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安野モヨコ「1週間で40頁描いてと言われ…」 名作『ハッピー・マニア』秘話

エンタメ

’90年代後半、恋愛マンガ『ハッピー・マニア』の大ヒットを飛ばし、人気マンガ家になった安野モヨコさん。美しい絵、疾走感のあるストーリー、個性的なキャラクター、そして心に響くセリフといった安野さんのマンガの魅力には、あらゆる世代の女性たちが虜になりました。昨年デビュー30周年を迎え、現在回顧展を開催。そして、出世作の続編「後ハッピーマニア」を連載中です。

――『ハッピー・マニア』という作品の持つ“どうしてそうなる?!”という展開は、それまでの恋愛マンガにはなかった種類の興奮を感じさせてくれ、そこに読者は夢中になりました。

主人公がいて、イケメンがいて、でもうまくいかないところに当て馬的な別のイケメンが出てきて…っていうのは、もういいよ、もういらないよって、私自身が思ってたんですよ(笑)。自分も含めてですが、20~30代になると女性は、そういうお話に“きゃー”ってなれるほど、もうピュアではない、ということなのかもしれませんね。

――年を重ねて、物語を作るということへの考えは、さらに変わられたりしましたか?

若い頃は、たぶんみんなそうだと思いますが、自分のことに精一杯すぎて、逆からの視点で見てみるとか、相手の立場で考えるとか、そんなこと思いも寄らなかった。今この年になって思うのは、確かに年齢を重ねたことで、別の視点で見る余裕は持てました。でも今度は、40歳を越えると、一口に40代の女性といっても、独身、既婚、子供がいる、離婚している、など、立場のバリエーションが豊富すぎるという別の事情が出てくる。ですから今は、描きながら、都度都度よく考えなければ、と思います。もはや“全員共感できるよね”というような物語はないのかもしれません。ただ、そのすべてに配慮していたら、ストーリーは作れない…。なかなか難しいところです。

あんの・もよこ 1971年生まれ、東京都出身。小学生からマンガを描き始め、高校1年生で初投稿、高3でデビュー。’95年より『ハッピー・マニア』(祥伝社)執筆開始、大ヒット。代表作に『働きマン』、第29回講談社漫画賞児童部門受賞作『シュガシュガルーン』(共に講談社)、『オチビサン』(朝日新聞出版)等。写真は、アトリエでのペン入れの様子。

雑誌『FEEL YOUNG』で連載中の『後ハッピーマニア』(共に祥伝社)のコミックス第1巻が、好評発売中。また9/22まで東京・世田谷文学館にて、約30年間にわたる創作を振り返る回顧展「安野モヨコ展 ANNORMAL」を開催中。原画などを多数眺められる貴重なチャンス。その後、2021年にかけて仙台などを巡回予定。

※『anan』2020年9月23日号より。写真・内山めぐみ インタビュー、文・河野友紀

(by anan編集部)

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