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夫はセックスレス…激しく湧く「不倫願望」妻の性欲処理法 レスなひとびと

恋愛・結婚

現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、セックスレス夫を言い訳に、不倫に溺れた人妻34歳。罪悪感に苛まれる彼女に、三松先生がある恋愛哲学を提唱します!

文:三松真由美 イラスト:犬養ヒロ

【レスなひとびと】vol. 10

桃子(34歳)不倫の言い訳は夫とのセックスレス。
ニュー彼氏vsユーズド夫 そりゃニューセックスは燃えるわな

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洗い物をしながら、ソファで寝そべる秀斗に声をかける。「ねえ、あさって、職場の飲み会になったから」。嘘ではない。ただ、男性上司と二人きりで、男女の関係にあることは、伏せておく。

桃子と秀斗は、結婚前からセックス淡白カップルだった。結婚して5年、子どもはいない。お互い30代半ばに差し掛かってきたが、子作りの話はお互い避けたまま。

セックスレス、どこの家もそんなものと諦めかけていた。そんなとき、昌也が現れた。5歳年上、桃子の直属の上司としてやってきた。中肉中背、ボサ眉。けっしてイケメンとは言えないけれど、横顔が少しだけ、桃子の好きな俳優に似ていた。

二人で残業をしたことがあった。流れで飲みに行くことになり、それがいわゆる「不倫」の始まり。あるある系のスタート。そして、秀斗では感じることができない、雷が落ちたかのような「THE SEX」。まさにこれぞセックスか。初めて桃子のうちなる性の蕾がはじけた。ベッドの上をのたうちまわるほどの気持ちよさ。肘にシーツのこすれ傷ができたときもある。

良くないことと心ではわかっている。ときどき、自分を殴りたくなったりする。

でも、今さら秀斗とセックスなんて、考えられない。何度か誘って、拒否られて。20回以上そのやり取りがあって、桃子のセックス魂が死んだ。夫は「共同生活者」に変化した。

つい先日、桃子は罪悪感に耐えきれなくなって、思い切って、大学時代の友人に打ち明けた。すると、「実は私も」という返事。驚いた。「不倫って、いけないと思いながら会うから、求める刺激が倍増しちゃう」と言われ、桃子もうなずいた。不倫を始めてから、夫に優しくなれた自分もいる。結果的に夫婦仲良くやれているからプラス面がある。

なにが正解か考えない。

目の前のお皿を洗い続ける。これが終わったらあさっての夫の晩御飯用に、カレーを作ろう。じゃがいもを剥こうとしたそのとき、キュッ、と肘のこすれ傷が痛んだ。

セックスレスが原因の不倫は、珍しくありません。不倫する言い訳になるから。「だってお前が拒むからだろう」「あなたが夜のお誘い無視するからしたのよ」と。言い訳はひとのセクシースイッチを入れやすくします。「他の男とセックスしていいんだよ」というデビルのささやき。ああ、恐ろしい。

レスびと増殖中の昨今、既婚者同士の「ダブル不倫」にハマっている人ももちろんいます。デビル達は夜のオフィス街を飛び回っているのですから。(たまに昼のファミレスでも飛んでたりする)

夫とはセックスレス、改善の余地まったくなし。女性として愛される喜びを味わえないまま、人生を終える……? そんな不安を感じた妻が不倫に走ったとき、桃子さんのように眠っていた性欲は大復活。

不倫で得られる心地のよさは、あくまでフェイク。そりゃ燃えあがります。久々のセックス。新鮮な顔とボディと性器官。匂いも手触りも夫と違う。すべてがニュー。でもでも、ニューはいつまでも続かない。不倫相手とでも10年セックスしていれば倦怠期になる。不倫相手ともレスになったという”最強レスびと”ももちろんいる!

不倫に走りそうになったら、「しょせん、愛はニューからユーズドに変遷する」という恋愛哲学を声に出して唱えましょう。ほとばしる激情は最初だけだ。夫婦セックスレスに目をつむらず、原因は何にあるのかを探るのです。相手が拒否する要因が意外なことだったりします。「夫が寝る前にお風呂に入らないから」という小さな原因だったりすることもある。原因はそれぞれ。

「デビルが背中を押したら、相手のニュー時期の笑顔を必死で思い出して退散させろ」

三松 真由美
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にhanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。日本性科学会会員。ED診療ガイドライン作成委員。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。

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