「デトックス」という言葉、よく聞くけど何?という人も多いはず。具体的には、食べものに含まれる水銀や亜鉛、ヒ素、アルミニウムなど、カラダにとって有害なミネラルを一般的に「毒素」といい、これらを排出すると
saitaPULS編集部
体内の「毒素」のたまり具合を セルフチェック
【次の項目であてはまるものをチェック!】
□ 筋肉のハリや痛みがある □ イライラしやすい
□ 肩こりや腰痛に悩んでいる □ ストレスを感じることが多い
□ 冷え性である □ 寝つきや寝起きが悪い
□ むくみやすい □ 食事の時間が不規則
□ 疲れやすい □ お酒をほぼ毎日飲んでいる
□ めまいや立ちくらみがある □ 水分をあまりとらない
□ 便秘または下痢をしやすい □ あまり運動をしていない
□ 肌が荒れ気味 □ 外食が多い
□ 最近、体重の増減があった □ 早食い
□ 集中力が続かない □ 喫煙習慣がある
★チェックが3個までの人は毒のたまり具合は30%未満で、まだ安全圏といえますが、4~7個の人は30~60%、8個以上の人は61%以上と、かなり危険な状態といえます。
「汗をかく=デトックス」ではない!
「デトックスの『de-toxin』とは、『毒素を排出する』という意味で、汗をかくことだけをさすわけではありません。体内の毒素を排出する器官には、肝臓、腎臓、脾臓、腸管、皮膚があり、それらの機能を活性化することを総じて、デトックスといいます」と語るのは、医学博士の西田陽司先生。
また、便秘に悩む女性も多いですが、腸とデトックスの関係も大きいと語るのは
内科医の大森隆史先生。「腸はデトックスの影響を受けやすいので、便秘の方はまずは便秘解消を心がけましょう。正しくデトックスが行われると毒素が排出され、腸内環境が変化します。そのため、一時的に便秘になることも。普段から便秘の人は、便秘が続くことも考えられますが、その際は整腸剤を使って調節するなどの方法をとります。便秘が続く場合は、医師に相談してください」
デトックスをはじめたら、すぐに老廃物は排出されるの?
「毒素のたまり具合によって排出されるまでの時間は違います。体質はもちろん、その人が普段どのような生活を送っているかによって、毒素のたまり具合も、出ていく時間も変わってくるので、一概にはいえません。それよりも、まずは身の回りにある毒素となるものを知り、それを避けるような生活を心がけ、気になるようなら医師に相談を」と内科医の賀来怜華先生。
【ためない生活】実践!最新デトックス方法「食べもの編」
毒素は主に食物を通じて体内に取り込まれます。まずは口に入れるものから見直しを!
【「玉ねぎ」は安価に手に入るデトックス食材の王様】
「玉ねぎは血管をきれいになることこそが、最大の効果なのです。まさにデトックス!(大森先生)
【抗酸化作用の高い「パクチー」を食べる】
「毒素が含まれる食べものを食べることで、体内で促進されるカラダの酸化。それに対する働き(=抗酸化作用)が高い食べもののひとつがパクチー(=コリアンダー、香菜)」(大森先生)
【中毒性のある「甘いもの」は控えめに!】
「精製された砂糖(=白砂糖)は、精製されることで本来カラダに必要なミネラルなどが失われています。腸への負担になるばかりでなく、中毒性があることも判明。はちみつやてんさい糖を使うようにして」(賀来先生)
【ハワイ式デトックス「塩レモン水」を飲む】
「ハワイでは昔から腸内をデトックスする方法として知られている、塩レモン水を一気に飲むという方法。1日1回を目安に、飲むときは時間の間隔をあけずに飲むのがコツ。便秘解消にも効果あり」(西田先生)
<塩レモン水レシピ>
1.水1ℓに塩小さじ1程度を混ぜて溶かす。
2.レモンのしぼり汁50~60㎖を加えてさらに混ぜる。
【お茶を飲むなら「どくだみ茶」か「玉ねぎ皮茶」!】
「デトックス効果の高いどくだみ茶や玉ねぎ皮茶は、1日1回でもいいので毎日飲むことで効果が期待できます」(大森先生)
【ペクチンが豊富な「りんご」で毒出し】
「りんごなどの果物に含まれているペクチンには、腸にたまった毒素を体外に排出する働きがあります」(大森先生)
【「週末プチ断食」で、腸をきれいにデトックス】
「腸をいったん空っぽにするのが断食ですが、プチ断食もおすすめ。腸内の感覚がとぎ澄まされて、カラダによいものを吸収しやすくなります」(西田先生)
<週末プチ断食のスケジュール例>
金曜:朝食・昼食は通常どおり、夕食は軽めにする。
土曜:固形物はとらない。お茶や常温以上の水などをこまめに飲む。
日曜:おかゆなど軽めなものを少しずつとって夕食は軽めに。
【ためない生活】実践!最新デトックス方法「運動&生活習慣編」
腸を活性化させデトックス効果を高める「ヨガの浄化法“ナウリ”」。あぐらをかいて、手をひざの上に軽く置き、やや背中を丸める。呼吸に合わせて、おへそまわりの腹筋をふくらませたりへこませたりする。
スムーズに動かせるようになったら、よりなめらかにおなかを前後左右に回転させるように動かす。
【おなかの筋肉を動かす「ヨガの浄化法“ナウリ”」で腸を活性化】
「腸にくっついている腹直筋などの腹筋を動かすことで腸の働きを活性化させ、それがデトックスにもなるというヨガのポーズです。初心者には難しい浄化法なので、まずはおなかを動かせるようになることを目指してみてください」(西田先生)。やり方は上のイラストを参照。
【「クンバク(止息)」を入れた呼吸法で不要なものを体外に】
「腹式呼吸でゆっくり鼻から息を吸ったら、息を止めて意識をへそから親指3本分下にある丹田に。それからゆっくり吐きます。体内のいらないものを外に出し、きれいなものや澄んだものを取り込むイメージをしながら行うとデトックスに効果的」(西田先生)
【泣いて笑って「ココロのデトックス」!】
「デトックスというとカラダから毒素を排出することばかりに目がいきがちですが、ココロとカラダはつながっているので、ココロのデトックスをすることも重要。思いきり泣いたり笑ったりすることで、ココロのデトックスも忘れずに」(西田先生)
【手軽にできて毎日続けられることがデトックス効果をUP】
「効果があるといっても、お金や時間、心理的負担がかかるものは考えもの。体内の毒素は毎日たまっていくので、デトックスも毎日続けて行うことが重要です。自分にとって負担なく続けられるものを日々の生活に取り入れましょう」(大森先生)
いますぐできるデトックス方法、ぜひ試してみて! 取材・文/長谷川 華
【教えてくれたのは】
西田陽司先生 医学博士。広島大学病院内科、ナチュラルクリニック銀座院長などを経て、東京ユニバースクリニック院長。共著に『自律神経を整えて超健康になるCDブック』(マキノ出版)。
大森隆史先生 内科医。マイセルクリニック東京院長。16年前に、日本ではじめてデトックスという言葉を使い、大ブームに。著書に『「重金属」体内汚染の真実 ―ほんとうのデトックスのすすめ』(東洋経済新報社)。
賀来怜華先生 内科医。ウェルネスクリニック神楽坂院長。著書に『太りたくなければ、体の「毒」を抜きなさい!』(三笠書房)。