人は誰しも、思い込みやマイルールを持って生きています。それが自分にとって良くないものだと、「自分いじめ」となり、恋愛をはじめ、あらゆる面で良くない影響に変わってしまいます。こうした自分いじめにはどんなものがあるのか、代表的な3つのクセを解説します。
速攻やめて! 恋愛をダメにする「自分いじめ」のクセを解説
【おおしまりえの恋愛道場】vol. 211
恋愛における「自分いじめ」とは、自分を苦しめるようなルールを設定することで、恋愛がうまくいかなくなっている状態です。ルールに従うほど窮屈になり、だんだん幸せから遠ざかります。
自分いじめによって起きることは、いろいろあります。例えば、行動にブレーキがかかってチャンスを逃したり、本当の気持ちが置いてきぼりになり、望んでいない行動をとったりするなどです。
この行為のやっかいな点は、本人がいじめている事に気づいていないことです。つまり、無意識にやっているため、「なぜかうまくいない」と感じ、改善も難しいのです。
今回は具体的な3つの自分いじめ行為を紹介します。もし同じような考えをしている場合は、知らないうちに良くない展開にハマっているかもしれません。まずは気づき、意識的にやめていくことが大切です。
自分いじめ1. 恋愛のベキ論
自分いじめの1つめは「恋愛のベキ論」を決めることです。
などは、ひと一昔前の代表的なベキ論です。
人には誰しも、「こうあってほしい」というベキ論は存在します。持つこと自体を否定はしませんが、それが強すぎると、本当の気持ちがおいてきぼりになったり、変なこだわりに縛られてしまったりします。
具体的な例を1つ紹介します。ある女性は「1年以内に結婚してくれる人」を条件に相手を探していました。1年という期間をガチガチに決めていたため、相手によってお断りをすることもされることもあったようです。
そして1年後…彼女は付き合っては別れを繰り返し、現在も独身です。
男性の中には、「結婚はいつかしたいけど、時期は決めてない。ただ、状況や相手次第ですぐ結婚してもいい」という人が結構います。こうした人達に、「1年以内」のベキ論を強く押し付けると、結局ご縁は続きません。さじ加減が難しいところでもありますが、少しだけ緩めるという柔軟さが持てれば、また人生選択も変わっていきます。
自分いじめ2. 自分を下げるマイルール
「私ならきっとこの程度の彼氏がちょうどいい」
「私にはキラキラした結婚なんて似合わない」
「どうせ結婚できない」
こんなルールを自分の中に持っていないでしょうか。人生は、無意識の思い込みが行動となり、現実になっていくと言われています。つまり、先程書いたような自分を下げるルールがあると、めぐりめぐって悲しい現実を作ることに繋がります。
「現実は行動が変わることで叶う。行動は心が変わることで叶う」このように言われることがあります。ここでいう心を作るものの1つは、自分の中のマイルールです。
卑下するようなマイルールは、自分の落ち込んだ心を作っていきます。今すぐ手放し、テンションが上がるようなルールを今から上書きしていきましょう。
自分いじめ3. 過去へのとらわれ
人は過去の経験から学ぶ生き物です。それは生存本能であり大事なことですが、過去の経験を未来にもそのまま当てはめると、自分いじめになるケースがあります。
具体的には、「私は好きになっても振られてばかりだから、恋愛はずっとうまくいかない」という考え方です。過去の「好きになっても振られてばかり」という事実を根拠に、今後も恋愛がうまくいかないと推測しています。一見正しい結びつけのように感じますが、「今後も恋愛がうまくいかない」は飛躍的であり、さらに未来がネガティブな予測になることで、自分をいじめています。
そもそも、人は時間とともに成長するものです。過去に起きたことが必ず未来でも起きるとは限りません。
もし反論する気持ちが湧くのであれば「過去に起きたことの原因と対策」を冷静に考えるのが良いでしょう。「あの時は男性と話すことすら苦手だった」「自分からデートしたりもしてなかった」「そもそも相手の好みじゃなかった」など、振られる原因が客観的に理解でき、未来の出来事との結びつけを緩めることができます。
誰だって、自分の幸せを願っているものです。でも、意識上はそう思っていても、無意識では幸せにならない呪いのような考えを持ち続けていることもあります。それが、今回紹介した「自分いじめ」です。
解消方法は、とにかく紹介したようなベキ論やマイルール、過去からの思い込みに気づくことです。そして意識的に否定し、いい思い込みで上書きしていきましょう。すぐに効果が出るわけではありませんが、じわじわとあなたの考え方や行動を変え、気づくと大きな変化につながります。
おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト
10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。
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