社会人になると挨拶の仕方やメールのマナーなど、今までは何となくやり過ごしていたことに困惑するようになりますよね。ビジネスシーンでよくある「名刺交換」も、どうしたらいいのか悩まされるもののひとつ。そこでanan総研メンバーに、名刺交換で失敗してしまったことや、もらった名刺の扱いに困ったことなどを聞いてみました。同じ過ちをしないために、しっかり大人のルールを身につけましょう。
文・三谷真美
【アンアン総研リサーチ】
名刺交換で失敗してしまったこととは?
もらった名刺をテーブルに並べるはずが…
「いただいた名刺は『名刺入れの上に乗せる』、『席順通りに並べる』って勉強したけど、名刺入れはひとつしか持ってないし、先方の人数が多すぎて全部並べたらどう考えてもおかしい時があるんです。名刺交換だけして席を立った偉い方の名刺とか…どうしたらいいのかわからなさすぎます(涙)」(25歳・会社員)
ビジネスマナーとしていろいろルールのある名刺交換ですが、実際のところ正しく理解している人は少なかったり、マナー通りだとスムーズにいかないことが多いのも事実。そんな時はマナーに縛られず、臨機応変な対応をした方が仕事のできる人に思われるはず。
この場合、名刺入れの上に乗せるのは一番偉い役職の人。もし名刺を見てもわからなければ一番最初に名刺交換をした人にしましょう。全ての名刺を並べてもいいのですが、資料を広げる時に落としてしまいそうなら、一声かけて名刺入れにしまっても大丈夫です。また、名刺は偉い人から順に並べるというマナーがあるけど、名前と顔を一致させるために席順通りに並べてもOKです。
覚えてなくて二度目の名刺交換
「名刺の管理をしっかりしていなかったせいで、2回目に会った人に名刺交換をお願いしてしまいました。相手の方は覚えていたようですごく嫌な顔をされ、『名刺ケースを全て失くしてしまって』と言い訳しましたが、そもそも名刺ケースを失くしたって、社会人としてダメですよね(汗)。それからは名刺に相手の特徴を書き込み、事前にどなたと名刺交換したのかを確認するようにしています」(33歳・その他)
一度ご挨拶した人なのに覚えておらず名刺交換…なんてことも社会人あるあるかもしれません。一度で顔や名前を覚えられたらベストですが、忘れてしまいそうなら特徴を記録したり、オリジナルの管理をしましょう。
長時間立ち話している時の名刺の位置は?
「『名刺交換をした後は胸より高い位置で持つ』と勉強していたのですが、名刺交換の後に長時間の立ち話をする時はどうしたらいいのでしょうか? 慣れていなさすぎて、ひたすら胸の高さでキープし続けてたのですが、腕は疲れるし、正解が気になって話がまともに聞けなかったです」(22歳・大学生)
社会人になりたてだと、何もかもが慣れなくてどう振る舞ったらいいか悩んでしまいますよね。ですが全てのマナーは、相手への気遣いや尊敬を表すためのもの。相手の方が嫌な思いをしないように配慮しながら腕を降ろしたり、名刺をしまってもいいのかもしれません。
もらった名刺の扱いはどうする?
「いただいた名刺の保管方法に困っています。気づいたら莫大な数になっているし、かといって捨てていいのかもよくわからない。しかもサイズが小さかったり、変わった形をしていたり、オシャレすぎる名刺はケースにきちんと収まらずに困ります」(24歳・マスコミ)
もらった名刺の保管方法は人それぞれ。社名順や仕事の企画ごとにファイリングする人が多い中、名刺アプリに取り込んだり連絡先をスマホに登録して名刺自体は処分する人もいます。
相手の名刺を落としてしまった
「以前、会社員をしていた時なのですが、もらったはずの名刺を落として帰ってきたことがありました。道端などではなく、どう考えても名刺交換をしたクライアント先の会議室……。一緒に名刺交換をした上司に連絡先を聞き、即座に謝罪のメールと電話をしました。『ご丁寧にありがとう』と言っていただけたので、そのままにせず、正直に謝罪してよかったと思います」(33歳・主婦)
名刺はその人の顔であって、個人情報がたくさん詰まっているもの。紛失しないように細心の注意を払うべきですが、もし落としてしまったら……。自分の家やデスクで紛失したのにわざわざ伝えるのは信用を失う危険があるのでオススメできませんが、明らかに相手の会社の中で、しかも自分が落として帰ったことが明白なら、素直に謝罪するのが良さそうです。
名刺交換は緊張しなくてOK
名刺交換は社会人にとってとても大切なことですが、名刺交換がすごくうまくいったからといって相手からの好印象を手に入れられるわけではありません。それよりも大切なのはコミュニケーション能力。急いでいる場合や、次に名刺交換をする人を待たせている場合などは別ですが、いただいた名刺を見て、ひと言くらいコメントができるとなお良し。名前の読み方でも部署名や役職などについて質問したり、相手に印象づけられるようなビジネスマンを目指しましょう。
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