気が付けばもう12月。大きなツリーを飾るほどの余裕はないけれど、少しはクリスマスらしいインテリアを楽しみたいなという方は、河村真里さんが作るガラスのクリスマスツリーを迎えてみませんか?光を受けてキラキラと輝くツリーは、年の瀬の忙しない日々をやさしく彩り、穏やかな気持ちにさせてくれるはず。
甲山ガラス工房で制作をする河村真里さん
自然に囲まれた兵庫県西宮市にある吹きガラスの工房、「甲山ガラス工房(Kabutoyama Glass Studio)」。河村真里さんは、お父様が営まれているその工房のスタッフとして働き、制作をしている方です。
ご家族がガラス工房を開いているからには、小さな頃からガラス制作に関心をもちその道に進まれたのかと思ったのですが、聞くと大学卒業後は企業に就職してOLをしていたそう。ただときどき工房に寄り、吹きガラスに挑戦して遊んでいたんだとか。ところがなかなかうまくできず、その悔しさからガラスに触れる時間がどんどん長くなっていったそうです。
そんな折、当時大阪市にあった工房を今の兵庫県内に移すことに。またお父様がアシスタントを必要としており、河村さん自らが務めることを決意。会社を辞め、以前から勉強していたイタリア語を学びにナポリへの留学を果たしてから、スタッフとなりました。
今では、「手にしていただいた方の生活にほんの少しシアワセがプラスされれば」との想いで、グラスや器を制作されています。
インテリアに季節感を添える小さなガラスのツリー
なかでも今回ご紹介したいのは、ガラスのクリスマスツリーです。「長く楽しめる質の良いものをほんの少しがんばって手にしていただき、毎年クリスマスシーズンに出して笑顔になってもらえたら」(河村さん)と、10年ほど前から作り続けられています。
手のひらに乗るほどの小さなサイズで、一人暮らしで大きなツリーを飾るスペースがないという方も気軽に取り入れられるアイテムです。ひとつ置くだけでも、インテリアにクリスマスの季節感あるポイントが加わり、いつもの部屋も違って見えてきそう。
カラフルな色に覆われたツリーですが、よく見ると内側にオーロラのような光の帯があります。
帯の正体は、銀箔。それを1000度を超える窯の炎に当て、ねじりながら焼いてまるでレースのカーテンのような形にします。その上からまずクリアのガラスを、最後に色ガラスを巻き付け、ツリーの形に整えて完成です。一つひとつ手作業で行われるので、帯の形も色の付き方もそれぞれに違い、少しずつ表情の異なるものになっています。
色とりどりのオーナメントで飾られたようなツリー
こちらは、「ガラスのクリスマスツリーgreen」。グリーンをメインに、ブルー・イエロー・ルビーなどの色が散りばめられていて、まさにさまざまなオーナメントで飾り付けをしたクリスマスツリーのよう。内側の銀箔の帯が見る角度や日の光によって細かな輝きを放ち、かわいらしいだけではなく奥行きも感じさせてくれます。
ガラスのクリスマスツリーgreen
3,960円(税込)
冬の街を思わせる、雪が降り積もったようなツリー
続いては、赤・緑・白色といったクリスマスカラーをまとわせた「ガラスのクリスマスツリー」。白い部分はまるで雪が積もっているかのよう。銀箔の帯のきらめきは、その雪が日の光や電灯のあかりを反射する様子とも重なり、寒くてもどこか温かみを帯びたクリスマスの街の光景を思わせます。
ガラスのクリスマスツリー
3,960円(税込)
内側に銀箔が漂う、趣のあるツリー
よりシンプルで洗練されたものがお好みの方におすすめなのが、「ガラスのクリスマスツリーsilver」。周りに色が付けられていないので、ガラスに閉じ込められた銀箔のゆらぎが主役です。レースのカーテンやフリルのように淡く光を透かす部分と、小さな泡が連なる部分など、透明でも表情が豊かで思わず見入ってしまいます。
ガラスのクリスマスツリーsilver
5,280円(税込)
日々使いたくなる花瓶やグラスも
河村さんのクリスマスツリーは、iichiのサイトから購入することができます。現在Soldoutになっているアイテムも今後また制作予定があるとのことです。
ほかにも、きんちゃくのようにふわりと口が開いた花瓶や、おぼろげな水玉模様のグラスなど、やさしい雰囲気で深みの感じられるものを制作されています。季節を問わず使えるそうしたアイテムも、気になる方はチェックしてみてください。
また、甲山ガラス工房では教室も開かれています。月2回もしくは4回定期的通う教室のほか、花瓶やグラスを作れる1日体験もあるので、興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか?
photo / 河村真里・甲山ガラス工房