蛙化現象とは、両思いになった瞬間、気持ちが冷めて相手を嫌悪するようになる現象です。10代の恋に恋する時期ならまだしも、結婚や将来といったことを考える年齢になっても、蛙化現象を繰り返す人が一定数います。こうした感情は一体何が原因なのでしょう。
好きって言われると気持ちが冷める、アラサーからの蛙化現象の対処法
【おおしまりえの恋愛道場】vol. 231
最近流行りの言葉に「蛙化現象」があります。蛙化現象とは、童話『カエルの王子様』が元となった言葉で、片思いが実って両思いになると、相手に興味がわかないだけでなく、生理的な嫌悪感にも近い感覚になってしまうというものです。
10代を中心に共感を集める蛙化現象ですが、実は20代30代の大人女性にも多い現象です。10代なら恋に恋しているねと笑える蛙化現象も、大人では笑って済ませることはできません。
今回は、大人女性の蛙化現象がなぜマズいのかを解説しながら、卒業するための方法を3つ紹介します。
アラサーの蛙化現象がマズい理由
そろそろ結婚を考える年齢になっても、未だに蛙化現象を繰り返す女性が一定数います。彼女達はなぜマズいのかと言うと、「好きな男性と幸せになる」ということを、無意識レベルで抵抗しているからです。
無意識に思っていることは現実の世界にも気づかぬうちに反映されていきますから、どんなに表面的に焦ったり結婚を望んだりしても、結局蛙化現象のようなことが起き、現実が進展しなくなるというわけです。
大人女性の蛙化現象を卒業する方法1. 「男性は怖い」という感覚をリセット
大人女性にとってやっかいな蛙化現象。これを卒業するためには、自分の無意識が抱える抵抗感を知り、手放していくことが大切です。
ここでは、蛙化現象を繰り返す女性がよく抱きがちな、3つの抵抗感について解説します。
最初は「男性は怖い」という過剰な感覚についてです。これは、過去に男性との間に嫌な思い出がある女性が、無意識で抱えがちなことです。例えば元カレがすごく怖かったとか、小さい頃男の子に意地悪をされて嫌な思いをしたとか、父親がとても怖い人だったなど、人によって経験はさまざまです。こうした経験が心に傷として残っていると、「男性は怖い」という感覚が知らぬ間に大きく残ってしまいます。そうした気持ちを抱えたまま恋愛に進むと、男性と親密になりそうになると、気持ちがヒューッと冷めるようなことを繰り返します。
この場合、過去の経験を棚卸ししたりすることで、だんだんと恐怖心のサイズが適切なものに縮まっていきます。
ポイントは、「怖い」という感覚を消す必要はありません。自分の中に怖さがあるということを認めて、受け入れていくことで適切なサイズに落ち着きます。
大人女性の蛙化現象を卒業する方法2. 親密になることへの恐怖心を乗り越える
恋愛が始まれば、当然相手と自分の関係はどんどん親密になります。知られたくないことも知られるし、見せたくない一面も見せるようになります。
こうした親密さを楽しむのが恋愛の醍醐味ではありますが、逆に親密になって自分をさらけ出すことに抵抗感があると、蛙化現象として気持ちが引いてしまうことがあります。
また親密になることへの恐怖心が強いと、親密にならなくても成立する恋愛関係ばかりを繰り返してしまいます。具体的には、セフレや不倫関係、恋人でも数か月に1回程度しか会わない関係などが、親密にならなくても成立する恋愛です。
こうしたケースに当てはまる女性は、自分の中に自分をさらけ出すことへの恐怖心に気づくことから始めましょう。
おすすめは、目を閉じて頭の中で自分と相手の距離が近づき、ハグとか手をつなぐとか、親密だと感じる距離まで近づくイメージをしてみてください。
この時、「引かれたら嫌だな」「相手にどう思われるか怖いな」「自分を見せたくないな」といった抵抗感が見えてきたら、その気持ちをずっと見ていきます。
「なぜそう思うの?」みたいに考える必要はありません。ただ嫌だな、怖いな、避けたいなという感情を観察することで、少しずつ漠然とした親密感への恐怖心は薄れていきます。
大人女性の蛙化現象を卒業する方法3. 未来に傷つくのが怖い
もし、恋愛が始まったら…もし、相手に嫌われたら…もし、この気持ちが嘘だったら…と、気持ちが動き始めた時ほど、不安要素も出やすいものです。これら気持ちが蛙化現象を引き起こすのですが、こうした気持ちの裏側には「不確定の未来への不安感」があります。もっと言うと、失敗したくない、傷つきたくないなどの気持ちが隠れているのです。
でも、生きていれば全ての未来は不確定ですし、傷ついたり失敗したりせず進むなんて不可能です。こうした敏感になりすぎた気持ちは、しっかりキャッチして落ち着かせることで、蛙化現象も起きにくくなるとされます。
ここまで、大人女性が蛙化現象を引き起こす際、無意識に抱えがちな3つの感情について解説しました。
「男性が怖い」「親密になるのが怖い」「未来で失敗するのが怖い」と3種類書きましたが、対象はどれも違っても、「怖い」という感情が共通しています。
大人女性の蛙化現象のトリガーとなっているのは、何かに対する恐怖心なんです。それをほぐすには、自分で恐怖心の具体的な対象に気づき、その感情を味わい、適切なサイズに消化していくことが大切です。
少し難しく感じるかもしれませんが、これがいわゆる「自分と向き合う」ということへの一歩です。感情をほぐし、好きな人への気持ちを冷ますことなく、前に進んでいきましょう。
おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト
10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。
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