5月に亡くなったプロレスラーの木村花さんの母・響子さんが番組に生出演しました
今年5月23日、SNSの誹謗中傷に苦しみ、死を選んだプロレスラーの木村花さん。
15日に放送された『ABEMA Prime』(ABEMA)では、母親の木村響子さんが娘を失ってからはじめてメディアに生出演。誹謗中傷を行う人への思いや、問題解決の糸口について議論しました。
■「戦おうと決めた」
(@ABEMA)
花さんが亡くなってから4カ月。弁護士との打ち合わせや自民党が立ち上げた「ネット人権対策」の会合に参加など、花さんを追い込んだSNSでの誹謗中傷撲滅に向け、投稿者の特定や厳罰化を訴えるなど、多忙な日々を送ってきました。
「誹謗中傷に振り回されたら負けだと思った」という響子さんは、「泣くのはあとにして、戦おうと決めた」と語ります。
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■今も続く誹謗中傷
響子さんは、花さんが亡くなった今もなお「勝手に死んで そのせいでTwitterで自由につぶやけなくなるなんて迷惑」「テラスハウス好きだったのに、見れなくなった あいつのせいで」など、誹謗中傷が続いているといいます。
さらに、響子さん自身にも「娘を見殺しにしたひどい母親だ」「地獄に落ちろ」といった誹謗中傷が定期的に投稿されることも明かしました。
■ケンコバ「理解に苦しむ」
この現状にはMCを務める、お笑いタレントのケンドーコバヤシさんは「花さんの一件で色々と考えた方も多いと思う。ただ、未だに誹謗中傷が続いているというのは、理解に苦しむところがある」と、苦痛な表情を見せました。
現在、響子さんは、花さんに対して誹謗中傷を書き込んだ者を特定すべく、動いています。
投稿者の特定までには「SNS運営会社へIPアドレスの開示を依頼」「IPアドレスから登録者の氏名・住所を開示」「書き込んだ人物と名誉毀損などを争う」と3回の手順を踏む必要があり、決着するには3度の裁判が必要となります。
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■非協力的なSNS運営会社
しかし「開示請求」も簡単なことではありません。被害を受けた本人が行うため、花さんのように被害者本人が亡くなっている場合は、亡くなる前のものに対して「名誉毀損」を認められないといいます。
さらに、SNS運営会社が海外であることも多いですが、響子さんは「本当に…協力的な姿勢ではまったくなかった」と明かしました。
■「ネット人権対策」の実現を
響子さんも会合に参加した、自民党が立ち上げた「ネット人権対策」の提言案は「開示請求の要件緩和」「刑事罰の見直し」「SNS教育などの強化」「相談窓口の強化」。
酷い言葉が放置されているSNS。被害者がただ耐えなくてはいけないという現状。煩雑な手続きの簡略化や厳罰の実現はいつになるのでしょうか…。
今後、響子さんはNPO法人を設立し「SNSのでの誹謗中傷に悩む人の相談所」「SNSのモラル教育(全国への出張教室)」「SNSのいじめ撲滅への取り組み」を予定しています。
(文/fumumu編集部・冬野 とまと)