〈私を女として見れないなんて、あなたの問題だよね?〉と思うくらい夫に対して強くなってほしい。妻たちのモヤモヤについて夫婦問題の専門家にお聞きしました。
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夫婦カウンセラー・安東美紀子さんに伺いました
夫婦カウンセラー。夫とともに夫婦関係を専門とするカウンセリングオフィス「Life Design Labo」を主宰。セックスレスやモラハラなど夫婦間のセンシティブなテーマに精通し行動レベルでのアドバイスを得意とする。
Q.40代夫婦、なぜ問題勃発が?
ひとつは子育て期を通し価値観の衝突やタスクが増えた時のコミュニケーション方法の構築の難しさなど、より成熟さが求められる場面が多くなったこと。またホルモンバランスの変化もあり、残りの人生を見据えまだ諦めたくない思いがあるかと。
Q.「女として見られたい」には更年期が近くなった焦りも?
人生100年時代など言葉の影響か、長い目で人生を彩りたいと考える方が増えているかもしれません。
Q.どのようなタイプの女性が「まだ女として見られたい」と思うのでしょうか? 「恋愛脳」も関係しますか?
純粋にパートナーが好きで愛されたい、繫がりたいと思っているタイプ。このパターンでは、パートナーとの関係を育めない場合、その次の段階で自分の気持ちをどう扱うか葛藤するようなことも。そして「恋愛脳」もあります。承認欲求と恋愛初期に分泌される神経物質で感じる高揚感への依存状態に近い状態ですね。
Q.妻を女扱いしなくなる…なぜ?
まず日本では夫が妻を成熟した形で女性扱いしているロールモデルを見てきていないこと。自分の愛する力や振舞いによってパートナーが満たされるという自己効力感がわからない。そして次に、夫自身も承認されていないと感じている。「産後にキツく当たられた」など、被害者の層に入って拗ねていたり、今まで小言を言われたのは母親くらいで、それと同等の「家族」という別カテゴリーに妻をおいてしまうことも原因かと。
Q.セックスレスで妻が相談すると「他でやってこい」と言われた。夫の心理状態を知りたい。
問題と向き合いたくないという回避型のケースでは、それで会話を終わらせるために強く出たり、自分がダメ出しをされているような気になって癇癪を起こしたり…。〝どうせ浮気はしないだろう?〟と感じていることも。妻に対して愛情や思いやりが枯渇しているところに自分の性欲の減退が重なり、それなのに相手から性欲を伝えられると嫌悪を感じることもあります。
Q.夫婦関係は破綻していても、子どものために一緒にいると決めた場合に何かアドバイスを。
関係性を修復するか、別れるか、というテーマが横たわる時にはいろいろな感情が渦巻いています。家族だからと、境界線を越えて言いすぎてしまう場合がありますので注意してください。人と人との境界線は大事です。例えば同僚やルームメイトならどうするか? 子どもにどんな関係性を見せたいのか? ということを考えてみて。
Q.「女として見られたい」と思うことはおかしいことでしょうか?
むしろそう思うことは大切だと思います! ただ、評価を相手に委ねすぎるのは苦しい。〝きちんと自分の女の部分をキープした状態で相手からも適度に求められたい〟くらいが個人的にはしっくりきます。「私を女として見られないなんて、あなたの問題だよね?」くらい、女性は強くなってほしいし、私もそうありたいです(笑)。
POINT
・夫に期待しすぎない。「ルームメイトだったらどうする?」と考える
・SEXか離婚か?自分の優先順位を伝えれば真剣味が帯びるはず
・自分の意思を持つためにも経済力をつけることは大事です
撮影/沼尾翔平 取材/小出真梨子、竹永久美子 ※情報は2023年11号掲載時のものです。
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