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仕事や人間関係で感じる気疲れ、生きづらさの正体|「繊細さ」をかくして生きる「かくれ繊細さん」とは

仕事をする中で、友人との会話の中で、何気ない日常の中で違和感や生きづらさを感じることはありませんか?もしかしたらそれは、あなたの特性によるものかもしれません。人口の約6%と言われるHSS型HSPについて、専門カウンセラーの時田ひさ子さんに教えていただく連載がスタートします!

こんにちは。時田ひさ子(ときた・ひさこ)と申します。HSP/HSS LABO代表カウンセラーです。

私は、人口の6%いると言われている「ある分野」の方たちのためのカウンセリングを専門にしています。「ある分野」とは、どんな方たちかというと、

□人に会って1時間くらいはテンションが高い

□テンションが落ちたときは別人のようになる

□場が和気あいあいとしていることが大事なので、時折笑いをとりにいく

□やる事が次から次に思い浮かぶ

□何気ない言葉に傷つき、人知れず落ち込むが、落ち込んだ姿は見せない

□人が多い場所にいると、早く帰って、ひとりになりたくなる

□今やっていることを切り上げるのが苦手なので、自然と時間は押せ押せになる

□動画はゆっくり座って集中して見られない。ほかのことを同時進行でやり始める。

もっと具体的な場面で見てみますと、こんなことです。

・親睦会、女子会、BBQなど会の主催や幹事を、その場のノリで引き受けて企画することがある。でも、現実にその日が近づいてくると様々な不安が頭をよぎる。「自分の働きに満足していない人がいるのではないか」「やるべきことが足りていないのではないか」「自分以外にもっとやれる人がいたのに、自分がでしゃばったばかりに会が尻すぼみになってしまう」と自信がどんどんなくなっていき、「あああ、引き受けなければ良かった」「天気が悪くなって、なくなってしまえいばいいのに!」と当日までクヨクヨうじうじしている。当日、みんなが満足してくれていても、あなただけは「会費を集めるときにもたついてしまった」とか「取り皿が足りなくて、待たせてしまったときにムッとしている人がいた」など、人の表情に振り回されて、楽しむどころか責任感でへとへと。

・アイディアマンで、仕事好き。のめり込んだらやめられない。なのに、ゴールが見えると途端に興味を失ってしまう。完璧主義なはずなのに、極められない。

・年に何回か、寝込む。倒れる。一切の意欲を失う。「ひとりにして!」とふて寝。そんな姿は誰にも見せられない。寝ている間に何が起こってももう知らない。きっと誰も、あなたがそんなふうに、一切から手を引いて「ドカンと落ち込んで寝ている」なんてことを、想像することさえできないことでしょう。いつも人前では元気で明るくて、大らかで、なにも気にしないような姿しか見せていないから。

・人づきあいの面で言えば、結論のない話につきあうのが苦手で、早く帰りたいと思っている。でもその場を楽しんでいないと見破られるのは悪いので、頑張って合わせたフリをする。ひとりになると「はぁぁ」と大きなため息をつきたくなる。

このような特性が思い当たるとしたら、あなたは「かくれ繊細さん」かもしれません。

まず、初回の今日は、「かくれ繊細さん」とはどういう人たちなのかということと、どのような悩みを持ちやすいのか?について少しお話させていただきたいと思います。

「かくれ繊細さん」とは

生まれながらの感度の高いアンテナを持っていて、人が気づかないこと(場の変化や雰囲気や人の気持ち)によく気づき、たくさんのことを感じ取ります。とても豊かな感性を持ち、人の気持ちを思いやる優しさがあり、予測から行動までの思慮が深く慎重であるという生まれながらの特性を持っています。

その一方で、ささいな刺激を受けがちで、気持ちが圧倒されやすく、オロオロしたり、固まったり、頭が真っ白になったり、異常に緊張したりで、疲れやすいと感じています。傷つきやすく、不安になりがちで、ストレスを強く感じます。

ところが、まったく逆のように感じるかもしれませんが、人と会うのが好き、人と話すのも得意だし楽しいと思われる人たちでもあります。やってみたいことがあちこちにある。人が興味を持たないことにも「へぇぇ」と面白みを感じます。興味、関心は多方面に広がっていて、テンション高いときは「あれも、これも」と、自分の中のワクワクが止まりません。

繊細で敏感で感受性の強さを持ちつつも、それと一見相いれない「好奇心旺盛さ」「刺激を欲しがる」という衝動性特性を、一個体の中に同時に持ち合わせています。ひとりの人の中に「静」と「動」が共存しています。「ブレーキ」と「アクセル」を両方グイイインと強く踏み続ている、と言い表すとピンとくる方もいらっしゃるかもしれません。

アクティブで話し好き、とりまとめなどもしてしまえるし、快活で元気に見えるのに、実は人の何気ない言葉に傷ついて地味に引きずっているような人です。

そんな方たちのことを、「繊細なのに繊細に見えない人」で、「かくれ繊細さん」と呼んでいます。

もしかしたらヨガに関わる方たちの中には、こうしたご自身の気質を持て余し、解決策を求めてヨガにたどり着いた、という方もいらっしゃるのかもしれません。ヨガとかくれ繊細さんは、親和性が高いと思いますし、ややこしい内面をときほぐすために体からアプローチする方法はとても賢くて気分のよい方法だと思います。

かくれ繊細さんはどのくらいいるの?(人口比率)

繊細な人(HSP)は人口の20%、かくれ繊細さん(HSS型HSP)は6%と言われています。HSPの臨床医である北海道の長沼医師は、「日本は文化的に繊細で敏感な人が多い」「ここ数年でHSPという概念や認識が広まってきた背景には、これに該当する人たちがたくさん潜在していた」のではないかというご見識をお持ちなので、もしかしたらもう少し高い割合で日本にはHSPが存在しているかもしれません。(「敏感すぎる人のいつものしんどい疲れがすーっとラクになる本」より)

とはいえ、HSPがマイノリティであることは確かで、大多数の人たち(非HSP=80%)に足並みをそろえるために、自分を抑圧することが習慣のようになっているのが普通です。そのため、HSPやHSS型HSPの方たちは、どこをどう修正したら生きやすくなるのかがわからなくなってしまっていることが多いようです。

今日からしばらく、この連載では、そういったメンタルの構造の違いによって苦しんできた「かくれ繊細さん」のために、具体的な悩みを紐解き、生きやすさ獲得へのヒントをお伝えしていこうと思います。

「かくれ繊細さん」は、相いれ難いふたつの特性の「矛盾」を持ち合わせている上に、元来の他人を否定せずに場を丸く収めること(全体最適)と、問題を自分に抱え込みがちな傾向から、自分の中だけに強く深く悩みを抱えがちな方たちです。

たとえば、以下のような悩みをお持ちになりやすいのです。

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