腸内環境のコンディションは、日々の便の状態に表れる! だからこそ便を目で観察する「観便(かんべん)」を習慣化することが便通改善のファーストステップ。
便は健康のバロメーター。腸の調子を便で判断。
「便は70~80%が水分で、その残りの3分の1が、実は生きた腸内細菌。便は腸の状態を教えてくれる貴重なサンプルなので、最も大切である形、ニオイ、色から自分の便を観察して」(消化器内科医・中島 淳さん)
便の状態を表す基準として「ブリストル便形状スケール」を参考に、自分の便がどのタイプかチェックしてほしいと話すのは、うんち栄養士の梅原しおりさん。
「下記のイラストと自分の便を見比べて、正常とされる3~5(理想は4)の便を目指しましょう。トイレでは出した便を確認しやすくするために、トイレットペーパーは便の上にかぶらないように捨てて、観便するのがおすすめ。便が水に沈んでしまった場合は、おしりを拭いたトイレットペーパーについた色で確認してみて」
観便を習慣化するために、お通じの状態を簡単に管理できるアプリやサービスを活用してみよう。
「ブリストル便形状スケール」で確認してみよう!
1、コロコロ便
硬くてコロコロの兎のフンのような便。
2、硬い便
ソーセージ状であるが硬い便。
3、やや硬い便
表面にひび割れのあるソーセージ状の便。
4、普通便
表面がなめらかでやわらかいバナナやソーセージ状、あるいは蛇のようなとぐろを巻く便。
5、やややわらかい便
はっきりとしたシワのあるやわらかい半分固形の便。
6、泥状便
境界がほぐれて、ふにゃふにゃの不定形の小片便、泥状の便。
7、水様便
水様で、固形物を含まない液体状の便。
観便のポイント
形
観便する上でいちばん重要なのが形。形は大腸を進む速さに関係し、水分量によって変わる。理想はバナナ状。この形に近いものは、いきまなくても直腸からするりと出てきた証拠。
ニオイ
健康的な便は臭くない。鼻をつくようなツンとしたニオイの便は、腸内環境のバランスが崩れている可能性大。逆に腸内環境が整っていると少し酸っぱいような香ばしいようなニオイになる。
色
理想は黄褐色。逆に、濃い茶色から黒っぽい色だと、動物性タンパク質のとりすぎなどが原因で、腸内環境が乱れている場合が。血が混じっていたら、病気の疑いもあるので病院で相談を。
中島 淳さん 消化器内科医。横浜市立大学大学院医学研究科肝胆膵消化器病学教室主任教授。便秘に対する正しい知識や情報を提供するポータルサイト「イーベンnavi」の監修も務める。
梅原しおりさん 管理栄養士免許を持ち、「みんながうんちを見て、自分に合う食事をみつける世界へ」をモットーに、うんち栄養士として活動。著書に『あなたのウンチはどんな形?』(扶桑社)。
※『anan』2023年7月12日号より。イラスト・德丸ゆう 取材、文・鈴木恵美
(by anan編集部)