気温がぐっと上がり、アウトドアシーズンの訪れとともに心配になるのが「虫さされ」。子どもや赤ちゃんの弱い肌を守るため、キャンプなど山へのお出かけにはもちろん、毎日のお散歩や公園遊びにも「虫除け」の対策が必須です。そこで今回は、新生児でも使えるものやUV機能を備えたものなど、おすすめの虫除けアイテムをご紹介します。
「子どもの虫除け」基礎知識
撮影/木村敦(ajoite)
「虫除け」のメカニズムとは
蚊などの吸血害虫は、人間や動物が発する二酸化炭素や体温、そして汗や皮膚のニオイなどを認識して近づいてくると言われています。そうした蚊の感知能力を錯乱させたり、虫が嫌う香りで駆逐するのが、一般的な虫除けアイテムの仕組みです。そのため、直接虫に吹きかけても殺虫効果はほとんど無いようです。
子どもは刺されやすいって本当?理由は?
子どもや赤ちゃんは新陳代謝が活発で、汗をかきやすく体温も上がりやすいため、蚊を誘引しやすい傾向にあります。また、妊娠中も体温が上がるため、蚊に刺されやすくなるのだとか。マタニティママは要注意です。
気になる「虫除け成分」、それぞれの特徴は?
「虫除けスプレー」に使われている主な成分は「ディート」と「イカリジン」で、それぞれ蚊の感知能力を錯乱させる効果がある有効成分です。また、虫が嫌う香りで追い払うアイテムには、天然成分「ハーブ」が使われているものがほとんど。まずはそれぞれの特徴やメリットをチェックしましょう。
ディート
虫除け効果が高く、効果の持続時間も長いことが特徴です。また、蚊だけでなくマダニやイエダニ、トコジラミ、アブやブユ、ヤマビル、ノミ、サシバエと幅広い種類の害虫に対して使用できる点も大きなポイント。キャンプなど山に出かけるときにおすすめの成分です。虫除け成分としてとても頼れる成分ですが、濃度によって使用できる年齢と回数に制限が設けられているため、使う際には注意しましょう。
小児(12歳未満)に使用させる場合には、保護者等の指導監督の下で、以下の回数を目安に使用すること。なお、顔には使用しないこと。
イカリジン
ディート同様に虫除けの効果が高く、それでいて使用できる年齢と回数に制限がありません。汗をかいたり水遊びをしたりして流れてしまった後にも塗り直せるので、毎日のお散歩や公園におすすめです。対策できる虫はディートよりやや少ないものの、蚊、ブヨ、アブ、マダニ、イエダニ、トコジラミ、ヤマビルに効果があるとされています。
ハーブ
ペパーミントやレモングラス、ユーカリ、シトロネラといった虫が嫌う香りで肌をガードします。天然由来の成分である点や、夏にぴったりなスーッと爽やかな香りが大きな特徴です。保湿効果やUVカット兼用など、多機能タイプが豊富。
子どもに使う「虫除け」の選び方
撮影/金谷章平〈人物〉
「虫除けスプレー」と「アウトドアスプレー」の違いは?
一般的に、有効成分のディートまたはイカリジンが配合されている製品は「虫除けスプレー」、ハーブ配合のタイプは「アウトドアスプレー」と表記されます。虫除けスプレーのほうが虫除け効果は高いとされていますが、天然成分配合のアウトドアスプレーは香りの良さやスキンケア効果など、その付加機能で選ぶママもいるようです。
シーンに合わせて、成分を選ぼう
キャンプや緑豊かな公園などに出かける場合には、多種の虫に対し長時間効果を発揮するディート配合の虫除けがおすすめ。たくさん汗をかくスポーツや水遊びなどには、何度も塗り直せるイカリジン配合の虫除けを。虫が嫌う香りでテントや室内への侵入を防ぎたい場合や、保湿やUVカット機能などプラスαの効果が欲しい場合は、アウトドアスプレーで探してみましょう。
ディートやイカリジンの「配合濃度」とは?
ディートとイカリジンが配合されている製品には濃度が記されていますが、これは効果の強さではなく持続時間に関係します。ディートは濃度30%で約6時間、15%で5時間、10%で3時間、イカリジンは濃度5%で約6時間、濃度15%で約8時間、効果が持続するとされています。
スプレー、ジェル、スティック……使いやすいのは?
手や足、背中など、広範囲に塗り広げやすいのはやはりスプレー。ただし塗りムラが出来やすいので、15cmほど離れたところからスプレーしたあとに手で塗り広げて。ジェルは日焼けした肌の保湿を兼ねられる点、スティックタイプは手を汚さずムラなく塗り広げられる点がメリットです。