚢胞ができると卵巣にある卵子の質と量が低下するため、不妊症を発症する可能性が高くなります。

薬を飲まなくては耐えられないような強い月経痛がある場合には、たとえそれが1回でも婦人科を受診しましょう。月経の周期が40日前後と長くなったり、貧血などの症状がある場合も早めの受診が必要です。

検査は婦人科診察と超音波(エコー)が基本

検査では、触診などの婦人科診察と超音波(エコー)検査を行います。症状が進んでいる場合にはMRI検査をすることもあります。

超音波(エコー)検査は、人の耳には聞こえない周波数の音波である超音波を当て、その反射を受信して体内を画像化し診断します。音波なので被曝の心配がなく、痛みもありません。妊娠していても問題なく検査を受けることができます。

子宮内膜症は慢性疾患。閉経まで継続的な治療が必要です

治療法は大きく分けて、薬と手術に分かれます。症状の種類や重症度、年齢、妊娠の希望などを総合的に判断して最適な治療法を選択しますが、基本的には鎮痛剤の投与による薬物療法からスタートします。

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