40代といえば、働きざかりで収入が安定している人が多い一方、教育費用などの出費も多いタイミングではないでしょうか。「あと何年働けるのか」考えながら、住宅ローンの返済計画を立てる必要がある年代でもあります。40代で住宅を購入する人は、どれだけの頭金を準備し、いくらくらいの住宅を購入しているのでしょうか。
40代は「頭金なし」派としっかり準備をする派に2分
ARUHI「住宅購入に関する調査2021」調査結果より
40代の住宅購入者と、住宅購入を予定している人に、「頭金」をどのくらい用意したか(用意しているか)調査をしたところ、「頭金なし」の人が最も多く、20.3%という結果に。「50万円未満」が4.3%、「50万円以上100万円未満」が7.5%と少数なのに対し、「100万円以上300万円未満」「300万円以上600万円未満」がともに15.5%、「600万円以上1,000万円未満」が13.4%、「1,000万円以上2,000万円未満」が11.2%、「2,000万円以上」が12.3%と多額の頭金を準備している人の割合も高いことが分かりました。
親から資金援助を受けた人の金額は「300万円以上600万円未満」が最多
ARUHI「住宅購入に関する調査2021」調査結果より
用意した頭金のうち、親から資金援助を受けた金額を問うと「資金援助なし」が62.4%を占めました。一方、資金援助を受けた人の中では「300万円以上600万円未満」が最も多く8.7%、次いで「100万円以上300万円未満」が8.1%という結果に。「600万円以上1,000万円未満」が6.0%、「1,000万円以上2,000万円未満」も4.0%と、まとまった金額を受け取っている人も一定数見受けられました。
40代で住宅を購入した人の、住宅購入金額や借入金額は?
40代の住宅購入者の平均額と中央値
ARUHI「住宅購入に関する調査2021」調査結果より
40代で住宅を購入した人は、どのような条件で家を購入しているのでしょうか。
40代の人が購入した住宅にかかった金額は平均3,548.21万円(中央値3,200万円)。そのうち借入金額は、平均2,146.24万円(中央値2,000万円)、毎月の住宅ローン返済額は平均7万5,800円(中央値7万7,000円)で、住宅ローンの借り入れ期間は平均28.43年(中央値30年)、完済予定期間は平均23.18年(中央値25年)でした。
20代の47.8%、30代の49.3%が35年以上の住宅ローンを借り入れしているのに対し、40代で35年以上の借り入れをしている人は17.7%に留まっていることからも分かる通り、20代・30代と比べて収入が増えていても、働けるうちに住宅ローンを完済するには返済期間を短縮する必要があります。住宅購入金額や借入金額は30代と比べてやや少ない金額に抑え、早期の完済を目指す姿が垣間見えました。
40代で住宅を購入した人はどんな人?
40代の平均的な金額で住宅を購入した人は、どのような内訳で住宅を購入し、住宅ローンを借り入れているのでしょうか。
・熊本県/45歳/女性/世帯年収700~800万円
築40年を超える賃貸住宅で不便を感じながらも暮らしてきましたが、子どもが成長して手狭になったことから、生活の質を上げるため注文住宅を建てました。土地代が1,200万円、建物3,000万円、外構代が300万円、オプション代として100万円ほどかかっています。住宅ローンは、メインバンクである地元の銀行で変動金利タイプを選択しました。毎月返済額は7万5,000円程度で、35年ローンを組みましたが、住宅ローン減税の恩恵をフルで受けた13年後に、預貯金で完済する予定です。
・東京都/40歳/男性/世帯年収700~800万円
結婚をして、もっと広い家で暮らしたかったこと、賃貸マンションの家賃を毎月支払うことを負担に感じたことから建売住宅を購入。土地代が2,800万円、建物代が1,200万円の合計4,000万円の物件ですが、まとまった頭金を準備できたため、住宅ローンの借入金額は2,140万円でした。普段からメインで利用しているメガバンクの当初固定金利タイプを選択。25年ローンで、毎月7万7,000円の返済額を着々と返済中です。
・福岡県/45歳/女性/世帯年収700~800万円
小学校入学前の子どもがいるため、希望する校区内に住み続けることを前提に住宅購入を検討していました。築浅で手の届きそうな中古住宅を見つけ、購入を決意。3,400万円の物件で、うち2,000万円を住宅ローンで借り入れしています。メインバンクである地元の銀行の変動金利タイプを選択し、毎月の返済額は5万4,000円です。35年ローンですが、住宅ローン控除期間が終わったら繰り上げ返済をする予定で、現金を手元に残しています。15年程度で完済予定です。
まとめ
40代からの住宅購入となると、収入面ではある程度余裕が出てくるものの、35年の住宅ローンを組んでしまうと、働いている間に返済を続けることが難しい人がほとんどです。また、子どもがいる家庭であれば、まだまだ教育費がかかる年代でもあります。事前にシミュレーションを行い、無理なく返済できる計画を立ててくださいね。
【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:住宅購入経験者(直近1年以内)・検討者(直近3年以内)の25~69歳の男女
調査期間:2021年3月17日~19日
有効回答数:800サンプル