結婚は勢いといいますが、実際には何がきっかけになるのでしょう? “運命”と呼べるものがやっぱりあるのでしょうか。既婚男性に「俺はこの人と結婚する」と感じた瞬間を聞いてみました。
好きなところがたくさんある
「どうして妻と結婚したの? と聞かれると、理由がたくさんあって何を話せばいいのか迷う。ひとつじゃない。いっぱい『好き』がある人だから結婚したんだと思う」(35歳男性既婚・人事)
この男性の場合、彼女とは一回お別れしているそうです。でも、別れても彼女のことが忘れられなくて、自分から復縁を申し込んで結婚までたどり着いたとのこと。派手なケンカをしてムカついても、それを上回る「好き」がたくさんあるから夫婦になったのでしょう。
最初に会った時のフィーリング
ひと目惚れは成就しないと言う人もいますが、今どきは出会いのきっかけがマッチングアプリというケースが少なくありません。対面する前に相手のプロフィールが把握できていると、初デートで“答え合わせ”をすることになります。想像していたとおり、あるいは想像以上の場合は初対面で結婚まで考える人がいるようです。
「アプリで知り合って、初めて会うときに待ち合わせ場所で姿を見た瞬間、『結婚するならこの人がいい』と思った。外見が好みもあるけれど、全体的に漂う雰囲気が本当に良かった」(30歳男性・公務員)
具体的に何がというより、たたずまいにドキッとさせられる場合、内側からにじみ出る品の良さや人柄に惹かれるものです。その人のこれまでの人生すべてが魅力を作り出すので、たとえばネット記事で読むノウハウを真似するだけでは雰囲気で惚れさせることは難しいでしょう。生まれ育ちが似ていたり、人間性が確立する過程でお互いに似た体験をしていたりするのかもしれません。
同じ“言語”が通じ合う
「妻とはボランティア活動を通じて知り合って、初対面から『話が通じる人』だと思った。同じ日本語でも微妙にズレたニュアンスで受け取られて、意思疎通ができない人がいるけれど、妻はすべてこちらの意図どおりに汲んでくれた。そんな風に『言語が通じる人』はそう多くない。離したくないと思った」(42歳男性既婚・自営業)
結婚では趣味・好みが合うことより、価値観が合うことのほうが大切です。そして、価値観は使う言葉にあらわれます。普段から何に関心を持っていて、どういう行動を取っているかで使う言葉は違ってくるのです。「少し話せば相手のことがすぐわかる」というのは、つまりそういうことなのでしょう。
人生の目的が同じ
夫婦は運命共同体といいますが、人生の方向性が同じだと自然と距離が近づき、無意識のうちに寄り添い合うようです。
「自分はゆくゆくは独立したいと思っていて、彼女はすでに自分のお店を持っていたから、何を話しても勉強になったし純粋に尊敬できた。いつか一緒にお店をやれたらいいねという言葉が、今思えば最初のプロポーズだったのかも」(45歳男性既婚・飲食業)
彼女と付き合うことで自分の人生の目的がハッキリした男性もいます。
「今の自分の人生に特に不満はないけれど、やりたいことが明確な彼女と付き合っていたら、もっとしっかりしなきゃと思うようになった。彼女の隣で同じ人生を歩むには今のままじゃだめだと」(30歳男性・公務員)
彼は自分に物足りなさを感じたとき、彼女との結婚を望んでいると気づいたといいます。「彼女と一緒に生きていくために」と、今は仕事に生かせるスキルの勉強をしているそうです。
“しっくりくる”の正体
既婚者に結婚の決め手を聞くと、「しっくり来たから」と返ってくることが少なくありません。
「妻とは初対面のときから気を遣わずしゃべれた。カッコつけようと思う必要がなかった」(45歳男性既婚・飲食業)
自然体の自分でいられることが、長い結婚生活を支える土台になるようです。また、育った環境が似ていて、幼少期の話をしても通じ合える部分が多いというのも、夫婦として馴染めるきっかけになるでしょう。
「妻とは高校の同窓会で会って付き合うようになった。高校時代に絡みはなかったけれど、昔話や近所の人の話で通じ合えるし、実家に帰ったときもお互いにラク」(35歳男性既婚・人事)
また、趣味や仕事、友人など共通点が多い人も価値観が似ていてしっくり来るようです。……とすれば、婚活をするなら自分に近いタイプに注目したほうが、結婚を実現しやすいのかもしれません。
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