4人のこの状態は、坂元裕二の脚本がもたらす「余白がある」ということに繋がる。
各々が誰かを愛しいと思いながら、誰の恋も最終的には成就しない。けれど、彼らにはこれからも一緒にいることができる未来がある。主題歌である『おとなの掟』の歌詞にもあるように、「自由を手にした僕らはグレー」なのだ。
恋愛というと、付き合う、結婚するなど、気持ちに白黒つけて明確にすることが到達地点とされがちである。
しかし、好きという気持ちを抱えていることがもう恋愛であり、それを表明するかどうかというのは、グレーでもいいのかもしれない。このドラマを見て、そう思った。
(文:ねむみえり、イラスト:タテノカズヒロ、編集:高橋千里)