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5人に1人が生まれつき? “繊細さん”が楽になる方法

一日が終わると、ソファでぐったり。仕事にごはん会にLINEのやり取りに、家族とのコミュニケーション……。見えない疲れが肩に降り積もっているみたい。こんな、どんより疲労感、思い当たりませんか?

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いま注目の『「繊細さん」の本』の著者で、HSP専門カウンセラーの武田友紀先生によると、実はこれ、多くは「繊細さん」によくある気疲れなんだそう。ひと言でいうと、「繊細さん」とは感じる力が強い人。他人の気持ちや状況を察知するために、それに応えようとして、気疲れを起こしてしまう。一方で、絵や音楽、そして自然の美しさなどを深く味わうことができるのも「繊細さん」の特徴。光や匂い、音などにも敏感に反応するから、コーヒーを淹れる香りに癒されたり、沈む夕陽に立ち止まって見とれたり。さまざまなことに刺激を受けやすい「繊細さん」が、自分の感受性を大切にしながら、他人の気持ちや状況に振り回されなければ、毎日をもっと生き生きと過ごせるはず。武田先生と一緒に、日本全国の「繊細さん」がラクになるための技術を指南します。

「繊細さをいいものとしてとらえ、HSPを親しみをこめて『繊細さん』と呼んでいます」

アーロン博士が行った調査では、5人に1人が生まれつき繊細な人という報告も。

「私はこれまで700人以上の繊細さんと話をしてきました。なかには、自分が弱いからだと自分を責めていた方も多いです。ですが、繊細さは、生まれ持った気質。直さなくちゃ、と思う必要はないのです」

他人の表情や仕草、声の調子、そして内容などから、さまざまな情報をキャッチするのも、光や音の刺激を受けやすいのも、脳の神経システムゆえ。小さなことに気づくのは自然なこと。

「繊細な感覚で他人の感情や、場の雰囲気を感じ取るため、相手に配慮したり、状況を改善すべく対応しようとしたりします。また、ミスに気づいたり、先のことを予想して考えすぎて、行動に時間がかかることもあります。よく気づくがゆえに、自分が後回しになりやすいのです」

どうやら、これが、気疲れの大きな理由のようです。

敏感な感覚を活かして、自分らしく生きること。

繊細な自分を自覚しているため、それを見せまいとポーカーフェイスで通し、あえて、タフさや豪快さを装ったりする隠れ繊細さんの存在もちらほら。

「ハキハキしていて竹を割ったような性格に見える繊細さんも、実は、タフでなければという型に自分を押し込めて悩んでいる場合があります。繊細さんが鈍感になろうとして感覚を閉ざすと、喜びや楽しさも感じにくくなります。そうしたことが習慣化することは避けてほしいです」

そんな繊細さんがイラッとしてしまうのが非繊細さんの言動。例えば、困っている人に手を差し伸べない非繊細さんを、繊細さんは配慮のない人と受け取り、がっかりしてしまう。気づかない人もいるのだということがわからないのです。なんだか、繊細さんは気苦労だらけ……。

「いえ、繊細さんには良い面がたくさんあります。感じる力は、美しさややさしさ温かさに気づき、深く味わう力でもあるのです」

良いこともそうでないこともたくさん感じながら、繊細さんは疲弊せずにいられるんでしょうか?

「繊細な感覚とともに、本音を大切にすれば、どんどんラクになりますよ。気疲れを防ぐには、気づかないようにするのではなく、気づいたときにどう対処するかという技術を手に入れることです」

HSP専門カウンセラー・武田友紀先生 HSPの心の仕組みを大切にしたカウンセリングとHSP向け適職診断が評判。著書『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』(飛鳥新社)が好評。最新刊『今日も明日も「いいこと」がみつかる「繊細さん」の幸せリスト』(ダイヤモンド社)。

※『anan』2020年5月13日号より。イラスト、マンガ・サヲリブラウン 構成、取材、文・牛島暁美

(by anan編集部)

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