30代・40代の生理のお悩みや疑問に、人気産婦人科専門医がお答え! 今回は、「生理中、立ち上がったときの出血の仕方」について聞きました。
生理中、立ち上がるとドバドバッと血が出てくるのはなぜ……?
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30代・40代女性の、立ち上がったときの出血に関する「リアルな生理悩み&疑問」!
・「20代までは特に感じなかったのですが、30歳をすぎた頃から、椅子から立ち上がろうとしたときに、経血がドバッと出るように……。会社では長時間のデスクワークで、自由に立ったり歩いたりはできない雰囲気。一度一気に出てきて漏れてしまったこともあり、トラウマに。昼間も夜用ナプキンで備えるようにしています……。ドバッと血が出てしまう、その改善方法が知りたいです」
・「立った瞬間に生理の血がたくさん出るのですが、これっておかしいですか? 座っているとき、子宮の中に血を溜めこんでいるということ?」
医師がお答え!
【監修】
いけした女性クリニック
池下育子先生
帝京大学医学部卒業。1992年、いけした女性クリニック銀座を開業。2020年、東峯ラウンジクリニックへ移転。2021年、月島でいけした女性クリニックを開業。ストレスや加齢などによって起きる女性の心身トラブルに向き合い、幅広い年代の女性たちの相談に乗る。
膣を締める筋肉が少ないと、ドバッと出やすくなる
「長時間椅子に座っていたあとは、寝ていて起き上がったときと同じく、膣円蓋部に溜まっていた経血が、立ち上がったときに一気に出てきます。子宮から一気に出るわけではなく、腟内でプールしていた経血が出てくるんです。経血がドバッと出ること自体には問題はありません。
これはその人自身の動き方によって起こることでもあります。座る時間が長い人ほど、ドバッと出てくるときの経血の量が増えます。
また、筋肉の量も影響があるでしょうね。椅子から立ち上がるとき、下半身の力が抜けてしまいがちなのですが、骨盤底筋や腹筋で腟をキュッと締めて立ち上がるようにすると、そこまでドバッとは出ないものです。
着物の時代、ショーツのない頃の女性は、現代よりも運動量が多く、骨盤底筋や腹筋が鍛えられていたため腟を締めることができ、ある程度経血をコントロールできていた、なんてことも言われていますよね。とはいえ完全なコントロールは難しかったでしょうから、経血量が多い日は大変だっただろうと想像します。
腟のまわりの筋肉が緩いと、より一気に出てしまう感覚が強くなるでしょうね。運動不足の自覚がある人は、体を動かす機会を増やしましょう。
腟まわりの筋肉は、家事の時間にも簡単に鍛えることができます。掃除機をかけたり、拭き掃除をするときは、お腹をへこませて、おしりを締めた状態で、腟を尿を止める感覚でキュッと締めるよう意識するといいですよ」
立ち上がる時の経血が気になる人は、膣まわりの筋肉に注目を。
取材・文/櫻木えみ