日本人のカップルの半数以上がセックスレスと言われますが、レスの解消法については、夫婦ごとに効果のある取り組みやきっかけなどが異なります。今回は、旦那側にレスの原因があったカップルの事例から、何がセックスレス解消につながったかをご紹介します。
レス夫婦がセックスレスを解消した方法は?
日本人のカップルの半数以上がセックスレスと言われる現代。「セックスレスの解消方法」に悩む方は少なくありません。残念ながらセックスレスの解消については、万人に効く処方箋はなく、そのカップルごとに効果のある取り組みやきっかけ、タイミングなどが異なります。
そこで、夫側にレスの原因があったカップルの事例をひも解きながら、どんなきっかけがセックスレス解消になったかをご紹介しましょう。
セックスレス解消例1:妻が「女性」に戻った
改めて妻に惚れ直す
健さん(仮名)は社内結婚。数十人いた同期入社の中でも抜群に美人だった絢美さん(仮名)を、並み居るライバルを押しのけて見事ゲット。周囲もうらやむ美人妻と幸せな新婚生活を送っていましたが、2人の子供を産んだのちに絢美さんは激変。産前と比べて体重が30キロ近く増えてしまったのです。
以前のはかなげな様子は跡形もなく消え、貫禄たっぷりの「肝っ玉母さん」に変身。細マッチョの健さんいわく、「自分の体重より重い妻の、ぷよぷよとしてたるんだお腹を見ると、とてもじゃないけど抱きたいという気持ちが起こりませんでした」。
絵にかいたような産後レスの状態が5年近く続いた健さん・絢美さん夫妻。レス解消のきっかけは絢美さんの健康診断の結果でした。
「このままでは長生きできないぞ」という医師からのすすめもあり、絢美さんはダイエットを敢行。1年をかけて見事マイナス28キロを成し遂げ、かつてのスリムなボディを取り戻しました。
もともと相当な美人だった絢美さんですから、体型が戻れば周りが振り向く美しさ。健さんも「きれいな妻が周囲の男性に注目されると、嫉妬心から『俺だけの妻だぞー!』って、妻を抱きたい気持ちが戻ってきました」とのこと。こうしてセックスレス解消に成功したそうです。
セックスレス解消例2:会えない時間が愛と性欲を育てる
会えない危機感に萌える気持ち
「自分がしっかり稼ぐので妻は専業主婦で居てほしい」というのが悟史さん(仮名)の願い。「イマドキは少し古い考え方かもしれませんが、やはり、女性は男性が守ってあげないと」という悟史さんの意向に従って、妻の理沙さん(仮名)はずっと専業主婦で過ごしてきました。
悟史さんによれば、「もともと、自分は性には淡泊な方だと思うし、仕事も忙しかったので、とにかく睡眠時間がほしかった。別に妻を避けていたわけではないけれど、気づいたらセックスレスになっていました」ということで「なんとなくセックスレス」だった悟史さん・理沙さん夫妻。
そんな2人に変化が現れたのは、悟史さんの父親が脳梗塞で倒れて、実家で経営していた洋菓子屋を廃業しようか、という話になったときでした。今まで何でも悟史さんの意見に従っていた理沙さんが、初めて「洋菓子店を自分が引き継いで経営したい」と自分の意思を主張したのです。
悟史さんも悩んだそうですが、子供もある程度手がかからない年齢になっていることや、実家の店がなくなってしまうことに未練があったのでしぶしぶ賛成。理沙さんは週のうち半分を実家に泊まって店の経営、週の半分は家で主婦業、という生活をスタートさせました。
「正直、こんなに妻ががんばってくれるとは思いませんでした」と語ったのは悟史さん。理沙さんは忙しいながらも楽しく働き、店の経営の話や新しい商品の話など、悟史さんとの夫婦の会話も増えたそうです。
「夜の夫婦の営みについても、今までは毎晩一緒で『したいときに、いつでもできる』と思ってたのですが、妻と一緒に寝る機会が半分になったので、なんだか『今晩しないと、今週はもうできない』って思い始めると、急にセックスしたくなって……」ということで、「なんとなくセックスレス」は「妻が隣にいる時間が減った」ことで、逆に解消できたたそうです。
セックスレス解消例3:思い出の場所でわだかまり解消
思い出の場所なら素直になれるかも
司さん(仮名)はセックスレスのきっかけになった日を明確に覚えているそうです。「結婚10周年記念に、2人で結婚式を挙げたホテルに泊まったのに、佳奈(仮名)にしれっとセックスを拒否されて、かなり傷つきました」。
記念日なのに、記念の場所なのに「めんどくさい」の一言でセックスを拒否するような妻に対して、悔しくて、プライドが傷ついて、「もう二度と妻を誘うもんか!」と司さんは思ったそうです。
それから2年、司さん夫婦のセックスレスが解消したきっかけになったのは、また同じ「挙式をしたホテル」。妻の佳奈さんから、話があるから食事に行こうと誘われた先が、思い出の「挙式をしたホテル」でした。
そこで佳奈さんから司さんに、2年前の晩のことについて、ストレートに謝罪の言葉があったそうです。「あの晩、嬉しくて飲みすぎて、正直、吐きそうで気持ち悪かったの。でもそれを正直に言うのが恥ずかしくて、つい『めんどくさい』と言ってしまった。あなたを傷つけて本当にごめんなさい。また私を抱いてくれる?」と涙ぐみながら話す佳奈さんに、2年間のわだかまりは一瞬で溶け、セックスレス解消になったそうです。
セックスレス解消例4:男のプライドやこだわりを捨てられた
セックスの形はさまざま
雅人さん(仮名)は40代後半。悩みは最近、ED気味であること。40代前半から、挿入途中に中折れするなどの症状があり、妻の菜々美さん(仮名)にも「病院に行ってみたら」とすすめられていますが、恥ずかしさが先に立って、まだ治療ができていない状態だったそうです。
もともとは週1回程度だった夫婦のセックスは、雅人さんの勃起への不安から回数が減り、一昨年は月1回から2カ月に1回程度に。去年になって、さらにそれが減って、完全にセックスレスになったのは、雅人さん曰く「妻にがっかりされたから」。
「ある晩のことです。久しぶりのセックスで、相変わらず勃起に自信がないので、オーラルでたっぷりサービスをして、かなり妻を興奮させてあげることができたんです。菜々美も久しぶりだからすごく盛り上がって『早く早く』とせかすので、急いで挿入しようと思ったら、どうやっても起たない(苦笑)。
焦れば焦るほどだめで、結局妻に『ごめん』と謝ったら、『できないなら最初から無理しなくてもいいのに』と言われてしまいました。その瞬間、男としてのプライドが砕け散った気がしました」。その晩以来、まったく菜々美さんに触れなくなってしまったという雅人さん。
しかし、今年になってセックスレス解消のきっかけになったのは旅行先の宿で部屋に貸切露天風呂がついており、2人で一緒に入浴したことだそうです。
「2人で裸になって、久しぶりに一緒に湯船に入ったら結構盛り上がって、そのまま裸で室内でタッチやオーラルでいちゃいちゃしました。自分は相変わらず十分に起たなかったのですが、菜々美が口でしてくれて、僕も口でしてあげて、2人で一緒に気持ちよくなって……。
ああ、挿入にこだわってたのは、男としての自分の小さなプライドだったんだなぁ、と気が付きました。挿入だけがセックスじゃないですよね」。
「それからは2人で自由にいろいろなエッチを楽しんでます」という雅人さん。セックスへの固定観念を手放したことがセックスレス解消につながったと言えるでしょう。