やわらかい腸をめざして。1日1分でOKの“デトックス腸もみ”について、セラピストの真野わかさんにお話を聞きました。
「腸は唯一、もめる場所にある臓器。肺のように肋骨に覆われているわけでもなく、腎臓と違って分厚い筋肉に覆われているわけでもないので、自分の手でしっかりともむことができるんです」と言うのは、真野さん。腸をもめば、あらゆる体のトラブルの改善が期待できるそう。
「腸は疲れると冷えて硬くなってしまいます。それをもみほぐすことで、血行を促進。腸が温まれば、消化、吸収、排泄といった本来の仕事をスムーズに行えるように。その結果、便秘や下痢が解消されるだけでなく、老廃物が排出され、ウエストもほっそり。さらに、腸が温まることで周辺の臓器にもいい影響を及ぼすため、生理痛などが緩和されるケースも」
もむのは、1日たったの1分!
「ポイントは優しくもむこと。腸はリラックスしている時ほどよく動くので、自分が心地いいと思う強さでやってみてください」
腸もみの効果1:腸から血行改善
長くて広い面積を持つ腸には多くの毛細血管が。腸の血液循環がよくなれば、血行が促進され、全身ポカポカに。
腸もみの効果2:ウエストダウン
血行がよくなると、リンパの流れもスムーズに。溜まっていた老廃物が排出され、見た目にも嬉しい変化が。
腸もみ準備編
【1】腹筋に力が入らない姿勢をとる。
仰向けに寝た状態や湯船の中が◎。椅子に座るなら、前屈みになるか背もたれに寄りかかり、腸を緩ませて。
【2】呼吸に合わせたリズムで押しもむ。
大腸をもむ場合は息を吐く時に押し、吸う時に力を抜く。吐く息と吸う息の長さは2:1のリズムで。
【3】基本は1回1分でOK。1日に何回もんでも◎。
大腸は朝、小腸は夜、というふうに、それぞれ分けてもんでもよし。大事なのは短い時間でも毎日続けること。
基本の腸もみをマスター!
小腸のもみ方
手の甲を重ねてへその上に置く。
まずは、へその上に両手を重ねて置く。右手、左手、どちらの手を下にしてもOK。お腹の真ん中あたりを手のひら全体で包み込むイメージ。手に力を込めないよう注意して。
手首を回すようにへそまわりをもみほぐす。
両手でお腹を包み込んだ状態のまま、手の位置は変えず、手首をぐるぐると回転させる。へその周りをぐるりと押し込んでいくようなイメージ。息を止めずに行うのがポイント。
大腸のもみ方
指の第一関節を重ねて右骨盤から、大腸に沿って押しもんでいく。
利き手を下にし、人さし指、中指、薬指の第一関節が重なるように手を合わせたら、(1)右骨盤の内側→(2)右肋骨の下→(3)みぞおちの下→(4)左肋骨の下の順にもんでいく。
左骨盤まで半周したら、最後にぐるぐる回すように押しもむ。
(5)左骨盤の内側は、一時的に便を溜めておくS状結腸と呼ばれる部位。(1)~(4)よりもややしっかりめに、ぐるぐると小さな円を描くように刺激するのがコツ。
真野わかさん セラピスト、養腸家、日本養腸セラピー協会会長。施術、スクール講師、講演活動などを通して、独自の腸もみメソッドの普及に努める。主な著書に『1日1分 腸もみ』(大和書房)などがある。
※『anan』2019年7月24日号より。写真・中島慶子 取材、文・菅野綾子
(by anan編集部)