春になると不思議と気になるピンクが今回のテーマ。デイリーでの取り入れ方、ファッションとの組み合わせなど、可愛いだけじゃない、大人ならではのピンクメイクの楽しさをお届けします。
神崎 恵の恋させる瞬間 美容劇場
きゅん♡を誘う女になる
Scene 春のピンクメイク
ただ甘いだけじゃない、強さや 個性のあるピンクが大人の味方に
この春、ピンクという色にときめいています。ピンクという愛らしい色は丸みがあり、やわらかく、優しさとぬくもりを感じる、可愛い色。目にすると、無条件にキュンとなる。これは永遠に無くならないだろうという特別な色。誰をもときめかせ、『可愛い』の共通色でもあるこの色。だからこそ、大人はちょっと怯むんです。こんな可愛い色をつけてもいいの? こんな初々しい色を着てもいいの? と。歳を重ねた自分の体や肌や顔と並べては、距離をおき、ときめかないふりをする。選択肢の中からこの色を排除するようになる。私も数年そんな期間がありました。見た目を含めて、いい大人になった自分はもうこの透明感あふれる色には相応しくない……と、勝手に決めつけてしまっていた時期。でも、いい具合に大人になりきったこの年齢のおかげか、またピンクが着たい、ピンクを肌にのせたい、と思うんです。
感覚としてはピンクで遊びたい! そんな気分。若い頃は、可愛いピンクに可愛さをもらうというか、可愛さで包んでもらうという楽しさだったように感じます。でも今は、ピンクを遊びたい、自分発信で、自分なりの遊び方で楽しみたい、そんな感覚。可愛くなりたい、可愛く見せたいとかではなく、今の自分だからこその解釈で、ピンクを遊びたいなあと思うんです。
ピンクと言っても、シャープなピンクから甘いピンクまで無限にある中で、今、いちばんいいねと思っているのが、エアリーなピンクとエッジの利いたピンクの掛け合わせ。甘みのあるピンクのワントーンで仕上げるメイクは、もちろん可愛い。絶対可愛い。でも、ちょっと面白みがないなと思ってしまう。可愛いの中にほんのり毒を混ぜ込んだら、ちょっと面白くなる気がして。いろいろと色遊びをした結果、この組み合わせが楽しい。大人だからこそのこなれた可愛さも出ていい感じです。
今回選んだのは、クールな青みピンク&ふわり甘やかピンクが並びあったアイカラーと、ぐっと深いグレープピンクのチークの掛け合わせ。どちらも「可愛いだけじゃ終わらせない」という意欲を感じさせる強さがありながらも、たっぷりの透明感があるところがいい。とんがり感とピュアさの掛け合いが、何とも磨かれた可愛さを完成させる訳です。とどめは、フォギーなピンクリップと光に溶けるようなヘアとワンピース。
今年のピンクは面白い。ピンクを休んでいた大人に新しい可愛さを見せてくれるピンクが多数登場。この春こそ「ピンクを遊ぶ」を楽しんでいただきたいです。
MAKEUP
×グリッター、×深みピンクで遊びをプラス
目元はパレット左下をアイホールに、右上のピンクを二重幅に重ね、最後は左上のシャイニーカラーを上まぶた全体にふんわりと。リキッドチークは頬の高い位置に横長に広げて、メイク全体に深みをプラス。
aベージュ&ブラウンシャドウの延長で使える、大人に嬉しいピンクパレット。シンクロマティック アイシャドウパレット EX-12 ¥6380/RMK Division(限定色)b肌に溶け込むようになじんで、ソフトフォーカスされた血色感になりすます。ザ リキッドブラッシュ フォギー 007 ¥3740/アディクション ビューティ
HAIR
光が透けるようなふんわりウェーブヘア
ナチュラルでやわらかさを感じさせる、大きなウェーブヘア。髪の中間から毛先に向かって太めのヘアアイロンで波巻きに。毛先は巻き込まず、逃した方が雰囲気がつくりやすい。
FASHION
風に揺れるやわらかな素材で、脱力感のあるイメージに
揺れる&透けるがテーマの脱力系スタイル。ペールピンクのレースワンピースに、パンツを合わせて甘さを封印。また、メイクを邪魔したくないから、着こなしの色数もできるだけ最小限に。
MAQUIA 3月号
モデル・メイク・文/神崎 恵 撮影/天日恵美子 ヘア/赤羽麻希〈joemi by Un ami〉 スタイリスト/黒崎 彩〈Linx〉 構成・文/若菜遊子(MAQUIA)
チョーカー¥7700/ロニ ワンピース、パンツ、シューズ、パールネックレス、バングル/スタイリスト私物
※本記事掲載商品の価格は、税込み価格で表示しております。