気にしすぎる性格に悩んでいませんか? 「まわりからどう思われているだろう」「もしかして嫌われているかも」ということを考えてばかりいると、疲れてしまいますよね。そんな性格を改善したいという人のために、気にしすぎる性格の原因と対処法を心理カウンセラーの小日向るり子さんに解説してもらいました。
小日向るり子
突然ですが、簡単な性格傾向テストをします。
ご自身がどのような気持ちになるか想像してみてください。
あなたの会社は40人ほどの人がひとつのフロアで働いています。ある日、あなたが出勤してきてオフィスのドアを開けたら、みんながいっせいにあなたのほうを見ました。どんな気持ちになりますか?
ここで「自分が何かミスをしたのではないか」と思ってしまうあなたは物事を気にしすぎる傾向にあります。しかし、こう考える日本人の割合は、同様の質問をしたときの欧米人やアフリカ人と比較して圧倒的に多いそうです。
そもそも日本人は、気質として気にしすぎる人が多いようです。
帰宅しても仕事のあれこれを考えてしまう、LINEがすぐに既読にならないと何か気に障る文章だったのではないかと気になってしまう、相手の表情などを気にしすぎてうまく話せない、など些細なことを気にしすぎる自分に疲れてしまう方に、今回は気にしすぎる人の特徴や原因、さらに対処法までを書いてみたいと思います。
気にしすぎる人の特徴
1.敏感
音や人の表情、顔色など言語以外の事象に対して非常に敏感です。
このような気質を持つ方をHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)といいますが、これは生まれつきの特性で生涯変わることはないといわれています。
2.几帳面
線を引くときに必ず定規を使う、ハンカチやシャツには必ずアイロンをかける、リモコンの置く位置がズレるとイライラするなど、日常生活に決まり事がたくさんあり、それがなされていないと落ちつきません。
3.真面目
納得がいくまで仕事を切り上げない、すべてのメールを当日中に返信をしないと寝られない、何があっても約束は守るなど、学校や社会では「優等生」といわれるタイプです。
気にしすぎる原因
気質
気質とは、遺伝的な要素ということです。
人格は後天的な要素でのみ形成されると考えられがちですが、いくら食べても太りやすい体質やアレルギー体質などと同じで、持って生まれた体質的なものというのは「考え方の傾向」にもあります。
「気にしすぎる人の特徴」で挙げたHSPもこれに含まれます。
親からの教育
これは上記にあげた気質とも関係してきますが、親からの教育は子どもの性格に大きな影響を与えます。
たとえば、長女や長男に神経が細やかで優等生タイプが多いのは、親にとって初めての子育てのために不安が大きく慎重になることが一因です。
そのほかにも例として、幼少期に友だちと喧嘩をして帰宅した際に、理由も聞かず「あなたが悪いから○○ちゃんは怒っちゃったのよ!」と決めつけられたり、兄弟喧嘩でいつも「お姉ちゃんが我慢しなくてどうするの!」「あなたがいけない」と言われたりなどのしつけを継続的に受けて育つと「自分の言動は人を怒らせる」という心理的刷り込みが生じます。
このように、幼少期に受けた教育というのは普段は意識することはないのですが、心の奥深くに横たわっていて人格形成に影響を与えるのです。
環境
親からの教育も「家庭」というひとつの環境ですが、成長するにつれて「学校」という環境や、その中でも「部活」「クラスメート」といったいくつかの環境サークルが自分のまわりにできます。
ここでの体験も人格形成に大きく関係してきます。その多くは部活動の友だちとのもめ事、教師から不注意で激しく叱責される、といったネガティブな経験がトラウマとなり、自分の言動を必要以上に気にするようになります。